電力小売り自由化で、脱原発の意思表示
2016年 02月 19日
以下に掲載します。
<電力小売り自由化で、脱原発の意思表示を!>
* 再処理拠出金法案阻止
* 電力購入は電力会社以外から購入する(出来れば一緒にガス会社からの購入は効果大)
「再処理拠出金制度案」が閣議決定されました。本法案は、具体的ではなく解りにくくしてあり、今国会に提出されています。本法案の主旨、内容を十分に説明させ、問題点を明確にして何とか法案の通過を阻止しましょう。
拠出金制度法は、損害賠償支援機構法と全く同じ構造です。東電救済法ではないと言いながら法案を歪曲化し、次々と省令により東電救済法にしました。法案が可決すれば、省令を次々と発令し実態を現すことでしょう。しかし、今の状態でも再処理の実績(必要性と経済性)を問題にして阻止することは可能です。
私の不十分な理解で中途半端ですが発信します。
拠出金制度は、
① 電力自由化において再処理など原発関連事業を延命させるための法案(拠出金という手切れ金)
② 原子力事業の先送りした負債を今後も回収するための法案(総括原価方式に代わる回収方法)
③ 民(電力会社)に対する官(経産省)の完全勝利の天下り法案(許認可、公益法人だらけ)
電力改悪最終法案だと思います。
しかし、この法案を阻止すれば情勢は一変します。4月からは電力小売り自由化、6月には株主総会、そして参議院選挙とあります。この法案の本質は、先送りしている原子力関係負債の回収です。表面的には「再処理の継続」です。つまり再処理の「必要性」と「経済性」を問題にすれば良いのです。
これを問題にした私のパブコメ質問は完全に無視されました。問い合わせにも十分な回答はありません。
1 拠出金制度を阻止できれば、再処理事業を中止させることになり、核燃料サイクル事業の必要性もなくなります。必要のない再処理事業、MOX加工事業、核燃料サイクル事業などの無駄な将来費用を削減できます。何よりも経済的ダメージを与えられます。電力会社は、原子力不良債権を抱えることになり、これに耐えられなくなり脱原子力を懇願する。電力会社の本音は脱原子力です。
官僚に「拠出金は手切れ金」だと言われても信用はできないし、電力自由化と分社化は分母の縮小で原子力不良債権をさらに重くします。原発関連事業の国有化は不可避ですから、電力自由化を機に軟着陸すべきでしょう。
2 4月からの小売り自由化では、電力会社以外の小売りを選択することで2020年を待つことなく「総括原価方式」を無力化させることができます。是非、皆さんも「脱電力会社」にしてください。
電力会社の電力を購入しないということは、「総括原価方式」に協力しないということです。原子力関連費用を負担しないということになります。
私は東京ガスに代えるつもりです。要望として電力会社からの購入を出来るだけ避ける。特に原発で発電した電気は拒否する。東京ガスの営業は、再エネ発電の価値、原発・石炭火力発電の拒絶を認識していないので、契約時に「営業トーク」を教えてやる。
私の場合、20アンペアですから東京ガスにするのは30アンペアにしなければなりません。当然、割高になります。でも、何故かえるのかを教えるのです。来年のガス小売り自由化で何を武器にするべきなのか、消費者が価格だけではなく何を求めているのかなどを、契約時に説明、現場の声として代理店から本社へ上げて貰うことです。経営方針に影響を与えると思います。
3 再処理拠出金は、託送料金ではなく小売り電気料金から回収する可能性
一方、料金表で気になったのが「再エネ賦課金」があったことです。小売りの基本料金として、どの小売りを選択しても一律に回収する事になっているのではないでしょうか(私だけが認識していなかったと思います)。
パブコメでも拠出金の回収は、電力会社の小売りで回収すると説明しています。官僚も託送料金で回収はしないと言っています。
「再エネ賦課金」は不公平のターゲットとしてだけではなく、「再処理拠出金」の先兵となっている可能性があります。再エネだから良いとすれば、再処理拠出金も認めざる得なくなります。再処理拠出金は、今は再処理等費用だけですが東電の損害賠償金、廃炉費用なども入ってきます。
何よりも電力自由化といっても、原子力関係費用の負担を拒否する選択肢はなくなるのです。そして、原子力事業は、必要性も、経済性もなくても継続・延命することになるのです。小売り料金に「再処理拠出金」が入ってきたら、電力自由化とは何か、総括原価方式とは何かを、新規参入電気事業者にも、消費者にも具体的に問題提起することができます。
4 小売りで拠出金の回収は、飛んで火にいる夏の虫
電力会社の利益を保護してきた悪しき「総括原価方式」を、そのまま消費者に押しつけることは、電力完全自由化(発送配電、小売り分社化)の否定であり、電力の自由競争、電力選択の自由も否定することになります。
この時こそ「脱原発」を対立軸にして、ガス会社・石油会社(火力)VS電力会社(原発)は可能になると思います。そして脱石炭だと思います。
何よりも皆さん余り気にしていない様ですが、電気料金に入れて良いもの、入れてはいけないもの、発電費用とするべきもの、送配電費用とすべきもの、小売り費用とすべきものと区別するべきです。ですから法的分離だけではなく、所有権分離も必要なのです。
損害賠償金の消費者負担は、東電の損害賠償責任の放棄なのです。その無責任を見ているから躊躇なく再稼働しているのです。
以上、問題提起です。大いに論議してください。