今年も障がい者職親会と視察懇談
2018年 01月 19日
11回目の今回の視察先は、就労系福祉サービス事業所の視察。就労移行支援事業所の(特非)ソーシャルデザインワークスさん、就労継続支援A型事業所の(社福)いわき福音協会 福祉サービス事業所つばささん、就労継続支援B型事業所の(社福)希望の杜福祉会 あとりえ北山さん。
(特非)ソーシャルデザインワークスさんは、就労移行支援事業所。開所から3年目。「働きたい」と希望のある利用者さん、支援学校卒業生から50歳台までの方々が利用しています。自立訓練から安定して通えるようになって就労移行支援へと、それぞれ自分のペースにあった活動をカリキュラムに基づいて実施し、就労を目指していました。これまで、18名の方が就職して13名の方が就労中だそうです。今年度14名の予定で、開所から3年目で就職者が増えてきたと、担当者の方が説明していました。
(社福)いわき福音協会 福祉サービス事業所つばささんは、就労継続支援A型事業所。A型は、雇用契約をむすび最低賃金を保証する仕組みの雇用型です。福音協会の職員として、最賃748円を保証し、現在は500食(設備は1000食)のお弁当をつくり、洗浄の仕事などを含めて6時間作業を実施しています。顧客は、作業所の利用者さんが多いそうです。立ち上げから11年がたち、勤続平均6年となっています。A型は、法律改正により各地で事業所の閉鎖が出ており、いわき市内では、2カ所のみとなっています。
(社福)希望の杜福祉会 あとりえ北山さんは、就労継続支援B型事業所。B型は、契約を結ばず、比較的自由に働ける非雇用型です。平均賃金14190円。時給176円。楽しく居場所として通所してもらう目的を持って、おからのドーナツやクッキーなどのお菓子の製造。ワイヤー作業の下請け事業も行っています。福祉的な仕事(福祉事業)と利用者の所得(授産事業)とのバランスの良い運営に心がけていると担当者の方のお話でした。課題として、下請け事業の安い単価設定の問題があり、一般より低い設定で、赤字事業となっていること。はじめて5〜6年ですが、B型工賃の目標に向けてがんばりたいということでした。
視察後、昼食を頂きながら1時間ほど懇談。懇談では、自治体行政への要望も含めて、課題をいくつか頂きました。
・就労支援移行事業所の現状ー利用期間2年オーバーの継続、移行の手離し方の問題、企業側から見た時の不明瞭さ、元受刑障がい者の出所後の就労支援移行事業所への入所。
・いわき市障連協さんから市に対して障がい者に事業として出せる事業の要望・地域生活事業の移動支援事業で通勤できれば就職・通学できる場合の特例承認の要望。
・障がい者と生活困窮者対象事例。
・障害者就業・生活支援センターさんから在宅ワークでの身体の1、2級の方の企業募集の現状。元受刑障がい者の出所後の、働き定着することと生活支援を一体とした相談体制づくり。
障がい者のみなさん、事業者のみなさん、それぞれのポジションで、現状と向き合い、頑張っておられます。いわき市議会からは、創世会4名など7名の参加で、ちょっと少ない残念な状況でしたが、職親会のみなさんとの交流を深め、今後の障がい者就労の持続的な発展に繋げていきたいと思います。
*「いわき市障がい者職親会」は、いわき市内の障がい者の就労にかかわる事業者、福祉施設、教育機関で組織され、公共職業安定所やいわき市、いわき市社会福祉協議会と連携しながら、いわき市における障がい者の雇用促進を進めています。毎月の学習会、毎年3月には「いわき地区障がい者就労支援セミナー」も開催するなど、精力的に活動しております。