
5月27日、「国会に声を届けよう! Part III 原発被害者の救済を求める全国集会 in 東京&国会請願デモ」が行われた。原発事故被害者の救済を求める全国運動実行委員会の主催。 東京電力福島第一原発事故は、事故以来4年以上が経過しても、収束の見通しが立たない中で、自主避難者の見なし仮設住宅の支援打ち切りや避難区域指定の解除、はては賠償の打ち切りの動きが出てきた。しかし、予防原則に基づき追加被ばくを回避するための具体的な政策や、長引く原発事故の影響を踏まえた抜本的な対策が必要なのだ。緊急性が高いのは、「住宅」「健康」「保養」「賠償」だ。

日比谷コンベンションホールで10時20分から、全国集会が開かれた。原発事故子ども・被災者支援法推進自治体議員連盟の片山かおるさん(小金井市議会議員)の開会あいさつのあと、日本諸費者連名の富山洋子さんが連帯の挨拶。

「原発事故被害者はいま~住宅・保養・健康…いまこそ立法を!」と、住宅問題で吉田千亜さん(ママレボ)、保養で矢野恵理子さん(FoE Japan)、

立法の重要性で宇野朗子さん(共同代表・福島市から京都府に避難)、

避難解除促進で満田夏花さん(FoE Japan)が現状報告。

続いて、「原発事故被害者からの報告」として各地の避難者が発言。神奈川に避難の坂本健さんは、避難指示解除基準20ミリシーベルトの問題を指摘。札幌に避難の宍戸隆子さんは「自主避難者はわがままだ、とよく言われる。それでもなぜ、避難したのか?『子どもたちの命を守りたい』という一心で避難した。今、避難したお母さんたちがとても追い詰められている。いつでもSOSが受け取れるように携帯電話をいつも首にかけている。自主避難者の一番の支援が、住宅支援。私たちは、その場所で小さな一歩を踏み出している。住宅支援を、どうか、続けて欲しい。せめて数年、複数年を延長して欲しい。私たちの自立を応援して欲しい。みなさん、どうか力を貸してください。私たちの生きる尊厳を守って行きたい。どうぞよろしくお願いします」と訴え、新潟に避難の磯貝潤子さんは、「国と県は勝手です。どれだけ子育てをしているお母さんたちを頑張らせるの?どれだけ一人残るお父さんを頑張らせるの?」と切実な想いを話した。
国会議蓮の川田龍平議員も連帯の挨拶。

「手をつなごう!立ち上がろう~原発事故被害者団体連絡会–ひだんれんの設立」を武藤類子さん(福島原発告訴団団長)が「一人一人の力はささやかでも、つながることで大きな力となる。すべての被害者の結集を呼びかけます」と報告。最後に、佐藤和良(共同代表)が「住宅支援打ち切りは、まさに被災者の生活の根幹に対する攻撃。今、戦争法案も通ろうとしている。この国家の暴走に対して、私たち民衆が止める力を持っているのか、問われている。『住宅・健康・保養・賠償』は、全て喫緊の課題。これを国会で審議せずして国民の代表と言えるのか。4年後には、原発事故がなかったことにされようとしている。政府による市民社会への攻撃に対して、声をあげ続けていこう」とまとめと閉会の挨拶。

12時5分、5月15日集約の「原発事故被害者の住宅・健康・保養支援の立法化と完全賠償の実現を求める請願署名」を、国会へ提出するために約150名が請願デモに出発した。

参加者は、テーマカラーのオレンジのものを身につけている。大熊ワタルさん(クラリネット)、こぐれみわぞうさん(チンドン太鼓)ほかのジンタらムータのみなさんがにぎやかな演奏でデモを盛り上げる。


お昼休みの官庁街を「避難者の声を聴け! 賠償打ち切るな!」とシュプレヒコールをあげながら国会請願デモは、衆議院と参議院の議員面会所へ。民主党、維新の党、共産党、社民党、生活の党と山本太郎となかまたちなどの国会議員と秘書のみなさんに請願書と全国から寄せられた12万3455筆の署名簿を手渡す。

被災者・避難者から厳しい避難生活の実態が訴えられ、住宅支援の継続を求める要請が行われた。被害者切り捨ては許されない。国会は請願を採択し、政府に原発事故被害者の救済をせまれ!