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トリチウム水の海洋放出をやめよ、東電交渉

 東電3被告の刑事裁判が佳境に入り、大津波を予見しながら対策を放棄した事実が証言され、3被告の罪状が次々と明らかになっています。
 5月23日午後、脱原発福島ネットワークなど福島県内の10団体は、再開第41回東電交渉を、いわき市平の平送電所で行いました。
 冒頭、「トリチウム汚染水の海洋放出をやめ、安全な保管を求める要請書」(下記に掲載)を読み上げて提出、「1、福島第一原発事故のトリチウム汚染水の海洋放出は実施しないこと。2、トリチウム汚染水の処理について、市民説明会を実施すること。3、トリチウム汚染水の安全な保管について、タンク保管や固化保管等安全な陸上保管を進めること。」の3点について、回答を求めました。
 経済産業省の「多核種除去設備等処理水の取扱いに関する小委員会」が、夏にも「説明・公聴会」を福島と東京で開くとされますが、意見表明者の意見にその場では回答せず、聴きおくという、海洋放出に向けた通過儀礼?!ともみられるもので、被災者や漁業者の反対の声を押しつぶして、海洋放出を強行しようという動きが進められています。
 コスト優先のトリチウム汚染水の海洋放出は、漁業者に更なる打撃を与え、事故の被害を広げる社会的影響を過小評価できません。海洋放出をやめ、安全な陸上保管を進めることが必要です。
 また、この日は、東海第二原発の再稼働のための日本原電への資金援助に反対し、福島第一原発事故被害者への完全な損害賠償を求める要請書」への回答と質疑も行われました。
 さらに、「陸側遮水壁」の電気代と維持管理費はどの程度か、外国人技能実習生に対する労基法違反事件問題、などについての質疑も行われ、東電側は次回に回答を持ち越しました。

トリチウム汚染水の海洋放出をやめ、安全な保管を求める要請書
東京電力ホールデングス(株)代表執行役社長 小早川 智明 様       2018年5月23日

 経済産業省は、福島第一原発事故のタンク貯蔵トリチウム汚染水について、汚染水処理対策委員会「トリチウム水タスクフォース」による「希釈後海洋放出」が最も短期間・低コストで処分できるとの処分方法報告書に基づき、「多核種除去設備等処理水の取扱いに関する小委員会」を設置し、「風評被害などの社会的な観点」「被ばく評価に基づく影響」など観点から、協議を進めている。
 同委員会は、5月18日開催の第8回委員会で、「トリチウムの性質等について」「社会的影響の考え方について」「今後の進め方について」を協議して、次回、第9回委員会を7月頃に開催したのち、「多核種除去整備等処理水の取扱いに関する説明・公聴会」を夏頃に開催すると決めた。説明・公聴会は、「処理水の取扱いに係る検討状況について説明を行うとともに、広く国民の皆様に処分方法や処分した際の懸念等に関する意見を伺う」ことを目的とし、意見表明者と意見を事前に公募、個別の意見に対する回答はせず、募集意見と合わせて、後に事務局の考え方を公表、今後の検討につなげるとされる。
 翻って、昨年7月、貴社会長のトリチウム汚染水の海洋放出発言に対して、福島県漁連が「トリチウム水の海洋放出には断固反対する」と抗議、全漁連も「全国の漁業者・国民に対する裏切り行為であり、極めて遺憾である」と海洋放出を絶対に行わないよう強く求め、吉野復興大臣もトリチウム濃度に関わらず海洋放出はすべきではないとし、「漁業者に新たな不安をつくらないでほしい」と述べている。
 一方、原子力規制委員会の更田委員長は、避難指示区域など13市町村長に対し「希釈して海洋放出する以外の選択肢はない」としたが、いわき市長は「風評被害を考慮した処分方法を、専門的な見地から検討してほしい」と伝え、海洋放出以外の処分方法を議論すべきとの認識を示している。
 未曾有の被害をもたらした、東京電力福島第一原発事故は、未だ政府の原子力緊急事態宣言も解除されず、多くの住民が避難生活を強いられ、放射能汚染による長期的な低線量被曝にさらされている。
 このような中で、福島第一廃炉推進カンパニーの小野最高責任者の発言として「小委員会の結論を経て国から何らかの判断が出る。それを待って遅滞なく行動したい」と報じられたが、コストを優先してトリチウム汚染水の海洋放出を決定することは、漁業者に更なる打撃を与えるものである。一方的に押し付けられてきた福島第一原発事故の被害をさらに広げ、社会的影響が大きいことを思料すべきであり、「人間の復興」に逆行する行為で許されるものではない。
 あらためて、第一原発サイト内旧7・8号機増設予定地や中間貯蔵施設用地なども含めて、安全な陸上保管を求め、下記の通り申し入れ、速やかな回答を求める。


1、福島第一原発事故のトリチウム汚染水の海洋放出は実施しないこと。
2、トリチウム汚染水の処理について、市民説明会を実施すること。
3、トリチウム汚染水の安全な保管について、タンク保管や固化保管等安全な陸上保管を進めること。

以上

命を守る三春の会   風下の会福島   脱原発の日実行委員会福島  脱原発福島ネットワーク
脱原発緑ネット  ハイロアクション福島  福島原発30キロひとの会  双葉地方原発反対同盟 
フクシマ原発労働者相談センター    ふくしまWAWAWA―環・話・和―の会

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by kazu1206k | 2018-05-23 23:17 | 脱原発 | Comments(0)

佐藤かずよし


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