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一般質問報告2−損害賠償と住宅支援、側溝土砂、荻・志田名の再生

6月定例会、6月15日に行った一般質問の詳細のご報告、2回目です。

1 浜通り拠点都市としてのいわき市の現状と課題について
 (1)いわき創生総合戦略の策定について(第1回)
 (2)(仮称)イオンモールいわき小名浜の着工延期への対応について(第1回)
 (3)福島原発事故への対応と市民を守る対策について(第1回〜第2回)
 (4)道路側溝土砂の処理について(第2回)
 (5)川前町下桶売字荻・志田名地区の再生について(第2回)

 
2 新シアター「いわきPIT」について 
(1)新シアター「いわきPIT」との連携と支援について

3 視覚障がい者の生活支援について
 (1)中途視覚障がい者への生活支援について
 (2)盲導犬について
  
第2回は、「1 浜通り拠点都市としてのいわき市の現状と課題について」のうち、「(3)福島原発事故への対応と市民を守る対策について」の途中から「(4)道路側溝土砂の処理について」「((5)川前町下桶売字荻・志田名地区の再生について」まで、です。
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大きな第一点は、浜通り拠点都市としてのいわき市の現状と課題について、であります。

3点目は、福島原発事故への対応と市民を守る対策について、です。

⑪次に、福島原発事故に伴う避難指示区域外の商工業者等の営業損害賠償の打ち切りについて、です。東京電力は、商工業者はじめ多くの反対で一旦取り下げた損害賠償の素案に1年分上乗せして2年分とし2016年度で打ち切る修正案を発表しましたが、汚染水放出はじめ事故収束が見通せず2年で風評被害が解決するとは考えらないことから、いわき市としては、商工業者等の損害賠償打ち切りに反対し継続を求めるべきではないか、お尋ね致します。

—答弁(商工観光部長)
 本市におきましては、観光業をはじめ、福島第一原子力発電所事故に伴う風評の影響を受けている事業者が多数おられますことから、これまで、国及び東京電力に対し、事業者等の意見や要望を真摯に汲み取り、事業者の再建に結びつく適正な賠償を実施するよう、強く要望してきたところであります。
 この度、6月12日に開催されました国の「原子力災害対策本部会議」において、今後、国が2年間の集中的な自立支援施策を展開するとともに、その間に発生する損害を東京電力が一括して賠償し、平成29年度以降は、自立支援施策の利用状況等も踏まえ、個別の事情により対応するとの内容の復興指針が改訂されたところであります。
 県においては、個別賠償に移るには、一括支払いの対象とした2年間での風評払拭対策や事業再建が前提であり、今後の国及び東京電力の対応を見極めるとしておりますことから、市といたしましても、県と連携を図りながら、損害に応じた適正な賠償がなされるよう、引き続き、適切に対応して参りたいと考えております。

⑬次に、福島原発事故に伴う避難指示区域外避難者の見なし仮設住宅の支援打ち切りについて、です。母子避難など区域外避難者にとっては、二重生活の経済的負担が大きい中で、数少ない支援策のひとつである住宅の無償支援の打ち切りは生活基盤の根底を揺がしかねず、未だ多くの避難者が存在する現状では、いわき市としては、住宅支援の打ち切りに反対し継続を求めるべきではないか、お尋ね致します。

—答弁(行政経営部長)
 避難指示区域外避難者のみなし仮設住宅の供与期間については、県が各避難元市町村の状況等を踏まえ、国と協議をし、これまで1年単位で延長してきたところでありますが、今回県は、「住宅供与期間を平成29年3月末まで延長し、その後については、新たな住宅支援策や相談体制の強化策を検討する。」という考えを示しております。
 避難者・被災者が恒久住宅へ入居するまでの住居の支援については、災害救助法施行令に基づき、県が責任をもって行うこととされており、また県は、今後、各避難元市町村と意見交換を行いながら、詳細を詰めていくとしていることから、市としては、県が示した方向性が避難者へ与える影響が大きいことを考慮し、その機会を捉え、避難者・被災者それぞれの事情に最大限配慮した制度設計について、県に求めて参りたいと考えております。

 ぜひ今のままでは、打ち切りの方向ということが色濃いということがあるものですから、市としても今、部長答弁のように具体的にいわき市からも千単位の方が避難しているわけですので、そういった方たちが生活基盤、命綱を失わないようにひとつ強く求めていただきたい。
 原発事故と原子力災害に対し、いわき市が市民のいのちを最優先に的確な対応を行うよう改めて要望し、次に移ります。


4点目は、道路側溝土砂の処理について、です。

道路管理者のいわき市は、市道の適正な維持管理を図るため、側溝清掃により排出された土砂の運搬等の道路維持補修事業を行っています。過日、平成27年度春の一斉清掃が実施されましたが、側溝清掃は、土砂の受け入れ先が確保できないため原則実施しておりません。震災から4年3か月が経過し、その間に堆積した土砂は、場所によっては、側溝断面積の半分以上を占め、悪臭や害虫の発生源となり、大雨時の排水不良による水害発生要因ともなっています。いわき市は「いわき市道路側溝相談受付センター」を設置し、当面の対応に努めていますが、抜本的な対応が求められております。一方、いわき市は、昨年10月復興大臣への要望書で「8,000Bq/kg を超える側溝汚泥等について、処分方針を明確に示すこと。8,000Bq/kg 以下の側溝汚泥等の処分等に関し、具体的な支援策を早期に示すこと。」を国に要望しています。

⑭まず、道路除染による市道側溝土砂の処理について、実施状況や発生土砂の除染廃棄物の一時保管状況など、現状はどうなっているか、お尋ね致します。

—答弁(土木部長)
 市道除染の実施状況につきましては、現在、道路除染のモデル地区である久之浜・大久地区において、本年3月から側溝土砂上げを中心とした道路除染に着手し、本年7月末の作業完了を目途に進めているところであり、発生土砂等の除染廃棄物につきましては、環境省が策定した除染関係ガイドラインに基づき、住宅除染で発生した土砂等と同様の方法で、久之浜・大久地区内の仮置場に一時保管している状況であります。

⑮次に、一時保管した除染廃棄物の搬出について、搬出予定先や搬出時期など、今後の見通しはどうか、お尋ね致します。

—答弁(土木部長)
 除染廃棄物の搬出時期につきましては、国は、中間貯蔵施設内に保管場を設置し、本年3月より、概ね1年間を目標に除染を実施した県内43市町村からそれぞれ1,000㎥程度を搬出するパイロット輸送を開始しており、この中で、安全性などの検証を通じて、本格輸送に向けた準備を進めていくとのことでありますが、本市の除染廃棄物の搬出時期については、現段階で未定であることから早期に搬出できるよう、国に対し、要望して参りたいと考えております。

⑯次に、道路除染対象外の市道側溝土砂の処理について、どのように行う考えか、お尋ね致します。

—答弁(土木部長)
 道路除染対象外の市道側溝土砂の処理につきましては、現地点においては、土砂上げ及び保管場所の設置等に係る費用が、除染対策事業県交付金の対象とならないこと、更には、国が設置する中間貯蔵施設への搬入ができないことなど、多くの課題があることからこれまで、国に対し、側溝土砂の処理方針を早期に示すことや土砂上げに係る財政支援、及び国の責任における中間貯蔵施設への搬入などについて、要望してきたところであり、今後も、国に対し、あらゆる機会を通じて、強く要望し、一日も早く、除染対象外の側溝土砂の処理ができるよう取り組んで参りたいと考えております。

⑯-2 今私も紹介しましたけれど、昨年10月の復興大臣の要望等を国に対する要望の結果というか中間的な現状というのはどのようになっているのか。

—答弁(土木部長)
 国に対しては東北市長会や福島県を通じまして、側溝土砂については国に責任において処理の明確化及び8000ベクレル未満の廃棄物の処理費用に対する国の財政支援及び国の責任による中間貯蔵施設への搬入等の内容について、国の方針を示すよう強く要望しておりますが、国のほうからはまだ明確な回答をいただいていない状況にあります。

それでは、引き続き国に対する要望を強く申し入れていただきたい。
⑰次に、「いわきのまちをきれいにする市民総ぐるみ運動」での側溝土砂上げの再開について、再開を求める市民の要望が強いが、市内全域の側溝土砂の処理が何年もかかるのであれば、道路管理者による側溝土砂の処理が終了した地区から、順次「いわきのまちをきれいにする市民総ぐるみ運動」での側溝土砂上げを復活させる考えはあるのか、お尋ね致します。

—答弁(土木部長)
 「いわきのまちをきれいにする市民総ぐるみ運動」は、市民一人ひとりが自らの手でまちをきれいにすることを通じて、環境美化に対するモラルの向上を図ることを目的としており、同運動の実施に当たりましては、市内一斉に統一した作業内容としているところであり、側溝土砂上げについても、道路管理者による処理が終了し、土砂の受け入れ先が確保された後、実施が可能になるものと考えております。

国への働きかけを含め、道路側溝土砂処理の抜本的な対策を求め、次に移ります。

5点目は、川前町下桶売字荻・志田名地区の再生について、です。

2011年福島原発事故発生の際、いわき市は、安全・安心の確保を第一として30km圏内の市民に対し、市独自の判断で自主避難を要請しました。3月13日久之浜・大久地区住民に大型バスが用意され、同3月15日に小川町上小川戸渡地区と川前町下桶売荻・志田名地区の住民に対しても自主避難の要請が出されました。4月22日総理大臣から、福島第一原発の半径20kmから30km圏内に屋内退避指示の解除および「計画的避難区域」、「緊急時避難準備区域」の設定の指示があり、市内全域が規制区域外となりました。
しかし、荻・志田名地区は、市内の他地区と比べ高い放射線量の測定が確認されたため、7月5日に市の独自措置として「市長が定める自主避難区域」に設定され避難希望者に、一時提供住宅の確保などが実施されました。その上で、いわき市はこれまで荻・志田名地区を優先的に除染してきたのです。

⑱まず、荻・志田名地区の居住状況について、世帯数、避難者数など原発事故以降の居住状況はどうなっているか、お尋ね致します。

—答弁(行政経営部長)
 現住人口調査によりますと、福島第一原発事故以前の平成22年10月1日現在における、荻・志田名地区の世帯数及び人口は、46世帯131人となっております。
 その後、原発事故により、19世帯から49人が借上げ住宅等に避難いたしましたが、本年4月1日現在は、45世帯106人となっております。

⑲次に、荻・志田名地区の空間放射線量について、空間放射線量の最大、最小、平均の数値は、原発事故以降、どう推移してきたか、お尋ね致します。

—答弁(行政経営部長)
 市におきましては、市内約2,000箇所の空間線量を測定し、市ホームページのいわきiマップに、その結果を掲載しているところであり、荻・志田名地区においては、志田名集会所等の9地点で測定を実施しております。これら9地点における測定結果の推移を測定を開始した平成24年1月と直近の平成26年11月の比較で申し上げますと、最大値については、毎時1.29マイクロシーベルトに対し、毎時0.67マイクロシーベルト、最小値については、毎時0.22マイクロシーベルトに対し、毎時0.1マイクロシーベルト、平均値については、毎時0.79マイクロシーベルトに対し、毎時0.33マイクロシーベルトとなっております。

⑳次に、荻・志田名地区の除染状況について、除染後の放射線量や仮置場への除染廃棄物の搬入量など、除染の現況はどうなっているか、お尋ね致します。

—答弁(行政経営部長)
 荻・志田名地区の住宅除染につきましては、平成23年12月に除染手法や廃棄物の量などを把握するため市内で最も早く、試験的に着手いたしました。
 平成24年6月からは本格的な除染を進め、平成25年度末までに一旦は終了したところですが、平成26年度からの追加的な除染の効果を含めると、住宅の平均的な空間線量は、除染前の毎時0.89マイクロシーベルトに対し、除染後においては、毎時0.29マイクロシーベルトまで低減しております。
 また、これらの住宅除染により発生し、仮置場へ搬入した除去土壌等の量は、可燃物約7,200袋、不燃物約24,500袋の計約31,700袋となっております。

21)次に、荻・志田名地区の生活環境の回復について、追加被曝線量が年間1mSv以下になるのは、いつ頃と想定しているのか、お尋ね致します。

—答弁(行政経営部長)
 環境省では、放射線による個人の被ばく線量は、各個人の生活パターンや主な活動場所等の条件により変化することから、一概に地域の空間線量とを関係づけることについては、十分に注意する必要があるとした上で、年間追加被ばく線量1ミリシーベルトに相当する空間線量の目安を、毎時0.23マイクロシーベルトと換算しておりますが、現在の荻・志田名地区の住宅敷地内の平均の空間線量は、毎時0.29マイクロシーベルトとなっております。
 今後の空間線量の推移につきましては、時間による減衰に加え、風雨などの自然要因や地域の諸条件など様々な要因が考えられることから、適切に推計することは困難であると考えております。

21)-2 具体的な推計というのが難しいというお話でありますけども、現実的には0.23毎時というところまで落ちない現状が一方であるわけで、その意味では一定程度宅地除染をやった中でもいまだにかなり極めて高い場所もお宅によってはあるというのは現実で、そういうスポットがずっと続くところがあり、やはりそういう意味では、ふるさとを離れられない思いと同時に、除染がなかなか進まない、思うように下がらないという現状はこれからも心砕いて追加除染をやっていく必要があるのではないかと思っておりまして、その点はいかがでしょうか。

—答弁(行政経営部長)
 私も川前地区については伺ってお話を聞いておりますけれども、やはり不安を除いてこれからの生活再建を考えていく必要がある。そのためには、線量の問題について環境省などとも協議をしながら進めていきたいと考えています。

22)次に、荻・志田名地区の農地除染後の農業再開の見通しについて、水田・畜産など農業再開の見通しはどうなっているか、お尋ね致します。

—答弁(農林水産部長)
 荻・志田名地区の水田及び畑につきましては、線量低減に向けた取組みとして、平成24年8月から平成27年3月までの間に表土剥ぎの方法により約42haの除染を実施したところであります。
 この内、水田につきましては、現在、表土剥ぎの影響により低下した地力の回復を図るため、県やJA等の関係機関が地区住民と協議しながら牛ふん堆肥を施用していく対策の年度内実施を目指しているところであり、同対策の完了後には、稲作の再開ができる見込みとなっております。
 また、畜産につきましては、今年度において、市営荻牧野の29haの草地更新を予定しており、事業完了後、来年度の一番草について県がモニタリング検査を行い、国が定める飼料の暫定許容値1Kgあたり100Bq以下であることが確認できれば、放牧が再開できることとなります。
 市といたしましては、今後も、荻・志田名地区の農業再開に向けて、国・県・JAなどの関係機関と連携を図りながら取り組んでまいりたいと考えております。

23)次に、荻・志田名地区住民に対するいわき市の対応について、2011年3月11日原発事故以降の対応を検証した上で、課題についてどのように認識しているのか、お尋ね致します。

—答弁(行政経営部長)
 先ほど議員からのお話もあったとおり、荻・志田名地区につきましては、平成23年4月22日に屋内退避指示が解除されたのち、同地区における放射線量の測定結果に基づき同年7月5日に市独自の措置として、「市長が定める自主避難区域」に設定し、避難を希望する住民に対し一時提供住宅を確保するとともに、市が優先的に除染する地区とし、住宅除染や農地の除染を実施してきたところであります。
 しかしながら、住宅の平均的な空間線量が他地区と比較して依然として高いことや、除染を行った農地の地力が低下する状況が生じていることなど、住んでいる方々及び避難された方々の不安の解消と、農業再開に向けた環境整備を行うことが、同地区の当面の課題であると認識しております。

24)次に、荻・志田名地区住民再生について、営業損害、就労不能損害、財物価値の喪失又は減少、精神的損害などの住民に対する損害賠償も含めて、いわき市としては、今後どのように対応していくのか、お尋ね致します。

—答弁(行政経営部長)
 荻・志田名地区の再生につきましては、当地区において、住民の方々が不安なく生活できる環境を整えることが必要であると考えております。
市といたしましては、地区内の放射線量の十分な低減を図るため、これまで、住宅の追加的な除染を行ってきましたが、今年度は新たに、道路の除染を行うほか、地域と一体となった放射線に関する理解の促進や地域に寄り添った相談窓口の充実、さらには、農業再開の支援など、地区の再生に向けた取組みを実施して参りたいと考えております。
 また、荻・志田名地区を含む、本市の旧屋内退避区域の原子力損害賠償につきましては、精神的損害及び就労不能損害に対する賠償の旧緊急時避難準備区域との格差の是正や、財物賠償の早期実施、営業損害賠償とそれに伴う事業再開へ向けた環境整備などについて、国及び東京電力、原子力損害賠償紛争審査会に対し、引き続き要望・申入れを行って参ります。

いわき市は、荻・志田名地区の住民のみなさんに寄り添い、原子力災害から再生するため、生活と生業の再建に全力をあげて取り組むよう、あらためて要望して次ぎに移ります。

一般質問報告2−損害賠償と住宅支援、側溝土砂、荻・志田名の再生_e0068696_8421255.png

by kazu1206k | 2015-06-18 22:03 | 議会 | Comments(0)

佐藤かずよし


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