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ソウル市の市民民主主義、現地報告メモ3

 7月30日から4日間の「韓国ソウル市の市民民主主義を学ぶ現地視察」報告メモの3回目です。第3回は、「大統領直属政策企画委員会 キム・ヨンミョン国政課題支援団団長レク」です。
 キム・ヨンミョン氏は、中央大学社会福祉学科教授で、金大中政権、盧武鉉政権時代から社会政策に関与し、文在寅政権では大統領候補の社会福祉公約を作り、10部署の福祉労働教育などを管轄する社会文化委員会の委員長を歴任されています。
 氏へのインタビューは、事前質問に回答する形で行われました。社会福祉政策における普遍主義か選別主義か、税財源ー国税と地方税、所得主導成長論、社会政策戦略会議、社会サービス公団などの論点について、韓国の現状を変革する文在寅政権の社会政策戦略会議における政策展開の要点をお聴きしました。今年の末には、東京大学での講演も予定されているとのことでした。
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 ・1回ーソウル市長との懇談、政策補佐官からソウル市政レク
 ・2回ー冠岳住民連帯の活動と地域福祉、冠岳区長・区議会との懇談、冠岳共同行動、ソリム洞福祉センターの活動
 ・3回ー大統領直属政策企画委員会 キム・ヨンミョン国政課題支援団団長レク
 ・4回ークリキンディセンター(ハジャセンター)若者支援、ソウル社会的経済支援センター、開かれた女性センターの訪問
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第3回ー「大統領直属政策企画委員会 キム・ヨンミョン国政課題支援団団長レク」。

2018.8.1 普遍主義と税財源

大統領直属政策企画委員会 キム・ヨンミョン国政課題支援団団長
中央大社会福祉学科教授

・自己紹介
ー政策企画委員会の役割
ー100大課題のモニタリング、評価提案。5つの分科会で保健福祉の長。常勤40名。100名非常勤。
ー文在寅政権の社会保健政策の責任者。日本の友人、民主党関係者の学者。大沢真理、宮本太郎。

・事前質問回答
①ユニバーサリズム−普遍主義か選別主義か。
ーあるプログラムは、普遍主義。貧困層に選択主義。マスコミの混乱=選別主義。
多くの国、初発は選別主義。政権は普遍主義、保守は選別主義。
ー論点:育児など社会サービス分野。殆ど普遍主義に移行。
ー例。高齢者の貧困問題。20万ウォンの基礎年金の支給。保険料ではなく年齢で全高齢者に支給。65歳以上所得制限の上で70%に支給。100%普遍主義と40%選別主義。
ー現在、アカデミックの論争。金額を30万ウォンにあげる。70%は、準普遍主義では。中間層排除か否かで違い。
ー児童手当。もとは100%支給が公約、議会で90%。保育サービス。
ー学校給食の無料化、小学校は無償化。中学校は80%近い。高校は10%で保守系の教育長多いなどで地域別偏差大。普遍主義だが、私立があるので100%にならない。
ー文在寅大統領は、給食無償化が選挙の争点として勝利した。
ー普遍主義の勝利でも、水準はそう高くない。
ー高齢者の生活費。国民年金公団、夫婦で160万ウォン、190万ウォンは必要。
国民年金があるがそう多くない。韓国では家族の仕送りがある。
*中間層を進歩、保守がどちらが取り込むか。
ー理論的には問題ないか。運動的には中間層を公共が握るのか、資本が握るのか、ということ。
*水準が高くないとは。
ー手当の金額が高くないということ。

②③国税と地方税
ー8対2。自治体の財政的余裕がないが、ソウルはある。文在寅政権は、6対4公約。現実は経済部署との調整で7対3に。
ー財政改革委員会を設置。政策企画委員会の中に。財務官僚と専門家との論争の上で、住宅などの資産課税をあげる。(保有税)実際は、1兆ウォン。少ないと失望。委員会の設置は今年末まで。
ー公約実現には、全般的な増税が必要。日本のような国債発行には、いかず。保守は付加価値税、進歩は所得税増税。法人税も?財政健全性の確保が砦。経済省は日本の例をあげる。
ー増税の話ができないのは、所得再配分がきちんとできておらず、国民の不満強いから。

④所得主導成長論批判への見解
ー1960年代の産業化以来、パラダイムは変わっていない。1990年代までは日本モデル。進歩系は、所得主導成長論。パラダイムシフト転換。
ー学会は経済はサプライズ必要、所得主導は理論的根拠ないと批判。
ーマスコミ等、所得成長論出したから失敗した。保守系、供給主導成長論からすると、まだ弱い。所得主導成長委員会を設置。来年1月にレポート公表予定。

⑤社会政策戦略会議
・財政戦略会議で戦略予算決定。その前に、社会政策戦略会議で検討して提案する。
・具体的な社会政策の大統領への報告書。各部署との協議の上、決定する。
・社会政策ビジョン。3大ビジョン、9戦略。包容と革新。インクルージョンとイノベーション。
・「革新と包容の社会政策」
ー社会的統合、社会戦略革新の能力の倍増など3ビジョンに3戦略。
ー社会戦略革新の倍増。革新とは、人的資本個人能力、組織能力の倍増。
ー後進資本主義としてキャッチアップ、先進国モデルが無くなった。
ー年末、日本として出版。12月、東京で講演。

⑦社会サービス公団
・自分が制度設計。日本にも基礎自治体に存在。行政が直営。小泉政権から殆ど委託。公共が施設を運営し、直接雇用される。
ー韓国は、広域自治体で構想。高齢者の速度が日本より速い。韓国は、公共より民間の割合が多い。42000の保育所、公立は7%しかない。公共分野の拡大と勤務条件の改善強化。これから国会審議。
ー公団、破片化した保健、福祉など社会サービス全体をコントロールする位置付け。1次的には保健所やチャットン。地域サービスの伝達体系を統合する。

ソウル市の市民民主主義、現地報告メモ3_e0068696_7215573.jpg

by kazu1206k | 2018-08-28 22:31 | 議会 | Comments(0)

佐藤かずよし


by kazu1206k