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在宅医療・介護連携推進で横須賀市視察

 6月29日、いわき市議会創世会の行政視察で、神奈川県横須賀市に伺いました。
 調査事項は、「在宅医療・介護連携推進の取り組みについて」です。横須賀市健康部次長・地域医療推進課長の川名理恵子さんから説明を受けました。

(1)横須賀市における在宅医療・介護連携推進の取り組みについて

◯横須賀市の高齢化率は、平成28年4月現在30%です。神奈川県内でも三浦半島は高くなっています。また、平成26年度の自宅死亡率は22.9%で、全国の20万人以上の都市で第1位となっています。
◯横須賀市の目指す方向は、住み慣れた我が家で療養したい方が、在宅医療・看取りの選択ができるように、地域医療の体制づくりを進める、ことです。このため、平成23年度から、在宅医療の体制づくりに着手しました。

◯平成23年度ー在宅医療推進のための他職種連携を進めました。
・在宅療養連携会議の設置。目的は、現場における医療関係者、福祉関係者等の連携を深め、関係機関のネットワークを構築することです。現場における課題の抽出、解決策の検討と具体化、具体策の実施と検証を行っています。医師会副会長を座長に、11名の関係者で構成し、在宅医療の体制づくりに取り組む自治体の姿勢を示しました。

○飛躍の平成24年度
・在宅療養連携会議の飛躍に向けて、メンバー15名に拡大(29年度19名)夜の会議にして欠席者を激減させました。また、ワーキングチーム(専門部)を設置して、解決策の具体化、事業の企画を行い、事業運営にも積極的に参加しました。
・24年度開始の主な事業。①他職種合同研修会を開催。グループワークの参加型の研修で顔の見える関係の構築を目指しました。②まちづくり出前トークの開始。職員が町内会に出向き、終末期医療についてトーク、市民が在宅医療を考えるきっかけを作りました。③開業医向け在宅医療セミナーを開始。目的は訪問診療所を増やすこと、開業医を対象に
東京大学教授などが講師となり、医師会と市が主催し開催しています。④ケアマネージャー・ヘルパー対象研修の開始、介護職と医師や訪問看護師のスムーズな関係構築のために、在宅医療の基礎的医療の習得を目的とした研修です。

○ステップアップの平成25年度
・在宅療養ブロック連携拠点の設置。市内4ブロックの地域内病院に委託して、在宅医療ブロック会議を開催、地域内の診療所でのネットワークづくりを進めることで、開業医の在宅医療に踏み出せない24時間対応や在宅患者が急変した時のバックヘッドの確保などの課題に向き合い、在宅医が一人でも増えるように連携を推進した結果、在宅医が増加しました。
・在宅療養センター連携拠点の設置。市医師会「かもめ広場」に委託し、市内全域を対象とする在宅療養連携推進事業。病診連携の推進、在宅患者の病院事前登録事業など。
・25年度の主な事業。①退院前カンファレンスシートの作成。②東京大学による動機付け多職種連携研修を開始。③病院職員向け在宅医療出前セミナーを開始。④在宅医同行研修を開始。⑤在宅療養ガイドブックの作成。

○深化の平成26年度
・市民啓発の強化。拠点活動の活性化。市ホームページでの情報提供。
・26年度の主な事業。「よこすかエチケット集」作成ーワールドカフェの手法で集約。日本在宅医学会盛岡大会で優秀賞受賞。変化が見え始めた。

○継続の平成27年度
・地域包括ケアシステムの構築に向けて。「在宅医療・介護連携推進事業」は介護保険の地域支援事業に位置づけられました。「在宅医療・介護連携推進事業」のとりくむべき項目として示された8項目は、平成30年度までに全国自治体で開始することと義務付けられました。横須賀市は、健康部地域医療推進課が事業を継続します。

○新たな取り組み平成28年度以降
・「退院調整のルールづくり」。「早く退院させたい病院」と「目途がついてから受けたい在宅」、両者の立場を理解して納得のいくルールづくりを目指して、退院調整にフォーカスしたマナー・エチケット・ルールを市内11病院の退院調整担当者と在宅支援職種とのとの検討を行います。

 本市においても、2025年を目途に、要介護状態になっても住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最後まで送り続けることができるよう、住まい・医療・介護・予防・生活支援が一体的に提供される地域包括ケアシステムの構築を目指しています。
 横須賀市の取り組み、住み慣れた我が家で療養したい方が、在宅医療・看取りの選択ができるように、地域医療の体制づくりを進める、平成23年度からの在宅医療の体制づくりは、本市にとっても大いに参考になる取組みです。
 特に、市が行政としてのやる気を示しながら、医師会との連携をベースに在宅療養連携会議の設置から専門部会による事業運営に展開していった手法や専門職をつなぐ土壌づくりを進めていった経緯は、本市にとっても、大いに参考になるものでした。

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by kazu1206k | 2017-07-12 23:25 | 議会 | Comments(0)

佐藤かずよし


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