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東電元会長ら、29日に強制起訴

 2月26日、NHKが正午のテレビニュースのトップで「東電元会長ら旧経営陣3人、きょうにも強制起訴へ」と報道した。26日強制起訴に何社かの報道も追随したが、結局、午後4時になって検察官役の指定弁護士が記者会見を行い、26日ではなく、週明けの2月29日月曜日に、東京電力の勝俣恒久元会長(75)、武黒一郎元副社長(69)、武藤栄元副社長(65)の3人を業務上過失致死傷の罪で在宅のまま強制起訴することを明らかにした。いよいよ、福島原発事故の刑事責任を問う初めての裁判が開かれる。
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 福島原発告訴団は、2012年6月に、東京電力福島第一原発事故の刑事責任を問い、東電元幹部や旧原子力安全・保安院幹部らを含む33人を業務上過失致死傷などの疑いで福島地検に告訴したが、2013年9月東京地検が全員を不起訴処分としたため、2013年10月、東電元幹部だけに絞り勝俣恒久元会長ら6人を東京検察審査会へ審査申し立てた。2014年7月、東京第五検察審査会は、勝俣恒久元会長ら3人に対して「起訴相当」としたが、再捜査した東京地検が本年1月再び不起訴としたため、2015年7月、東京第五検察審査会が再審査して、「災害について予見可能性があったにもかかわらず、なんら効果的な対策を講じようとはしなかった」と2度目の起訴議決を行い、強制起訴となった。
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 まもなく福島原発事故から5年になるが、未曾有の放射能汚染と低線量長期被曝をもたらした福島原発事故は未だ収束せず、政府の原子力緊急事態宣言は未だ解除されていない。直接間接の原発事故による多くの犠牲者がうみだされ、未だ10万人余の住民が避難生活を強いられる現状が続くにも拘らず、安倍内閣は「避難指示区域指定の解除・区域外避難者の住宅支援の2017年3月打ち切り、損害賠償の2018年3月打ち切りと、原発事故被害者切り捨て政策を強行している。さらに、福島原発事故の原因究明を放棄したまま、安倍内閣は、脱原発の世論を無視して原発の再稼動、国外への原発輸出など、福島原発事故を顧みない誤った原発推進政策を進めている。
 こうした中で、福島原発事故の真実と責任の所在を明らかにする、この刑事訴訟は、原発社会に終止符を打つため重要な意義を持つ。訴訟の行方を見守り支える「福島原発刑事訴訟支援団」も発足した。今後開かれる法廷で事故の真実と被告の事故責任を白日のもとに明らかにしていかねばならない。「福島原発刑事訴訟支援団」へ、多くの市民の参加を訴えるものだ。
 
『福島原発刑事訴訟支援団』HP
http://shien-dan.org/

『福島原発刑事訴訟支援団』入会申込み
https://shien-dan.org/membership/
by kazu1206k | 2016-02-26 22:50 | 脱原発 | Comments(0)