東電に被曝労働者の待遇改善を求め要請
2015年 08月 06日
この日は、7月31日の東京第五検察審査会による、東京電力旧経営陣、勝俣恒久元会長、武藤栄元副社長、武黒一郎元副社長に対する、強制起訴議決の公表をうけて、あらためて福島原発事故の責任を明らかにするよう求めるとともに、8月1日には第一原発作業員の死亡もあり、被曝労働者の待遇改善を求める要請書(末尾に掲載)を提出した。
第22回交渉の内容は、以下の通り。
①「福島原発事故の責任を明らかにし、被曝労働者の待遇改善を求める要請書」の提出
②「福島第一原発・廃炉収束・被曝労働に関する要請書」への回答に対する質疑への再回答
③「K排水路からの高濃度汚染水の海洋放出と厳正な処置を求める抗議書」で増田廃炉推進カンパニー・プレジデントとの面会要請への再回答
④汚染水の総量規制で市民説明会の開催の件など、これまでの質疑への再回答
⑤その他
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東京電力株式会社 代表執行役社長 廣瀬 直巳様 2015年8月6日
福島原発事故の責任を明らかにし、被曝労働者の待遇改善を求める要請書
2011年3月の福島原発事故から4年5ヶ月、7月31日、東京第五検察審査会は、東京電力の旧経営陣、勝俣恒久元会長、武藤栄元副社長、武黒一郎元副社長に対して、業務上過失致死傷罪で「起訴すべきである」と7月17日議決したことを公表した。今後、裁判所が指定する検察官役の弁護士(指定弁護士)によって起訴され、福島原発事故の刑事責任を問う刑事裁判が開かれることとなった。
未曾有の放射能汚染と低線量長期被曝をもたらした福島原発事故は未だ収束せず、原発事故による多くの犠牲者がうみだされ、未だ11万人余の住民が避難生活を強いられている。にも拘らず、安倍内閣は「避難指示解除準備区域」「居住制限区域」の指定を2017年3月までに解除し、貴社による精神的損害賠償も2018年3月に打ち切り、「避難指示区域以外からは避難する状況にはなく、支援対象地域は縮小または撤廃することが適当」(原発事故子ども・被災者支援法の基本方針改定案)などと、被害者の実情、被害の実態を無視した、「被害者きりすて」を強行しようとしている。また、安倍内閣は、脱原発の世論を無視して川内原発の再稼動をもくろみ、福島原発事故を顧みない誤った原発推進政策に固執しており、到底許されるものではない。
わたしたちは、福島原発事故の被害者として、貴社が福島原発事故の原因の究明と責任の所在を明らかにするよう、あらためて求めるものである。
さて、福島原発では毎日7000人もの労働者が作業に従事し、被ばくが増え続けている。わたしたちは、これまでも作業の安全確保、被ばく低減、健康管理・生活保障、雇用条件の是正を求めてきたところであるが、8月1日には、作業員が死亡する事案もあり、労働災害の増加、労働法令違反が沈静化していない。あらためて、「原発事故の収束・廃炉・除染」に携わっている労働者の賃金の確保・労災事故の防止等に向けて、労働相談の実情を踏まえて、下記の通り要請し、回答を求める。
記
1、公契約法に準ずる契約締結をすること
・末端の労働者に積算した労務単価を支払うよう義務づけること
2、危険手当を明確にし、労働者に支払われるよう措置すること
3、福利厚生の改善をはかること
・休憩所を確保すること
・宿舎管理、プライバシー保護を徹底すること
・川崎でのドヤ火災との例もあり、元請けの対応、東電の指導を徹底すること
4、熱中症及びアスベスト予防対策をすること
・労働局で事業所に熱中症対策を要請したが現場に不徹底、東電の指導を徹底すること
5、勤務時間、通勤手当、危険手当を雇用契約に明示すること
・ 以前はJヴィレッジからが勤務時間の開始、現場に直行の勤務形態が多くなっているが、勤務の開始を明示すること
・通勤時間が長くなるが通勤手当を雇用契約に明示すること
6、被ばく線量の低減化にむけた取り組みをすること
・廃炉作業に緊急時作業の250msvへの被ばく限度の引き上げを適用しないこと
7、8月1日、1F作業員の死亡について、通勤時間の死亡であれば労災適用すること
以上
命を守る三春の会 風下の会福島 脱原発の日実行委員会福島 脱原発福島ネットワーク 脱原発緑ネット ハイロアクション福島 福島原発30キロひとの会 双葉地方原発反対同盟 フクシマ原発労働者相談センター ふくしまWAWAWA―環・話・和―の会