原子力規制庁、環境省、復興庁に質問
2015年 08月 21日
●原子力規制庁、環境省、復興庁宛質問
<原子力規制庁宛質問>
1.原子力規制委員会の田中俊一委員長は7月22日の定例記者会見で、東京電力福島第1原発事故で被災した福島県の復興に関し、被ばく線量の目標値の設定を国として検討する必要があるとの見解を示した。
1) これはICRPPub.111でいう「参考レベル」を念頭においた発言か。
2) 検討手法、スケジュールについてご教示いただきたい。
2.政府、は平成25年以降、東日本各県の放射性物質による土壌汚染に関するモニタリングを行っているか。行っている場合は、そのデータをご教示いただきたい。
3.個人線量計は、空間線量率から推計した被ばく量よりも4割程度、低く出ることが知られている。また、住民は個人線量計を常時身に着けず、屋内や車内に保管したままである場合も多いことが報告されている。
そのような状況で、個人線量計の値を、線量が低下した証拠として用いることは問題ではないか。
4.個人被ばく線量の最大値は、二本松市で最大5.22mSv/年、須賀川市で最大1.86mSv/年となっているが、いわき市、福島市、伊達市などでは最大値が公開されていない。個人線量計の値を政策に反映するのであれば、最大値を用いるべきではないか。
5.放射線の健康への影響を検討する際に、積算線量をも考慮に入れるべきだと考えるが、原子力規制委員会の見解はいかがか。
6.原子力規制委員会の役割の中に、原発事故被害者の被ばく防護措置に関する政策立案は含まれているか。
<環境省宛質問>
1.除染の目標値は年1ミリシーベルトか。
2.環境省の「東京電力福島第一原子力発電所事故に伴う住民の健康管理のあり方に関する専門家会議」の中間とりまとめでは、「今般の原発事故におる放射線被ばく線量に鑑みて福島県および福島近隣県においてがんの罹患率に統計的有意差をもって変化が検出できる可能性は低いと考えられる」と記載している。
一方、去る五月十八日に福島県で開催された福島県未健康調査検討委員会の席上で、甲状腺評価部会が「わが国の地域がん登録で把握されている甲状腺がん罹患統計などから推定される有病率に比べて数十倍のオーダーで多い。」とする中間とりまとめを提出している。その理由として、「被ばくによる過剰発生か過剰診断(生命予後を脅かしたり、症状をもたらしてりしないようながんの診断)が考えられるとしている。
この報告を受けて、環境省として、改めて県外に健診を拡大することについて検討すべきだと考えるがいかがか。
<復興庁宛質問>
基本方針改定案には、「空間放射線量等からは、避難指示区域以外の地域から避難する状況にはなく、支援対象地域は縮小又は撤廃することが適当であると考えられる」と記載されてる。
1.「避難する状況にはなく」と結論づけた基準の線量をご教示いただきたい。
2.基本方針改定案においては、「被災者が、いずれの地域かにかかわらず、自ら居を定め、安心して自立した生活ができるよう、法の趣旨に沿って、定住支援に重点を置きつつ、地方創生分野の取組など、各施策も活用しながら、引き続き必要な施策を行っていく」としているが、「定住支援」の検討内容を具体的に例示されたい。
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●「「被災者生活支援等施策の推進に関する基本的な方針の改定(案)」を撤回し、支援法の本来の趣旨に基づいた施策を求める政府交渉」
8月24日(月)13:00~14:30
●場所:参議院議員会館 101会議室(1階)
●参加省庁:環境省、原子力規制委員会、復興庁
●主催者:「原発事故子ども・被災者支援法」推進自治体議員連盟
福島原発震災情報連絡センター
原発事故被害者の救済を求める全国運動 実行委員会