子どもの貧困対策、足立区を視察
2018年 05月 18日
調査事項は、足立区の子どもの貧困対策「未来につなぐあだちプロジェクト」について。
いわき市の子どもの貧困対策は、貧困を軸とした重点施策がさまざまな分野で多岐に渡っている中で、国県の動向を見極めながら、適切に対応するとしています。福島県は県内の18 歳未満の子どもがいる世帯対象に、平成28年度、福島大学の協力のもと貧困実態調査を実施しました。足立区でも、子どもの健康・生活実態調査を実施して、子どもの健康が家庭環境や生活環境からどのような影響をうけているか、子どもの健康・生活と生活困難の関係を明らかにして、子どもの貧困対策を進めています。
足立区子どもの貧困対策部の子どもの貧困対策担当課長さんから、ご説明いただきました。以下は、その概要です。
・97年から担当部発足、福祉部、健康部とも連携
・4つのボトルネック的課題の克服
ー治安、学力、健康、貧困の連鎖
ー経済的困窮が根底にある共通の原因=貧困の連鎖を断つ
・足立区の現状
ー18歳未満の生活保護受給者の増加
ー就学援助率、全国平均の2倍以上
ー小学校2年生の段階で基礎学力の定着度に差が出ている
ー区全体と生活保護世帯で基礎学力の定着度に差がある
ー23区の都立高校中退者数で突出
ー健康、歯科健診で虫歯の割合が多い、未処置の虫歯の子どもの割合も多い
・足立区子どもの貧困対策実施計画 (平成27年度~平成31年度)の策定
ー検討体制:区職員による対策本部、年4回学識経験者を含む検討会議、2検討部会
ー基本理念:
⒈⒉⒊経済的困窮だけでなく、孤立や健康など生育環境全般の複合的課題と捉え、解決と予防に取り組む
ー取り組み姿勢:
①全庁的②予防、連鎖を断つ③早期きめ細やかな施策④学校をプラットホームに⑤リスクの高い家庭への支援⑥NPOとの連携⑦国都への働きかけ
・プロジェクトの3本柱:
①教育・学び
ー学力体験支援:学習サポート、はばたき塾。
ー学びの環境支援:スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカー
ー子どもの居場所づくり:食の提供も実施
②健康・生活
ー親子養育支援:母子保健コーディネーター
ー幼児発育支援
ー若年者就労支援
ー保護者への生活支援:ひとり親家庭に対する支援、相談事業、交流事業
③推進体制
ー相談事業の連携強化:「つなぐ」シートの活用
・24の指標
ー115事業の評価、1次〜3次評価、本部に報告、各部の事業に反映
・子どもの健康・生活実態調査
ー子どもの健康が家庭環境や生活環境からどのような影響をうけているか
・子どもの健康・生活と生活困難の関係
ー世帯年収300万円未満、生活必需品の非所有、支払い困難経験あり
ー見えてきたこと:保護者に相談相手がいると子どもの健康リスクが軽減する可能性
ー子どもが運動習慣、読書習慣を身につけると逆境を乗り越える力伸ばせる可能性
ー地域活動への参加、親以外の第三のの大人との関わり