「福島の汚染の現状と被曝を考える」たらちね測定報告会&今中哲二講演会開く

 3月3日、いわき市文化センターで、午前10時から「たらちね測定報告会」、午後2時から「今中哲二講演会」が開催されました。

 「たらちね測定報告会」
 東日本大震災からまもなく7年。
 「認定NPO法人いわき放射能市民測定室たらちね」の地道な日常生活に寄り添った放射性物質の測定活動の報告。子どもたちを守る、お母さんたちの素晴らしい積み上げに頭が下がります。

 1、2017年のガンマ線測定の報告
 総検体数956件のうち食材576件のセシウム検出例(たけのこ、ふきのとう、わらびなど)、土壌200件(大熊町、いわき市、東京都など)、資材植物109件(いわき市の落葉・苔・エアコンフィルター、宮城県のエアコンフィルター、千葉県の灰など)、水道水30件(いわき市、郡山市、本宮市、福島市など)、空気中ダスト39件(いわき市内幼稚園、保育所、小・中学校など)、液試料(福島第一原発周辺の海水、いわき市内の山水、地下水など)、海砂などの測定結果が丁寧に報告されました。

 2、2017年のβラボの報告
 トリチウムとストロンチウム90の分析方法や測定値からの計算方法の見直しを行い、総検体数101件のうちトリチウム32検体、ストロンチウム69検体。測定の内訳は、食品10(伊達市の蜂蜜、千葉県のいわしなど)、液体類54(福島第一原発南側の海水、いわき市内の山水、井戸水、湧水など)、魚類15、野菜6、土壌17。

 3、2017年の海洋調査
 海水採取、海底泥採取、魚類採取、プランクトン採取などを、船長さんや鈴木譲東大名誉教授(生物学)、釣りボランティアなどの皆さんにより、2月、4月、7月、8月の4回実施。試料は、海水(表層、下層各40㍑)、魚(アイナメ、メバル、ヒラメなど)。測定核種は、セシウム137、自由水トリチウム、有機結合型トリチウム、ストロンチウム90。

 4、たらちねクリニック
 2017年の5月に内科・小児科の診療科目で開所、6月から保険診療を開始。
・子どもドック 2017年は、136名。
・甲状腺検診
・血液・尿検査
・ホールボディーカクンタ– 2017年は、455名。
・尿中セシウム測定 2017年は、169名。

 5、2017年の甲状腺検診
 18カ所で実施。総受診者957名のうち、福島県内475人、県外482人。平成4年4月2日から平成24年4月1日生まれの受診者582名のうち、A1判定35.6%、A2判定63.7%、B判定0.8%、C判定0%。
 6、沖縄・球美の里 子ども保養プロジェクト

 「今中哲二講演会」
 「原発事故から7年:福島の汚染の現状と被曝を考える」がテーマ。
 長いチェルノブイリ研究を踏まえ、原発事故直後から迅速な追跡調査をされてきた今中哲二先生のお話しも、「20ミリシーベルト」やストロンチウム、トリチウムがどのような影響をもたらすのか、など時宜を得たものでした。
 
 1、7年前をふりかえって
・原発と同じくメルトダウンしてしまった日本の原子力防災体制
 ーきっかけは地震・津波だが、福島原発事故は人災。
 ー東電刑事裁判で明らかになった2008年の防潮堤計画
 ー3月15日の夜に、放射能の雲と雪・雨が重なった
 ー2011年3月29日、飯館村調査 長泥曲田30μSv/h、飯館村の人々は普通に暮らしていた。
 ー同年4月22日、飯館村などが計画的避難区域に指定、昨年4月1日に多くの避難指示解除。
・いわき市の初期被曝評価
 ーいわき市のヨウ素131による甲状腺被曝:1歳児47.4mSv、10歳児24.7mSv、大人14.4mSv。
 ーいわき市の1年間の実効線量のまとめ:1歳児3.42mSv、10歳児2.21mSv、大人1.75mSv。
 ー1年間の実効線量:UNSCEARの値:1歳児4.13mSv、10歳児3.04mSv、大人2.19mSv。

 2、汚染と被曝の現状
・飯館村の調査報告
 ー2016年、合計249戸の家屋周辺サーベイ調査。避難指示解除前の除染後の現状把握。
 ー除染後の飯館村の家まわりの放射線量は、毎時0.5〜1.0mSv程度。
 ー飯館村居住時の被曝量の計算例、毎時0.5mSvで年間約2.5mSv。毎時1.0mSvで年間約5mSv。
・現在の汚染状況
 ー食べ物と一緒にセシウム137を100bq取り込んだ時の内部被曝量:
  1歳児約1.2mSv、10歳児1.0mSv、大人1.4mSv。
 
 3、放射能汚染との向き合い方
・どこまで我慢するか納得しながら決めること
 ー汚染地域で暮らすとは、余計な被曝しない方がいい、ある程度の被曝は避けられない、
  この相反する2つのことにどう折り合いをつけるか。
 ー20mSv以下で安全・安心なわけではない。
 ーCT検査を受けた子ども68万人の追跡調査、CT検査によるガン増加データ(オーストラリア)。
・廃炉とトリチウムにいて
 ー燃料デブリの取り出し、使用済燃料の取り出し、汚染水の処理
 ートリチウム、半減期12.3年。ベータ崩壊によりヘリウム3に変化する際に弱いβ線(平均5.7keV)放出。エネルギーが小さく体内に滞留する平均が10日と短いため、原発からのトリチウム水の排出基準値が6万bq/ℓと緩くなっているが、同じ内部被曝では、放射性セシウムに比べ健康影響は大きい。

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by kazu1206k | 2018-03-09 23:53 | 脱原発 | Comments(0)

佐藤かずよし


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