原発事故避難者への住宅支援の継続を求める意見書を
2016年 05月 09日
「原発事故避難者への住宅支援の継続を求める意見書」一斉提出行動への協力要請
国による原発事故の避難者の住宅支援打ち切りが来年3月に迫っています。
避難者にとっては、住宅はまさに「命綱」。
しかし、福島県による「住まいに関する意向調査」では、打ち切られた後の住宅 が決まっていないとする回答が70%以上を占めています。
『原発事故子ども・被災者支援法』では、原発事故による被災者が居住、避難、帰還のいずれを選択する場合においても、「自らの意思によって行うことができるよう、被災者がそのいずれを選択した場合であっても適切に支援するものでなければならない」と定め、国の責務として、避難先の住宅の確保に関する措置を定めています。
国は、同法を遵守し、同法に基づき、避難者の住宅確保のための措置を継続するべきです。
また、国が対応をとらなくても、自治体レベルでも避難者向け住宅支援の継続は可能です。
たとえば、埼玉県は県営住宅に関して自主避難者への優先枠を設定する、鳥取県は平成31年3月まで県営住宅等の提供を延長するなど、自治体の独自の支援策もでてきています。
新潟市、つくば市、千代田区、小金井市では避難者向け住宅支援の継続を求める意見書を採択しました。
ぜひ、この動きを全国に広げていきましょう!
「原発事故被害者の救済を求める全国運動」では、自治体議員に向けて、各地の自治体議会で国や県に対して、避難者の住宅支援の継続や、空き家募集の際には優先入居制度を拡大するなどを求める意見書の採択を呼びかけています。
ぜひ、各地のみなさまからも、地元の自治体議員に働きかけてください。または 陳情や請願といった取り組みをしていただければ幸いです。
「全国運動」の呼びかけ文や、意見書の雛形は、以下をご覧ください。
http://www.act48.jp/index.php/2-uncategorized/42-2016-05-07-07-47-38.html
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2016年5月 日
自治体議員各位
「原発事故避難者への住宅支援の継続を求める意見書」
一斉提出行動への協力要請
原発事故被害者の救済を求める全国運動実行委員会
共同代表 宇野朗子、大峰仁、佐藤和良
日頃、全国運動の活動に対してご理解ご協力頂き、感謝申し上げます。「原発事故被害者の救済を求める全国運動実行委員会」では本年2月に総会を開催、第三期の活動方針をスタートさせました。最重点課題として「原発事故被害者の救済を求める全国運動第三期100万人請願署名」を開始しています。請願項目は、①原発事故避難者の無償住宅支援の継続を求める。②住民の意向を無視した、早期の避難指示区域の解除と賠償の打ち切り方針の撤回を求める、③福島県内外における健診の充実・拡大と医療費の減免を求めるの3項目です。
このうち、喫緊の課題である、「住宅支援の継続」に関しては、各自治体における取り組みが効果的であるため、以下につきご提案させていただきます。ご協力をお願いいたします。
1.協力要請
6月開催の自治体議会に向けて「原発事故避難者への住宅支援の継続を求める意見書」を一斉に提出する運動を提案します。
【要旨】
政府は、避難指示区域指定の解除・区域外避難者の住宅支援の2017年3月末打ち切り、損害賠償の2018年3月打ち切りという、原発事故被災者に対する方針を決定し、準備をすすめています。
福島県は、3月25日、住宅の無償提供が2017年3月末で打ち切られる原発事故の区域外(自主)避難者らを対象にした住まい意向調査の中間結果を発表しました。回答者のうちの約7割が「2017年4月以降の住宅が決まっていない」と答え、避難者の多くが支援終了後の具体的な見通しを立てられていないことが浮き彫りになりました。また、「2017年4月以降の住宅が決まっている」と回答したのは約3割にあたる1,774世帯で、県内避難者約4割、県外避難者2割。住宅支援打ち切り後に「福島県内での生活」を希望しているのは、県内避難者約9割、県外避難者約1割。県外避難者の約7割が「県外での生活」、約2割が「検討中」と回答しています。
「原発事故被害者の救済を求める全国運動」では、避難当事者が置かれている状況が切迫している事から、政府や福島県に向けた要求行動だけでなく、避難当事者の避難先自治体議会に向けての“意見書提出行動”の取り組みを要請します。
避難先自治体での意見書採択、避難当事者の意見反映、避難先住宅の継続入居、住み替えなどの柔軟対応、空き家募集の際の優先入居など、自治体毎の実情に応じながら、6月議会に向けた一斉行動として、取組んでいきたいと考えます。現段階でも2016年に入り、東京都内においても、千代田区議会・小金井市議会で意見書が可決されています。武蔵野市では、避難当事者が提出した陳情書も可決されています。既に取組まれている自治体も多いと存じますが、一斉に提出運動を展開する事で、運動の訴求力を高めたいと考えます。
何卒、ご協力お願い致します。
2.要請事項
(1) 6月頃に開催される各自治体議会に向けて「住宅支援継続を求める意見書」の提出を要請します。
-別紙雛形を参考資料として添付します。地域の避難者の実状に応じて加工ください。
(2) 意見書提出行動を、みなさん個々が所属する政党、会派の皆さんに広めて頂けるよう要請します。
(3) 意見書提出される場合は、意見書(案)の原文を全国運動事務局までメールにて送付ください。審議結果もメールにて連絡ください。
3.意見書雛形
-別紙参照-
4.問い合わせ先
国際環境NGO FoE Japan(エフ・オー・イー・ジャパン)
〒173-0037 東京都板橋区小茂根1-21-9
Tel:03-6909-5983 Fax:03-6909-5986
意見書運動担当 瀬戸 TEL 090-1437-3502 seto-daisaku@pal.or.jp
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「原発事故避難者への住宅支援の継続を求める意見書」 雛形
政府の原子力災害対策本部は、昨年6月「復興の加速化」のもとに避難指示区域指定の解除・区域外避難者の住宅支援の2017年3月打切り、精神的賠償の2018年3月打切りという、原発事故被災者に打撃を与える方針を打ち出し、福島県が公表した「避難者に対する帰還・生活再建に向けた総合的な支援策」も、民間賃貸住宅への家賃支援の対象を狭め、低い補助率でわずか2年間で終えようとするものだった。
しかし、多くの区域外避難者=自主避難者、特に小さな子どもの親たちは避難の継続を希望している。避難者を支援する団体、避難者を受け入れている自治体も、住宅借上制度の複数年延長と柔軟な運用を求めてきた。
避難者の生活の最も重要な基盤となる住宅への支援策は、本来、憲法が保障する生存権に基づき、同法で想定されていなかった長期にわたる放射性物質による汚染という原子力災害の特性に対処するため、原発事故子ども・被災者支援法(以下「支援法」という。)に基づく抜本的な対策や新たな法制度が必要である。
よって、●●市議会は、政府及び●●県に対し、以下の点を求めるものである。
記
1.原発事故による避難者向けの公営住宅や民間賃貸などの無償住宅支援の延長を行うこと。現在の入居者に対して2017年度末で退去を迫らないこと
2.各自治体の公営住宅の空き家募集の際には優先入居制度を拡大するなど、安心して暮らせる住まいの確保を支援すること。空家活用施策や居住支援協議会での住宅確保要配慮者として原発事故避難者を位置づけること
3.原発事故による被災者が避難を選択する権利を有することを認め、そのための国の責任を定めた、『原発事故子ども・被災者支援法』を遵守し、同法に基づく抜本的・継続的な住宅支援制度を確立すること
2016年●月●●日 ●●市議会
提出者 ●●市議会議員
賛成者 〃
〃