
震災・原発事故5年を前に、2月27日、福島市の福島県青少年会館で飯舘村放射能エコロジー研究会による「IISORA 2016 福島シンポジウム」が「原発事故放射能大災害から5年 生活・コミュニティ再建と村(むら)の復興を語る」をテーマに開かれた。

シンポジウムは「事故の収束も、除染効果も、除染廃棄物の処分も見えないまま、国は賠償も放射能対策も置き去りにして、避難指示を解除し帰還を進めようとしています。そのような中で、生活・コミュニティをどのように再建するか、村の復興をどのように進めるのか、今回のシンポジウムでは、飯舘村民の皆さんと率直に語り合う場としたい」と福島市で3度目の開催となった。

午前10時30分から、映画「奪われた村〜避難5年目の飯舘村民」が全世界初公開で上映された。監督の豊田直巳も挨拶。
12時30分、シンポジウムに先立ち、福島原発告訴団の武藤類子さんが強制起訴と3月2日の被害者を切り捨てるな!全国集会への参加を呼びかけた。
今中哲二さんのお話からシンポジウムがはじまり、(テーマ1)飯舘村の放射能汚染実態と今後、除染の効果と限界、(テーマ2)これまでの避難生活、生活再建、コミュニティ再建行動 、(テーマ3)放射能と健康被害:原爆被爆者やチェルノブイリ調査をふまえて、とセッションが続いた。

(テーマ3)放射能と健康被害:原爆被爆者やチェルノブイリ調査をふまえて、では、大瀧慈(広島大)さんが「広島被爆者における固形がんの発生状況ー被爆状況との関連性に焦点を当てー」、大谷敬子(広島大)さんが「広島入市被爆者の原爆投下直後13年間での死亡危険度の経年的変動について」の研究調査結果が報告された。大谷さんは「被爆時年齢が10代〜50代の男性及び10代〜20代の女性において、8月6日入市者の死亡リスクは、8月6日以降の入市者に比べて、被爆直後から2〜8倍高くなった。」と報告。広島での入市被爆は粉塵被爆と指摘し、飯館村で教訓とすべきことを示唆した。


この他、(テーマ4)ADRと賠償、(テーマ5)村(むら)の復興とは何か、のセッションも行われた。