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『たらちね』を応援してくださるみなさまへ

いわき放射能市民測定室 たらちね から、新年の御挨拶が届きました。

『たらちね』を応援してくださるみなさまへ

明けましておめでとうございます。
本年も、よろしくお願い申し上げます。

『たらちね』は、2011年11月13日の開所から、いよいよ5年目の年に入りました。
立ち上げの当時は、食品測定器2台とホールボディカウンター1台、そしてパート職員2名/ボランティア3名ほどの体制で、朝の9時から夜19時まで食事の時間もとれないぐらいの忙しさで無我夢中で測り続けました。
受付カウンターは、測定依頼の地元の人々で混乱し、電話もなりやまず、予約が取れないことを怒り出す人もいました。
スタッフが、一杯の水を飲む暇もないほどの混乱が続きました。

それから4年2ヶ月が過ぎた今、社会ではこの問題が風化しているといわれています。
しかし、『たらちね』の毎日は何も変わることはありません。
食品測定器は4台に増えましたが、今も1日中動きっぱなしで、ホールボディカウンターは除染や原発の作業の人々の利用が増え、可動率は毎年上がってきています。
また2015年4月には、ストロンチウム90やトリチウムを測定するラボが開設され、一つの試料を様々な角度から測定することができるようになりました。
2013年からの福島県全域で検診を行う甲状腺検診も、開始から3年が過ぎようとしています。
2015年9月からは東電が海に放出している放射性汚染水の調査も始めました。
また、2012年の春から始まった沖縄・球美の里の子ども保養プロジェクトのいわき事務局の役割も、今年で4度目のお正月を迎えております。
これまで多くの子どもたちを沖縄・久米島に送り出しました。
今年度『たらちね』の職員・パートの人数は10名となりました。

一つの原子力発電所のたった一度の事故で、その放射能汚染の実相を検証し、地域の人々の健康被害を掌握し対応することは、途方もない年月と多くの人々の尽力が必要であることを『たらちね』のこの4年2ヶ月の歩みから学び、実感いたしました。
原発事故から子どもたちを守るために、嫌も応もなく『たらちね』の活動が始まり、5年目の今も休むことなく動き続ける現場の状態は戦場そのものであり、いつ終えることができるのか想像することもできません。

その環境の中で子どもたちは育ち、次の時代を担う大人となっていきます。
子どもたちの肩には、おろすことのできない重い荷物がのっており、それをどこまで軽くできるのか、それが『たらちね』の活動の意味だと感じております。

この『たらちね』の活動を支えるために、これまで本当に多くのみなさまからのご支援がございました。
そのご支援とともに、私たちはここまで歩んでまいりました。
これから先、この問題がどうなっていくのか…見通しが立たないほど事故の被害は大きく、東電の原発事故現場は混乱しています。
しかし、その中で間違いなく成長していく子どもたちのために、みなさまにはこれからも どうか私たちと一緒に歩んでいただくことをお願いいたします。

『たらちね』はこの5年目を迎える今まで、みなさまの御心とともに在りました。
今後とも力強いお見守りと応援をどうぞよろしくお願い申し上げます。
そして、本年もみなさまにとって良い年であることをお祈りいたしております。

『たらちね』一同
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by kazu1206k | 2016-01-06 22:56 | 脱原発 | Comments(0)

佐藤かずよし


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