埼玉県議会の再稼働推進意見書に抗議撤回の要請
2017年 12月 28日
福島原発事故後、都道府県議会が「再稼働を求める意見書」を提出するのは初めてとみられますが、福島原発事故の現状には一切触れられていないのが特徴です。原発事故被害に喘ぐ福島県民はじめ、全国の脱原発を求める多数の国民にとっては、全く認めることができない内容です。
この埼玉県議会の意見書採択は、福島原発事故の犠牲を一方的に押し付け、被害者を見捨てている現政権側の姿勢の現れであるとして、12月28日、郡山市の「虹とみどりの会」の呼びかけで、「『世界で最も厳しい水準の規制基準に適合すると認められた原子力発電所の再稼働を求める意見書』の撤回を求める」要請書が、59の賛同団体、209の賛同者の第1次集約分をもって、埼玉県議会へFAXで提出されました。
以下に、掲載します。
2017年12月28日
要 請 書
埼玉県議会議長
小林 哲也 様
福島県 虹とみどりの会
「世界で最も厳しい水準の規制基準に適合すると認められた原子力発電所の再稼働を求める意見書」の撤回を求めることについて
2017年12月22日(金)に貴県議会において「世界で最も厳しい水準の規制基準に適合すると認められた原子力発電所の再稼働を求める意見書」が採択されたとの報道がありました。現地では、早速貴議会に対して、抗議行動等行われています。
2011年3月の東日本大震災・津波・東京電力福島原発事故の影響で、福島県は甚大な被害を受けました。故郷を離れ、健康を害し命を失った方は大勢おり、それらの辛苦を乗り越え厳しい状況の中、互いに励まし助け合いながら暮らし続けて今日に至っております。そういった福島県民の生活状況に一切触れることなく、原発の再稼働を求める意見書が採択されたことに対して、私たちは恐怖を覚えます。
意見書採択に賛同した方々に問いたいです。「本当に福島県に来て現地調査をしましたか。被災者の言葉をどれだけ聞きましたか。今も避難している方がどんな思いで暮らしているかご存知ですか。原発事故で人間の尊厳と人権を奪われた現実をどう思いますか」と。
原発事故の被害をつぶさに知ることも無く、軽々と再稼働の判断をされては困ります。フクイチ4つの廃炉は、いつ完了するのでしょう。汚染水はいつ無くなるのでしょう。排気塔の腐食は止まっていますか。放射性廃棄物は、住宅地の中にまだ埋められたままです。子どもたちの甲状腺がんは、検査の度に増えています。私たちは、日々健康に気をつけ生業その他様々な気苦労を重ねながら、6年9カ月間、日本の政治の行方を注視してきました。
貴県議会議員の方々はぜひ福島県に来て、なぜ原発の再稼働に賛成をするのか県民に説明と質疑応答する場を設けてください。真摯に被害者の言葉を聴くことが政治家の第一歩の務めではないでしょうか。そして原発無しで安心安全な暮らしの実現をめざしてください。賛同署名を添えて以下要請します。
要請事項
1、12月22日に採択された「世界で最も厳しい水準の規制基準に適合すると認められた原子力発電所の再稼働を求める意見書」は撤回してください。
賛同団体
59の賛同団体、209の賛同者