「阿武隈南部風力発電事業」で野鳥の会が市に要望
2018年 02月 21日
要望では、現在、環境影響評価手続きが進められている、阿武隈南部風力発電事業に関して、環境保護と生物多様性の保全のために、具体的な風車配置計画の見直しと、計画区域内における施設設置の適地・不適地のゾーニング設定について、いわき市より福島県に対し求めて頂きたい、というものです。
エコ・パワー株式会社による阿武隈南部風力発電事業は、いわき市、広野町、楢葉町にまたがる広大な山稜部に、1基あたり出力3,500kw、ローター径約 137m、高さ 178.5m の風車群43基を建設して発電する計画です。しかし、風車群と資機材輸送道路の建設は、大規模で広範な自然の改変が伴うことから、屹兎屋山から猫鳴山、二ツ箭山の縦走登山ルートや絶滅危惧種はじめ希少野鳥類の繁殖地、渡りの中継点が破壊されるなど、生態系に大きなダメージを与えることが危惧され、建設工事による周辺中小河川の汚濁や土石流の発生などによる生活環境への影響、風車群による低周波等による近隣周辺住民への健康影響も懸念され、反対の声が上がっていました。
日本野鳥の会いわき支部では、具体的要望事項として、
1.希少野鳥の繁殖等に関する影響を最小限にとどめるため、一部の風車施設の設置回避
2.希少野生動植物や渡り鳥等の生息に影響を与えないよう、希少野鳥の分布図を照合の上、計画区域内における施設設置の適地・不適地のゾーニング設定
を、福島県に求めるよう要望しています。