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1.2号機排気筒の新亀裂で早期解体など東電交渉

 4月11日午後、いわき市平の東京電力平送電所で、脱原発福島ネットワークによる再開第33回東電交渉が行われました。
 今回は、冒頭「福島第一原発1・2号機排気筒の新たな亀裂による倒壊防止と早期解体を求める要請書」を提出しました。
 倒壊の危険が指摘され続けている、福島第1原発の1・2号機の排気筒(鉄骨構造・高さ120メートル)は、高さ約66m付近の接合部で、支柱の破断が5ヵ所、変形が3ヵ所が確認されていますが、新たに、東京新聞の取材撮影で指摘されたいた、45m付近で「V」字形に取り付けられた支柱の一本の接合部が完全に切れ破断していた問題が臨時点検で確認されたと、4月6日東京電力が公表しました。
 外部指摘による損傷確認という、お粗末な点検体制があらためて際立ちました。
 東京電力は、排気筒の亀裂について、東北地方太平洋沖地震の揺れと水素爆発を受けているにもかかわらず、30年の経年劣化も考慮せずに、施工当時の数値で支柱破断の影響を見る耐震評価を行い、東北地方太平洋沖地震と同程度の最大加速度600ガルの地震動に対し健全性は保たれると強弁し続け、新規制基準に準拠した最大加速度900ガルの地震動での耐震評価もしていないという、安全軽視の体質が歴然と続いています。
 また、原子力規制庁が、判明した2013年9月に倒壊に伴う環境影響評価を示すように東京電力に指示しているにも係らず、現時点でも回答していない有様です。
 排気筒の下は、致死量を超える毎時25シーベルトもの高線量地点があり、依然立ち入り禁止区域として危険な環境です。再び大地震に襲われれば、倒壊する可能性があり、東京電力は、地上55mから上半分を2019年ごろを目標に、解体する方針ですが、新たな亀裂を踏まえ、倒壊防止対策と解体時期を見直し早期解体を求めました。

 前々回提出の「福島県沖地震等への対策と福島第二原発の早期廃炉決定を求める要請書」への再回答と質疑では、地震津波など緊急時の避難訓練の定期化、発電所内の緊急時連絡体制の確立の向けて、PHSの貸出し状況の把握と全作業現場・全作業員員への配備などについて、交渉が行われました。

福島第一原発1・2号機の排気筒の新亀裂による倒壊防止と早期解体を求める要請書

東京電力ホールディングス株式会社 代表執行役社長 廣瀬 直巳様       2017年4月11日

 2011年3月の福島第一原発事故から6年、政府の原子力緊急事態宣言は未だ解除されていない。
 福島第1原発1・2号機の排気筒(鉄骨構造・高さ120メートル)は、高さ約66メートル付近の接合部で、支柱の破断が5ヵ所、変形が3ヵ所確認されてきたが、今般、新たに、東京新聞の取材撮影で指摘されていた45m付近で「V」字形に取り付けられた支柱の一本の接合部が完全に切れ破断していることが臨時点検で確認されたと、4月6日貴社が公表した。
 貴社は、昨年来の我々の要請に対し「点検の結果、初回点検時に確認された変形や破断箇所以外には、新たな損傷は確認されません」と繰り返してきたが、今般の外部指摘による損傷確認は甚だ遺憾である。
 排気筒の亀裂について、貴社は、東北地方太平洋沖地震の揺れと水素爆発を受けているにもかかわらず、30年の経年劣化も考慮せずに、施工当時の数値で支柱破断の影響を見る耐震評価を行い、東北地方太平洋沖地震と同程度の最大加速度600ガルの地震動に対し健全性は保たれると強弁し続けている。
 1号機の高経年化に関する技術評価書では、排気筒の推定耐用年数は20年、内訳は塗膜が16年、鋼材が4年で、塗膜の効果がないと4年で鋼材の断面積が平均10%減少すると推定している。前回の2007年の塗膜は、2011年爆発で損傷しており、損傷箇所の鋼材は6年間、塩分を含む風雨に曝され、断面積減少、鋼材の腐食による強度の不足が懸念されている。
 原子力規制庁も、排気筒の亀裂問題について、判明した2013年9月に倒壊に伴う環境影響評価を示すように貴社に指示しているが、貴社は現時点でも回答していない。また、新規制基準に準拠した最大加速度900ガルの地震動での耐震評価もしていない。誠に遺憾である。
 昨年2月にも指摘した通り、排気筒の下は、致死量を超える毎時25シーベルトもの高線量地点があり、依然として立ち入り禁止区域として危険な環境にある。もし、排気筒が倒壊すれば、排気筒の下部に蓄積された放射性物質が飛散するばかりか、メルトダウンが最も進んだ2号機の建屋が一部でも破損すれば、建屋内に滞留している大量の放射性物質のダストが、近隣に大量の放射性物質のプルームとして流れ出す危険性が指摘されている。
 排気筒の亀裂問題は危険な状態が続いており、今回の確認を踏まえ、地上55mから上半分を解体する方針を見直すとともに、早期解体を求め、下記の通り要請し、回答を求める。

1、福島第1原発1・2号機の排気筒の新たな亀裂が、指摘されるまで未確認だった点検体制の不備を改善すること。
2、福島第1原発1・2号機の排気筒の新たな亀裂を踏まえ、倒壊防止対策と解体時期を見直すこと。
3、福島第1原発1・2号機の排気筒の倒壊に伴う環境影響評価及び新規制基準に伴う地震動での耐震評価を早急に明らかにすること。
4、福島第1原発の1・2号機の排気筒をはじめとする放射性物質の飛散防止対策を徹底すること。

                                         以上
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by kazu1206k | 2017-04-11 23:35 | 脱原発 | Comments(0)

佐藤かずよし


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