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汚染水「タンク群の核種と濃度は把握」、東電交渉

 9月20日午後、脱原発福島ネットワークなど福島県内の10市民団体は、再開第43回東電交渉を、いわき市平の平送電所で行いました。
 今回の東電交渉は、8月30日富岡町、8月31日郡山市と東京都での、経済産業省「多核種除去設備等処理水の取扱いに関する小委員会」の「説明・公聴会」をへて、前回東電から回答を受けた「トリチウム汚染水の海洋放出をやめ、安全な保管を求める要請書」についての再質問に対する、東電の回答を受けて質疑を行いました。トリチウム以外の核種が基準値を超えていた情報を適切に開示してこなかったこと、海洋放出ありきの広報をリードし続けてきたことに対して、東電は「説明不足は、その通りだと思う」としました。
 また、「東海第二原発の再稼働のための日本原電への資金援助に反対し、福島第一原発事故被害者への完全な損害賠償を求める要請書」への再々質問への回答、さらに、「陸側遮水壁」の電気代と維持管理費などについて、ALPSの処理状況、ストロンチウムの浄化能力、山側サブドレンのトリチウム濃度上昇、1・2号機排気筒の解体計画、などについても質疑しました。
 1・2号機排気筒の解体計画、山側サブドレンのトリチウム濃度上昇、千島海溝沿い津波地震への対応などについては、次回に東電側が回答することになりました。 

●主なやりとり
1、「トリチウム汚染水の海洋放出をやめ、安全な保管を求める要請書」の回答に対する再質問について

 再質問1、関係者を市町村の代表、首長などとするが、「海洋放出」「地層注入」「水蒸気放出」「水素放出」「地下埋設」の5つの選択肢の関係者を示されたい。
 ・東電:「国の小委員会の議論を踏まえ、国から大きな方針が示されると認識しており、それらを踏まえ、丁寧なプロセスを踏みながら適切に対応したい。」
 ・市民団体:放射性核種の濃度について、トリチウム以外の核種が基準値を超えていた情報を適切に開示してこなかったことは?
 ・東電:「告示濃度に向かって浄化したのではなく、敷地境界の占領を超えないように対応した」「説明不足は、その通りだと思う」
 ・ 市民団体:タンクごとの放射性核種と濃度は把握していないというが?
 ・ 東電:「タンク群の放射性核種と濃度は把握している」
 ・ 市民団体:次回、数値を示されたい。

 再質問2、事故当事者の東電が市民説明会で、市民に説明すること。
 ・東電:「国の小委員会の議論を踏まえ、国から大きな方針が示されると認識しており、それらを踏まえ、丁寧なプロセスを踏みながら適切に対応したい。」
 ・市民団体:事故当時者の東電が市民に説明する責任がある。

 再質問3、10万トンタンクに100年以上保管せよという、原子力市民委員会の方針については、どう考えているのか。
 ・東電:「見解は特にない」
 ・市民団体:陸上保管への見解を、改めて求める。
 ・市民団体:県漁連の野崎会長の『業業が壊滅的打撃を受ける」発言をどう考えているのか?
 ・市民団体:ALPSの出口でのモニタリングは週1〜2回やっているというが、公表は?

 2、 「東海第二原発の再稼働のための日本原電への資金援助に反対し、福島第一原発事故被害者への完全な損害賠償を求める要請書」への再々質問への回答について
 ①資金援助、債務保証をいつ判断するのか
 ・東電:「現時点では意向を示した、総合的に検討判断していく」
 ②3月30日取締役会で決定したのか
 ・東電:「資金提供は決定していない」
 ③東海第二原発が審査でNGになった場合資金援助は、撤回するのか
 ・東電:「現時点では意向を示した、総合的に検討判断していく」
 ④受電していないのに電力購入代金を支払っている理由は
 ・東電:「安全維持契約の更新」
 ・市民団体: 「受電していないのに安全維持契約結ぶのか」「受電したら料金発生するのか」
 ⑤430億円の安全維持契約の中味は

 3、その他
 ①「陸側遮水壁」の維持管理費は年間10数億円。その内訳は。
 ・東電:「答えられない」
 ・市民団体: 「なぜ答えられないのか」
 ②千島海溝沿い津波地震に伴う地震対策、防潮堤
 ・東電:「配布資料、次回説明」
 ③1・2号機排気筒の解体計画
 ・東電:「12月に現地準備活動開始、早ければ、来年3月セット。」
 ・市民団体: 「飛散防止対策の詳細な説明を」
by kazu1206k | 2018-09-23 23:21 | 脱原発 | Comments(0)

佐藤かずよし


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