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古代から未来へ・私たちの海を感じる~海の日アクション開く

 7月16日午後、いわき市小名浜三崎公園内のホテル花天で「古代から未来へ・私たちの海を感じる~海の日アクション」が開催されました。
 オープニングセレモニーは、実行委員長の藤田操さんが挨拶に続いて、三線演奏と唄を披露。
 トークライブでは、福島県考古学会顧問の馬目順一さんが「古代の海と人々のつながり」と題して、講演。平安時代「9世紀は地震の世紀であった」として、貞観地震は「3.11よりは少々低く、震度も6強、マグニチュード8程度と言われている」「いわきにも痕跡が残る」と、神谷作106号古墳の周溝部に津波堆積土と津波に巻き込まれて犠牲になった人の頭骨が発見されたことや内郷御厩の清水遺跡第1号竪穴住居跡に断層が発見されたこと、勿来関が現在の勿来駅の東側のお伊勢山の海側にあって崩落したことなど、話されました。さらに、いわき市の貝塚、縄文海進の状況、東北地方でも最も古い貝塚のひとつといわれる、平鎌田の弘源寺貝塚からカツオの骨が出土しており、鹿角で釣り針や銛をつくってカツオやタイをとって暮らしていたこと、小名浜湾には、茎糟式離頭銛や組合せ釣り針など日本屈指の鹿角漁撈用具が出土した古湊の寺脇貝塚と小名浜マリンタワーが立つ網取貝塚が東端に、相対して泉の大畑貝塚があり、外洋に漕ぎ出してカツオなどの大型魚をとっていたこと、さらに、大畑貝塚の最下層からは、直径30cm以上の巨大アワビが多数一面に配され、男性器の土器が置かれた祭祀遺構が発見され、貝塚が「ゴミ捨て場」ではなく、「聖なる場」であったこと、アワビに象徴される女性と男性器の土器との生殖関係を通して、豊漁などが1年に一度祈願されたと考えられると、語りました。
 続いて、東大名誉教授の鈴木譲さんが「海洋調査と海のこれから」と題して、いわき放射能市民測定室たらちねの海洋調査の現状などを話しました。また、認定NPO法人高木仁三郎市民科学基金の水藤周三「海の汚染を見つめて」と題して、風雲急を告げている、福島第一原発事故によるトリチウム汚染水の海洋放出問題を取り上げ、原子力市民委員会の「トリチウム水は大型タンクに100年以上保管せよ」を解説しました。
 次に、モニタリングポストの継続配置を求める市民の会の鈴木薫さんが、原子力規制委員会の子供達の生活空間からリアルタイム線量測定システムを撤去方針に対して、配置の継続を求める署名や自治体への要請、議会への意見書請願などの活動を紹介し、協力を呼びかけました。
 最後に、「海の日によせて」宣言を武藤類子さんが読み上げ、武藤さんの指導で、参加者が円陣を組み会場いっぱいに「アイヌの踊り」を踊り、みなさんで楽しみました。
 古代海洋と人との関わり、東日本大震災に匹敵する貞観津波地震と貝塚のお話し、今後の海の行方について等々、いろんなことを知り、ともに考えるひと時でした。

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by kazu1206k | 2018-07-17 23:24 | 環境保護 | Comments(0)