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秋の被告人尋問へ急ピッチ、福島原発刑事訴訟

 福島原発刑事訴訟は、7月中、第19回公判から第23回公判まで開かれ、東京電力の金戸俊道氏・堀内友雅氏、東電設計の安中正氏、電力中央研究所の松山昌史氏、東京電力から日本原子力発電に出向し現在東電設計の安保秀範氏が証言、裁判は、秋の被告人尋問に向けて急ピッチで進行しています。
 7月27日の第23回公判では、安保秀範氏が驚くべき事実を証言。武藤被告らが津波対策の先送りを決めた2008年7月31日の直後、第8・9回証人の酒井俊朗氏(東電)が、「柏崎刈羽が止まっているのに、これで福島も止まったら、経営的にどうなのか、って話でね」と話し、安全よりも経営優先の実態が明らかになりました。そして同年8月6日、東電の津波対策先送りを聞いた日本原電の取締役開発計画室長は「こんな先延ばしでいいのか」「なんでこんな判断するんだ」と驚愕。日本原電は東電が先送りした津波地震対策を少しずつ進めて、建屋の水密化なども実行したことも証言。東京地検が東電元幹部の不起訴理由にしていた「他の電力会社も、地震本部の津波地震に備えた対策はしていなかった」ということが事実と違うことも明らかになりました。
 7月25日の第22回公判では、検察官役の指定弁護士が検証請求に関する意見陳述を行いました。指定弁護士は、2017年3月10日付で検証請求書を裁判所に提出し、「福島第一原子力発電所、双葉病院、ドーヴィル双葉、救助避難経路において検証するよう」求めていたこと。さらに、同年9月19日に補充意見書、平成30年7月20日にも補充意見書(2)を提出して、現場検証を強く求めたことが判明。この日は、裁判官に対し「福島第一原発は巨大な施設で、原発事故の規模も巨大だ。実際に行って津波や事故の痕跡を見なければ、証言内容の理解や評価はできない」と、福島第一原子力発電所及びその周辺の現場検証の必要性について改めて意見を述べました。
 福島原発刑事訴訟の厳正な判決を求めて、『予見できた!回避できた!東電刑事裁判報告集会』が、9月2日福島県郡山市、同30日東京都内で開かれます。この8月、集会への参加を呼びかけ、厳正な判決を求める署名を広げましょう。

『予見できた!回避できた!東電刑事裁判報告集会』
☆9月2日(日)14:00~16:30 福島県郡山市 ビッグアイ市民プラザ 無料
☆9月30日(日)14:00~16:30 東京 専修大学神田キャンパス 7号館3階731教室 

★原発のない社会をめざすネットワーキングニュース★ アサツユ  
☆2018.8.10 第323号☆より転載

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by kazu1206k | 2018-08-20 23:18 | 脱原発 | Comments(0)

佐藤かずよし


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