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「避難者への住宅打ち切りは認めない」抗議声明

 原発事故被害者団体連絡会(ひだんれん)は、9月28日、ひだんれんと「避難の権利」を求める全国避難者の会の連名で、抗議声明「避難者への住宅打ち切りは認めない」を、福島県生活拠点課の主幹に提出しました。事務局の大河原さんの報告です。

本日(9月28日)、ひだんれんと「避難の権利」を求める全国避難者の会の連名で、抗議声明「避難者への住宅打ち切りは認めない」を、福島県生活拠点課、菅野、小林両主幹に、幹事でかながわ訴訟原告団団長の村田弘さんが読み上げて手渡しました。
写真と抗議声明を添付します。

南相馬市小高から神奈川に避難している村田さんから、抗議声明に取り上げた避難者数よりも実際にはもっと多くの人が避難しているはずだ。都会に住む避難者にとっては家賃がとても負担になっている。家賃補助を続けてほしいと訴えがあり、また、浪江町から避難し現在復興住宅に住む、幹事で子ども脱被ばく裁判団長の今野寿美雄さんは、実家は津島の赤宇木だ。昨日と本日は津島訴訟の現地検証で、原告の人たちはこの場に来られないがこれだけは伝えてくれと言われて来た。「住民不在で勝手に決めるな!」「県民を守らない県や知事は要らない」「生活再建をしろとケツを決められて、家を奪われて、年寄りはどうするのか。どうやって生きていけばいいのか」住宅は命の問題だ、県が奪うことは許されないと追及しました。

富岡町から会津若松市に避難中の古川好子さんは、避難指示が解除されたからと言って元に戻れるわけではない。自立して生活していた人たちが、原発事故で生活を奪われた。廃炉に3,40年かかるのに、被害住民にはなぜ早く自立しろというのか。住民の声を聴かずに進めてうまくいくのか、住民が打ち切り撤回を求めたらそれは可能なのか。受け入れないという権利があるはずだ。一人一人の判断を認めてほしい。認めることの表れが住宅支援だと思うと、本質的な問いかけがありました。
それに対して小林主幹からは、知事に報告する、県としてもひだんれんとの協議を続けていくとの返答がありました。

武藤類子共同代表が、突然の知事の発表を職員はどのように感じたのかと問うと、菅野主幹から、職員が知らないことを知事が発表することはない。事前に関係市町村、国とも協議したと答えました。(この協議内容に関して情報開示請求を行っています)今後、帰還困難区域の住民の声を聴く機会はあるのかという質問には、まだ計画は決まっていないという答えで、本来であれば住民の意向を聴いてから施策を立てるべきなのに、全く逆転した県のやり方に一同怒りを禁じ得ませんでした。
時間が短かったため、この続きは次回の県交渉につなげていきます。
この後、抗議声明提出に関する記者会見を行いました。

抗議声明 
 避難者への住宅打ち切りは認めない


 内堀雅雄福島県知事は8月27日、「富岡町、浪江町、飯舘村、葛尾村の帰還困難区域からの避難者に対する応急仮設住宅の提供を2020年3月末をもって打ち切る」と宣言した。さらに、南相馬市など避難指示解除区域の避難者住宅、区域外避難者に対する民間賃貸住宅の家賃補助、国家公務員住宅も来年3月限りで打ち切るとしている。
 未だ7万を超える人々がふるさとに帰れず、苦難の避難生活を送っている現状に目をつぶり、避難者の声を聴くこともなく、政府と地元自治体首長との「密室の協議」で決められた今回の措置を認めることはできない。直ちにこれを撤回し、避難者の生活実態を調査・把握し、避難者が生きていくための最低の基盤である住宅を保障することを強く要求する。

 一般人の年間被ばく線量限度の50倍にあたる年間50ミリシーベルトを上回る基準を認め、政府が帰還困難と定めた区域の避難者に対して、わずか1年半後に住宅提供を打ち切ることが、どうして認められるのか。8月27日の発表で内堀知事は「生活再建の見通しを早い段階から立ててもらうためにも重要と判断した」と述べた。人の住めない高濃度汚染地域の自宅に帰ることが不可能であるうえ、不十分な賠償も打ち切られた3,300世帯・8,000余の人々に、どう「生活再建の見通しを立てろ」と言うのか。「切り捨て宣言」以外の何ものでもない。
 これは半年後に打ち切られる避難指示解除区域の2,400世帯・6,000余の避難者にとっても同じであり、2017年3月の打ち切り強行に伴う避難指示区域外避難者の民間賃貸住宅に対する家賃補助、国家公務員住宅の提供打ち切りについても同様である。

 原発事故からあと半年で9年目。未だ7万を超える人々がふるさとを離れた避難生活を余儀なくされている。事故と同時に発せられた「原子力緊急事態宣言」は未だ解除されず、汚染廃棄物を詰めた2千万個を超えるフレコンバッグは野積みにされたままである。避難生活の中での関連死は2,200人を超え、先の見えない生活に追い詰められ自ら命を絶つ人も後を絶たない。子どもたちの甲状腺がんだけでも200人を超え、健康被害の広がりは疑いを容れない事態となっている。このような現実に目を背け、避難者をさらに追い詰める政策の強行が許されるのか。
 福島県のデータによれば、今回の措置で、3年前には3万6千世帯・8万を超える人々に提供されていた住宅は、大熊・双葉両町の1,661世帯・約4,000人を残すのみとなる。「2020年東京五輪までに避難者ゼロ」を目標とする政府・福島県にとっては、達成寸前かもしれない。しかし、3万6千世帯の住宅保障を打ち切り、避難者を追い詰めて達成される目標とは何か。

今回の措置が、年間1ミリシーベルトとされる一般人の年間被ばく線量限度の国際基準、放射線管理区域を年間5.2ミリシーベルトと定めた国内法、避難・居住・帰還のいずれを選択した場合にも国が住宅等を保障する責務を負うと明記した「子ども・被災者支援法」、さらには国連の「国内避難民に関する指導原則」にも反する人権無視の暴挙であることは明らかである。

私たち被害者2団体は、福島県と政府に対し、今回の措置を直ちに撤回し、原発事故被害を直視し、避難者の人権と生活の基盤である住宅を保障することを改めて強く要求する。

 2018年9月28日

原発事故被害者団体連絡会
連絡先:☎080-2805-9004 Email:hidanren@gmail.com
   
「避難の権利」を求める全国避難者の会
連絡先:☎080-1678-5562 Email:hinannokenri@gmail.palala.com

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by kazu1206k | 2018-09-28 23:01 | 脱原発 | Comments(0)

佐藤かずよし


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