受動喫煙対策の講演会
2017年 10月 13日
接遇委員長の中山文枝先生のあいさつに続いて、1部として、お二人が「私はこうして禁煙に成功しました」と、禁煙外来の受診をして、チャンピックスの服用や運動などの体験発表を行いました。
2部は、日本禁煙学会評議員でもある齋藤道也先生の特別講演。
齋藤先生は、まず現状報告。年間タバコ由来死亡者が13万人・年間受動喫煙死亡者が1.5万人の現状、公共の場所すべてを法律で屋内全面禁煙にしている国が49カ国、東京都議会が「子どもを受動喫煙から守る条例」を議決、豊島区条例では「継続的に受動喫煙を受けている子どもを発見したものは、区または保健所、子供家庭支援センターに通報できる」と独自内容を盛り込み、郡山市が県内初めて全公共施設で今年12月から敷地内禁煙・公用車車内禁煙を実施。タバコの経済分析は、プラスの影響が税収・たばこ農家・関連産業などで2.8兆円、マイナスの影響は生産性損失・医療費で4.3兆円と経済的にもマイナスと指摘されていると報告。
また、受動喫煙に安全域がなく分煙は科学的に否定されており、換気・空気清浄機・喫煙区域の指定などの策が無効であることが繰り返し証明されていること、スコットランドでは2006年に全ての飲食店の禁煙化を実施したところ早産率が下がった事例、室内の壁・家具・カーテン・カーペットの表面に付着した毒性物質を体内に取り込む残留煙害の危険性等を報告。
さらに、燃焼800度の電子タバコと燃焼300度の加熱式タバコという2種の新型タバコについては、白い煙りは単なる水蒸気ではなく、プロピレングリコール、エチレングリコールなどの揮発性化学物質に発がん性物質が混じりあったもの。呼気からは大量のPM2.5が確認されていること。ホルムアルデヒドなどの有害物質が紙巻きタバコに匹敵することなどを報告。
そして、禁煙はいつからでも遅くはない、見て見ぬ振りは止めて受動喫煙対策のために声をあげていこう、タバコ問題は医療全体の問題として、いわき市医師会など「いわき市三師会禁煙外来ネットワーク」を立ち上げていくことが呼びかけられました。
東京都の「子どもを受動喫煙から守る条例」、「豊島区子どもを受動喫煙から守る条例」、郡山市の全公共施設での敷地内禁煙・公用車車内禁煙を実施などを動きをふまえ、いわき市においても受動喫煙対策を公共施設をはじめとして積極的に取り組んでいく必要があります。