東北都市監査委員会定期総会・研修会in仙台
2018年 05月 25日
24日午後から、開催都市・会長都市の寺田仙台市代表監査委員、郡和子仙台市長などのご挨拶を受けて、勤続5年以上の監査委員や勤続6年以上の職員の表彰の後、議事に入り、会務報告・平成29年度歳入歳出決算の報告、平成30年度事業計画・平成30年度歳入歳出予算などを審議の上議決し、定期総会・研修会の次期開催地:青森県青森市を決定しました。
その後、研修会にうつり、「自治法改正などの“監査環境”の変化で求められること」〜監査・内部統制・地方自治・各地の悩みなどを見据えて〜と題して、日本マネジメント総合研究所合同会社 理事長 戸村智憲さんの講演を受けました。
講演では、自治法・監査基準改正の背景から始まり、監査における論理的思考の前提として、自らの根本を疑う「懐疑心」を強調されました。その上で、内部統制に関する方針の策定や監査制度の充実など自治法改正のポイントを詳細に解説し、都市監査基準を見据えて、事実を積み重ねる監査、助言型監査を基本に、法令遵守と社会規範の積極的な尊重としてのコンプライアンスに実効性を持たせる仕組みとしての内部統制を説明されました。法令遵守の場当たり的チェックが内部統制ではなく、問題が起こりにくい仕組み、プロセスを構築することが肝要とし、組織のリスク管理の実態は、居酒屋や喫煙室でわかる、会社法型の内部統制が自治体での基本線となる、と話しました。
25日は、「住民監査請求事例発表」報告が行われ、平成29年度、11都市15件の住民監査請求があり、鶴岡市と郡山市の事例発表がありました。
鶴岡市の事例では、文化会館改築工事契約に関して、①3億円超の設計変更ー市条例及び自治法違反・不当。②建設費当初の2倍以上増額ー自治法及び知財法に違反、裁量権逸脱で違法不当。③維持管理費増額など違法不当支出の防止、という請求内容。監査の結果は、棄却でしたが、市民や議会への報告説明が遅れたことを真摯に反省し検証すべきとの意見が付されました。その後の市長選挙で、批判派が勝利し、現在、調査検証委員会が設置されて、検証されているとのことでした。
郡山市の事例では、特定区画整理事業に関して、市施工の事業で、23回の議会への反対請願などがあり、移転補償の算出根拠、財源の一部単費は不当な公金支出との請求内容で、監査の結果は棄却でした。
その後、宮城学院女子大学 非常勤講師の木村浩二さんによる「伊達政宗のまちづくりー城下町仙台の秘密」という講演が行われました。
広瀬川の中流域の河岸段丘という自然災害を回避した立地、地形・地質を利用した都市計画、惣構えを取らない経済物流重視のまちづくりが、仙台の城下町の特徴として話され、「絵図を持って町に出よう!」と政宗のまちづくりに学んで、城下町の痕跡を探ろうと呼びかけました。