特別委員会、東電に地震津波対策と第二廃炉求める
2017年 01月 25日
昨年11月22日に発生した福島県沖地震に対する東京電力福島第一・第二原子力発電所の対応等について、東京電力福島復興本社の新妻副代表などから説明を受け、東京電力への事前質問事項(下記に掲載)に対する回答をきいた上で、質疑応答を行ないました。
福島県沖地震での福島第二原発3号機の使用済燃料プールの冷却停止等の原因と対策、連絡通報体制の問題、津波対策、トリチウム汚染水の海洋放出問題、第二原発の廃炉の決定時期、労働環境、労働者の健康相談窓口、サイト内での整備不良車両問題などのやり取りになりました。
東京電力の対応は、緊急時の連絡通報の遅れなど住民の安全確保は後手に回り、津波対策、第二原発の廃炉決定などの先送り、労働者の待遇改善は下請けまかせで発注者責任逃れ、整備不良車両の管理不十分など、再回答を求める場面が多く、市民の安全は二の次・三の次の感が強いものでした。
やりとりの詳細は後日アップします。
●東京電力への事前質問事項
1 11月22日の福島県沖地震に伴う福島原発への影響と東京電力の対応について
⑴ 福島第一原発の状況と東電の対応について、時系列を追って示されたい。
⑵ 福島第二原発の状況と東電の対応について、時系列を追って示されたい。
⑶ いわき市等安全確保協定締結自治体及び新聞等マスコミへの通報連絡について、それぞれの経緯を示されたい。
⑷ 福島第二原発の通報連絡体制の改善について、今後の方針を示されたい。
⑸ 第一原発の使用済み核燃料供用プールの水漏れについて、原因と対策を示されたい。
⑹ 第二原発3号機燃料プールの冷却停止について、原因と対策を示されたい。
⑺ 第二原発2〜4号機使用済み核燃料プールやサイドバンカーからの水漏れについて、原因と対策を示されたい。
2 12月4日、5日に発生したトラブルについて
⑴ 12月4日、1~3号機の使用済み燃料プールの循環冷却設備で警報、2・3号機が冷却停止した冷却系設備のトラブルについて、原因と防止対策を示されたい。
※ 原因については、スイッチの構造・現況・注意喚起記載の有無、スイッチを入れてしまった場合の対応方法も併せて説明されたい。
⑵ 12月5日、3号機原子炉内の溶融核燃料(燃料デブリ)を冷やす注水ポンプが一時停止した冷却系設備のトラブルについて、原因と防止対策を示されたい。
3 福島第一原発の事故収束に向けた取り組みについて
⑴ 凍土壁の実効性について、状況の推移を示されたい。
⑵ 汚染水の海洋漏洩について、状況の推移を示されたい。
⑶ トリチウム汚染水の海洋放出について、いわきの漁業再生をはかる上で容認できないが、今後の方針を示されたい。
⑷ 東電1F問題委員会で提示された廃炉・賠償費用21.5兆円の積算根拠を示されたい。
⑸ 廃炉・賠償費用21.5兆円が今後上振れした場合の対処策を示されたい。
⑹ 従来の技術だけでは、福島第一原発の廃炉はできないと言われているが、新技術の開発や他研究団体との連携の状況、また、廃炉への進捗状況や見込はどのようになっているのか。
⑺ 福島第一原発の廃炉作業について、予想外、想定外の災害等に対応するため、どのような人員配置になっているのか。
また、指示系統や広報系統について、どのようなマニュアルがあるのか。
4 福島第二原発の廃炉について
⑴ 福島第二原発の廃炉について、いつ決定するのか示されたい。
⑵ 福島第二原発の廃炉について、東京電力福島復興本社代表の石崎芳行副社長は、「福島第一原発の廃炉の後方支援という役割がある。判断できない状況だ。」と話したと報道されたが、福島第二原発は後方支援として位置付けて、再稼働させる考えはないということか。
⑶ 福島県議会の廃炉を求める意見書、いわき市議会での県内すべての原発の廃炉を求める決議などをどのように受け止めているか。
5 津波対策について
⑴ 現在は、石を積んだ仮設防潮堤が設置されており、東京電力は、重要な部分は防水性の扉などで防護されていると説明してきた。
しかし、津波があっても、施設全体を守ることは非常に重要であることから、本設防潮堤を設置すべきではないか。
6 労働環境について
⑴ 原発作業員の労働環境の改善について、放射線防護や労働安全衛生徹底の方針を示されたい。
⑵ 経験を積んだ労働者を、新人教育の講師として確保しておくなどの対策をすべきではないか。
⑶ 労働者が長期間働ける体制を作れば、労働者が近隣の市町村に家族で住めるようになり、市町村の活性化にもつながることから、長期間働ける体制を整えるべきではないか。
⑷ 体調不良を申し出たら、翌日に「もう仕事に来なくていい」と言われた事例があるが、今後、このようなことが無いよう徹底していただきたいがいかがか。
⑸ 「第一原発内の救急医療室では、怪我をした理由や会社名を聞かれるので行くな。」と会社から言われているという労働者がいるが、年度別の利用者数はどのように推移しているか。
※ 今年度については、現在数で示す。
⑹ 救急医療室を利用しやすくするための対策をどう考えているか。
⑺ 作業員に対する危険手当について、引き下げず継続して支給していく考えはあるか。
⑻ 危険手当の額が、下請け会社によっては東京電力の示した額の4分の1以下になっているところがあると聞くが、適切だと考えているか。
⑼ 労働環境の改善に向けたアンケート結果(第7回)では、危険手当の調査をしていないが、危険手当の支給実態を把握した調査があれば提示願いたい。
⑽ 適切な賃金が末端の作業員に行き渡るような対策やPDCAはどのような状況になっているのか。
7 健康相談窓口について
⑴ 次の点を踏まえ、相談者数の年度別内訳についてお示し願いたい。
※1 被曝による健康相談者数(今年度は現在数で示す)
※2 就労形態に関する健康相談者数(今年度は現在数で示す)
⑵ 「相談すると不利益を被るので相談できない。」という話をたびたび聞くが、今後、相談しやすくするためにどのような取り組みを行っていくのか。
8 車両の整備について
⑴ これまで整備不良の車両による火災などのトラブルが発生してきたが、どのように改善してきたのか。
※ 次の点を含めて回答願いたい。
ア 重機などの大型車両で最も古いものは何年式か。
イ 重機などの大型車両の整備はどのように行っているのか。
ウ 東京電力は、大型車両の整備状況をどのように確認しているのか。
エ 作業員が移動で使う車両で、ナンバープレートがない車両は何台か。
オ ナンバープレートがない車両は、どのように整備されているのか。
カ 東京電力はナンバープレートがない車両の整備をどのように確認しているのか。
キ 大型車・普通車用の車両整備の施設ができたが、その体制はどのようになっているのか。
ク 重機などの艤装(上体)部分の整備はどのように行っているのか。
ケ 東京電力は、重機などの艤装の整備状況をどのように確認しているのか。