一般質問報告2−いわき明星大学、地域自治システム、県立高等学校の統廃合

いわき市議会6月定例会、6月12日に行った一般質問の詳細報告の2回目です。

 1 いのちを守る、医療の充実と原子力災害対策の継続について(第1回)

  (1)いわき市医療センターの開院について(第1回)
  (2)リアルタイム線量測定システムの継続配置について(第1回)
 
 2 いわき明星大学について(第2回)
  (1)いわき明星大学に係る経緯と本市の対応について(第2回)

 3、 いわき市の再生と地域課題の解決について(第2回)

  (1)共創のまちづくりを実現する地域自治システムについて(第2回)
  (2)県立高等学校の統廃合問題に対する本市の対応について(第2回)


第2回は、「2 いわき明星大学について」の「(1)いわき明星大学に係る経緯と本市の対応について」から、「3、 いわき市の再生と地域課題の解決について」の「(2)県立高等学校の統廃合問題に対する本市の対応について」まで、です。

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大きな第二点は、いわき明星大学について、です。

 本年4月、いわき明星大学は、教養学部の学生募集を平成31年度から停止すると発表しました。その一方で、健康医療科学部の平成31年度開設の認可を文部科学省に申請し、認可されれば薬学部、看護学部と健康医療科学部による医療系大学として、名称も変更するといわれています。
 同大学は理工学部と人文学部の2学部でスタートしましたが、志願者が減り学部の改組が相次いできました。
 翻って、同大学は、昭和59年に本市と学校法人明星学苑との基本合意により、本市が約68億円の費用支援を行って、昭和61年に校舎を建設し、昭和62年に開学しましたが、3年前に学校法人明星学苑から分離して独立法人となり、咋年11月には法人理事長が医療法人社団葵会理事長に変わりました。

1点目は、いわき明星大学に係る経緯と本市の対応について、です。

本市と学校法人明星学苑との「大学設置に関する基本事項」、学校法人いわき明星大学との「いわき明星大学の運営に関する基本事項」などの基本合意について、本市との基本合意を両学校法人は遵守してきたのか、お尋ねします。
—答弁(総合政策部長)
 学校法人明星学苑は、市と締結した「大学設置に関する基本事項」等の合意内容に定めた、「来るべき新しい社会の要請に応える研究及び教育活動を行うとともに、地域社会と大学との関連を重視した教育を行う」といった大学設置の趣旨を踏まえ、開学以来、様々な分野において、優秀な人材を数多く輩出していただいているものと認識しております。
また、学校法人いわき明星大学は、前身の学校法人明星学苑が市と締結した基本事項等の合意内容を継承し、地域の活性化と発展に貢献する人材育成に引き続き取り組んでいただいているものと認識しております。
 なお、基本事項に定めております、大学運営の重要な変更に係る市との事前協議が行われない中で、教養学部の学生募集停止が文部科学省に報告されるなど一部合意に反した事例があったところです。

⑫次に、学校法人いわき明星大学の役員体制について、ここ20年程で全国に急拡大し、傘下の川崎市のAOI国際病院が国家戦略特区の事業者に認定された、医療法人葵会グループの医療法人社団葵会理事長が、平成29年11月に学校法人いわき明星大学理事長に就任しましたが、本市はどう捉えているか、お尋ねします。
—答弁(総合政策部長)
 学校法人の役員体制につきましては、私立大学としての経営方針や自主性に関わる事案であり、市が評価、判断する立場にはないものと認識しておりますが、市といたしましては、新たな役員体制の下においても、引き続き、地域社会の要請に応えていただく大学運営を期待しているところであります。

⑬次に、教養学部教養学科の学生募集停止について、本市との基本事項に定める大学運営の重大な変更に係る事前協議事項にも拘らず、事前協議を経ずに本市の頭越しに、文部科学省に学生募集停止を報告したことは、重大な合意違反で看過できず、本市も再発防止を申し入れていますが、本市としては重大な合意違反にどう対応するのか、お尋ねします。
—答弁(総合政策部長)
 教養学部の学生募集停止の件につきましては、市といたしましても、学校法人いわき明星大学に対しまして、文書等により、在学生、教職員などに対し、丁寧な説明を行い、十分な理解を得るなど対応に万全を期するとともに、市との合意事項に反することのないよう再発防止を強く要請したところであります。

⑭次は、「労災病院の移転に関する基本合意書」について、いわき明星大学の敷地内に労災病院が移転するもので合意締結から1年が経過しましたが、合意事項は実現されているのか、お尋ねします。
—答弁(総合政策部長)
 平成29年5月に、いわき明星大学、福島労災病院、及び市との間で締結した「福島労災病院の移転に関する基本合意書」において、いわき明星大学敷地への福島労災病院の移転実現に向け、三者の連携・協力のもとに取り組むこととしております。
 具体的には、平成28年3月に市と大学との間で締結した「大学の運営に関する基本事項」において大学以外の用途で利用する場合、その敷地は大学から市に返還する定めがあるため、大学は移転予定地を一旦、市へ返還し、その上で、市と福島労災病院が移転予定地と現在の病院敷地を交換することとしております。
 現在、基本合意書に基づき、移転予定地と現在の病院敷地の不動産鑑定等を行いながら、交換する土地の範囲等について関係者間で協議を重ねているところであります。

⑭−2  今、関係者間で協議ということですが、ちょっと遅れ気味ではないかと印象を持つのですが、どういう理由でなかなか我々には進まないという印象になっているのか、理由は特筆すべきものはありますか。
—答弁(総合政策部長)
  いわき明星大学の方で、用地測量と境界確定の作業を行っていくのですが、具体的にどの辺の範囲まで土地の交換、今、いわき明星大学の第3学生駐車場並びにその隣接地が移転予定地なのですが、それをどこまで土地利用を図るかということで、関係者間で協議を進めているところであります。

⑮次に、いわき明星大学への総投資額について、大学用地の取得、造成や建設費等の初期投資から、これまでの38年間における、本市のいわき明星大学への総投資額はいくらになるのか、お尋ねします。
—答弁(総合政策部長)
 いわき明星大学の誘致にあたり、市が約38億円を負担して大学敷地を取得・造成した上で、同大学に無償譲渡し、また、校舎等施設整備のための大学建設整備費補助金として、市から30億円の財政支援を行っておりますが、その後、施設整備等に対する市からの支出はございません。
 なお、大学への投資という位置づけとは異なりますが、平成19年2月に同大学と本市で締結した連携協定に基づき、他の高等教育機関と同様に、大学と連携して地域課題の解決に取り組む事業を実施しており、平成19年度から平成29年度までの間、約4,700万円の委託料を市から同大学に支出しております。

今後の対応について、本市は大学誘致の基本理念や大学側との基本合意に基づく、これまでの投資を踏まえ、投資に恥じない効果を確保するため、大学が地域の付託や多様な要望に応えるよう、市長は、今後どのように対応していくのか、お尋ねします。
—答弁(市長)
 市といたしましては、今後、人口減少や少子高齢化が進む一方で、先進技術の目覚ましい発展が期待されるといった社会経済情勢の中、時代の潮流を的確に捉え、将来を切り拓いていく人材の育成と確保が必要不可欠であると認識しております。
 そのため、地方大学には、地域の高等教育機関として、地域で活躍する人材育成の拠点や生涯学習の拠点、地域の知的基盤といった役割を果たしていただきたいと考えております。
 とりわけ、いわき明星大学に対しましては、市との基本事項の締結など、これまでの経緯を踏まえ、地方大学を取り巻く厳しい経営環境にあっても、引き続き、地域のニーズに応じた人材育成に取り組まれるよう、機会を捉えて要請するとともに、十分な意思疎通の下、大学の運営状況などについても把握して参りたいと考えております。

本市の大学誘致の基本理念と多大な投資を踏まえ、本市の毅然とした対応を要望して、次に移ります。

大きな第三点は、いわき市の再生と地域課題の解決について、です。

1点目は、共創のまちづくりを実現する地域自治システムについて、です。

 本市と同じ中核市の愛知県豊田市は、広域合併により、一律的施策では十分な成果が得にくいことから、「地域のことは、地域で決める」を合言葉に、地域の声を的確に行政に反映させ、地域課題を地域自らが考え実行できる仕組みを作っています。市を12の「地域自治区」に分割し、28の中学校区ごとに「地域会議」を設置して、新たに地域からの提案制度や地域活動支援制度を設け、「地域自治システム」と呼び都市内分権を進めています。
 20名程で構成する地域会議は、年間10〜15回の会議で地域住民の意見集約と調整を行い、地域住民が主体的に取り組む、予算上限500万円の市民活動支援事業や、地域会議が発案し地域個別の事業を市が実施する予算上限2,000万円の地域予算提案事業などを審査しています。

⑰そこで、地域自治システムについて、咋年6月定例会で(仮称)地域協議会の設置を取り上げましたが、共創のまちづくりを実現するために、地域の声を的確に行政に反映させる仕組みや地域課題を地域自らが考え実行できる仕組み、財源と権限を市民のより近くにして、「地域のことは、地域で決める」という、地域分権型の地域自治システムづくりを、新・市総合計画策定の課題と位置付けて検討すべきではないか、お尋致します。
—答弁(総合政策部長)
 本市におきましては、「市以和貴まちづくり基本条例」における様々な主体が共に地域の課題解決に取り組むという理念の下、地域の実状に応じた共創のまちづくりを進めるため、各支所に配置している地域振興担当員の活用や、「まちづくり懇談会」、「移動市長室」などの実施により、市政への地域の声の反映に努めて参りました。
 また、「まち・未来創造支援事業」などを通して、地域住民の自主的なまちづくり活動への支援も実施してきたほか、新たな共創型の取組みとして「公民連携推進モデル事業」や「共創型地域交通モデル事業」などにも着手したところであります。
 現在、こうした取組みを重ねる中で、地域づくりなど様々な社会活動に参加する活動人口の拡大を図っていくことが肝要であると認識しており、その上で、それらの状況を踏まえながら、本市の実状に応じた共創による効果的なまちづくりの仕組みの構築が求められてくるものと思慮されますことから、次期総合計画の主要な検討テーマの一つとして捉えて参りたいと考えております。

支所直轄予算枠について、咋年6月定例会でも取り上げましたが、財源と権限を市民のより身近にする観点から、支所直轄予算枠の拡大として、当面は、増額を含めてスピード処理費の見直しを図るべきではないか、お尋ねします。
—答弁(総合政策部長)
 市民相談スピード処理費につきましては、市民の皆様から寄せられた市民相談のうち、市の事務事業として、緊急に処理を要するもので、複数の課等にわたる、あるいは、予算等の関係から処理解決に期間を要すると判断される事案について、原則、1件当たり50万円未満の処理金額の範囲内で、支所等が迅速に対応できる制度であります。
 事業費につきましては、震災後の状況や支所等からの意見も踏まえ、平成27年度にそれまでの2,700万円から4,000万円に大幅に増額し、今年度は、1地区当たり230万円から480万円の予算を各支所等へ令達しているところであります。
 また、年度当初に令達した事業費については、各支所等の執行状況を適切に把握し、支所間における予算の調整を柔軟に行うなど、支所の増額要望等にも適切に対応してきたところであります。
 本制度につきましては、これまで、主に道路及び側溝の補修やカーブミラーの設置など、維持補修的な、生活に密着した事案に活用されてきたところであり、各地域の様々な課題の迅速な解決に寄与して参りましたことから、今後とも、本制度の趣旨を踏まえ、各所管課で担当する事務事業との役割分担も図りながら、事業の効果的な実施に向け、
弾力的な運用に努めて参りたいと考えております。

共創のまちづくりのために、「地域のことは、地域で決める」と、財源と権限を市民のより近くにする、地域分権型の地域自治システム作りを改めて提案し、次の質問に移ります。

2点目は、県立高等学校の統廃合問題に対する本市の対応について、です。

 福島県教育委員会は、本年5月、平成31年度から10年間の「県立高等学校改革基本計画」を公表しました。その「基本方針3 学校の再編整備・特色化による教育活動の魅力化」では、「学ぶ意欲を引き出す望ましい学校規模」として「1学年4〜6学級、1学年3学級以下は、学校の魅力化を図りながら統合を推進」としています。
 これに該当する市内の高等学校は、勿来、遠野、小名浜、好間、四倉の5校です。
 先ごろ開かれた小名浜高校の同窓会総会では、創立112年を迎えた同校が今年度から1学年2クラスとなり、統廃合対象となることから「存続に向けて努力したい」と熱い想いが語られました。

⑲まず、県立高等学校改革基本計画の学校再編整備について、「1学年3学級以下は、学校の魅力化を図りながら統合を推進」という学校統廃合が地域社会に与える影響や学校統廃合に対する市民の声など、本市教育委員会はどのように捉えているか、お尋ねします。
—答弁(教育長)
 先般、県教育委員会は、少子化等の影響による小規模校の増加やグローバル化など、社会情勢等の変化を踏まえ、望ましい高等学校教育のあり方や学校の魅力化の推進に向け、「県立高等学校改革基本計画」を策定いたしました。
 計画では、1学年3学級以下の学校については、地域の関係者の意見も聞きながら統合を推進する一方、過疎・中山間地域等においては、学習機会の確保のため、例外的に1学年1学級規模の本校化も検討することとされております。
 市といたしましても、今後の高等学校教育は、グローバル化の進展や技術革新など社会情勢が大きく変化していく中、これからの次代を生きていくために必要な資質・能力を育成していく取組みがこれまで以上に求められていくものと考えております。
 このことから、未来のいわきを支える人材育成に向けては、学校の再編と特色化による、より良い教育環境の整備は、極めて重要な取組みであると認識しております。
 また、一方で、県立高等学校が「地域の核」として果たす役割等もあることから、高等学校教育のあり方の視点とともに、県立高等学校の地域の活性化等における効果などを総合的に勘案しながら、慎重かつ適切に進められるべきものと考えております。

 同校は、明治40年設立の「小名浜町立小名浜実業補習学校」を起源として、地域に密着した高等学校として歩んできた歴史を踏まえ、特色ある教育活動を育みながら、地域に根ざした高等学校として、地域が力を合わせて守っていきたい、という声が市民から寄せられています。
⑳そこで、学校再編整備に対する地域社会と市民の要望について、福島県並びに県教育委員会に対して、本市として地域社会の要望を的確に伝えるべきと考えますが市長の所見を、お尋ねします。
—答弁(市長)
 県が策定した「県立高等学校改革基本計画」には、基本方針の一つとして、「学校の再編整備と特色化による教育活動の魅力化」が位置付けられております。
その中で、学校の再編整備を推進する場合には、当該高等学校が地域で果たしてきた役割を十分に踏まえ、所在市町村をはじめとして、地域の関係者から意見を聴きながら進めていくこととされております。
 今後、県教育委員会では、県立高等学校改革基本計画に基づき推進する具体的な取組みを位置付ける「実施計画」の策定を進めることとしておりますが、市といたしましても、県の動向を注視しつつ、各学校の置かれた地域の実情を鑑みながら、適切に対応して参りたいと考えております。

(以上で、質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。)

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by kazu1206k | 2018-06-14 20:53 | 議会 | Comments(0)

佐藤かずよし


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