国内最古の木造宝篋印塔
2017年 08月 29日
宝篋印塔は、宝篋印陀羅尼(だらに)経を納める塔とされ、中国伝来で、鎌倉時代から日本でも作られ始め、鎌倉時代中期からは、墓碑、死者の冥福を祈る追善塔となったといわれ、五輪塔とともに、石塔が一般的とされています。
金光寺収蔵の木造宝篋印塔2基1対は、鎌倉時代後期の文保2(1318)年作と示す銘文がある国内最古の木造宝篋印塔で、奈良市の元興寺文化財研究所による、年輪分析調査からも裏付られています。
元興寺文化財研究所の調査では、塔から「尼」や「逆修善根」という文字も判読でき、夫に先立たれた妻が夫の追善供養をするとともに、生きている間に自分の死後の冥福を祈る逆修供養も行ったと考えられ、二基あると推定されています。
法要は、箱崎金光寺住職を導師に式衆合わせて6人の僧侶によって執り行われ、式典では、総代長のご挨拶後、樫村いわき市考古資料館館長や鹿島町区長会長、鹿島地区地域振興協議会会長、久保一区区長などのみなさんが、700回忌という歴史的瞬間に立ち会わせていただいたという感激とともに、鹿島町はおろかいわき市の宝、国の宝として末長く、伝えていきたいと話しました。
いわき市考古資料館では、9月12日から25日まで、特別展「鹿島金光寺収蔵宝篋印塔」が開催されますので、この機会に是非、ご観覧頂きたいと思います。また、18日午前には、奈良市の元興寺文化財研究所による講演会もいわき市生涯学習センター開催される予定です。


