映画「福島は語る」、3月2日公開
2019年 02月 12日
分断された私たちが語り継ぐ14のメッセージ
多くのパレスチナの映像を手掛けてきた土井敏邦監督が、2014年に開催した福島原発告訴団の「被害者証言集会」に参加し、その証言に衝撃を受け、100人に近い原発事故被害者にインタビューをして、4年かけて完成させた、証言ドキュメンタリー映画「福島は語る」が、8回目の「3・11」前後に東京、大阪、名古屋、京都、福島、広島、福岡など全国一斉に劇場公開されます。
震災で追われた人びと。それぞれに違った涙の色がある
原発事故から8年が過ぎました。日本は、2020年の東京オリンピックに向けて浮き足立ち、福島のことは「終わったこと」と片づけようとしているように感じます。しかし、原発事故によって人生を変えられてしまった十数万人の被災者たちの心の傷は疼き続けています。
100人近い被災者たちから集めた証言を丹念にまとめました。その“福島の声”を、忘却しつつある日本社会に届けたいと願い、この映画を制作しました。
2018年 土井敏邦
作品紹介
福島は語る
監督・撮影・編集・製作: 土井敏邦
2018年/日本/カラー
劇場版:170分(2時間50分)
全章版:330分(5時間30分)
題字: 高橋長英
上映劇場と日程*********************************
・新宿K's cinema 3月2日(土)~3月15日(金)
・渋谷ユーロスペース 3月9日(土)~
・横浜シネマ・ジャック&ベティ 3月9日(土)~3月22日(金)
・フォーラム福島 3月8日(金)~3月14日(金)
・名古屋シネマテーク 3月9日(土)~3月15日(金)
・大阪・第七藝術劇場 3月9日(土)~3月15日(金)
・京都シネマ 3月9日 (土) 〜3月15日(金)
・広島・横川シネマ 3月15日(金) 〜3月21日 (木)
・福岡・KBCシネマ1•2 3月11日(月)、 3月14日 (木)
・佐賀シアターシエマ 3月8日 (金) 〜3月14日 (木)
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なぜ『福島は語る』を制作したのか
監督 土井敏邦
言葉の映像化
この映画は、福島の被災者たちの“証言ドキュメンタリー”です。派手な動きがあるわけではありません。ひたすら、“語り”が続きます。観る人が単調で退屈だと感じて途中で投げ出すなら、この映画は失敗です。しかし“語り”に観る人が引き込まれ、最後まで観てくれる力があれば、この映画は意義があります。私はこの映画で、“言葉の力”に賭けてみました。
なぜ今、“言葉”なのか。原発事故から8年になろうとする現在の日本で、「フクシマ」は多くの人びとから「もう終わったこと」として忘れさられようとしています。2020年の東京オリンピックの話題に、社会の関心が高まるにつれ、その傾向は強まっています。
福島の為政者たちも、「風評被害の払拭」「復興」の名の下に、「フクシマ」の現実を覆い隠そうとしているようにも見えます。
しかし、「原発事故」によって人生を狂わされ、夢や未来を奪われ、かつての家族や共同体の絆を断ち切られ、“生きる指針”さえ奪われた被災者たちの“生傷”は癒えることなく、8年近くになる今なお、疼き続けています。
ただそれは、平穏に戻ったかのような現在の福島の光景からは、なかなか見えてきません。その“生傷”を可視化する唯一の手立ては、被災者たちが語る“言葉”です。この映画は、その“言葉”の映像化を試みた作品です。
(詳細はHPサイトhttp://www.doi-toshikuni.net/j/fukushima/index.html)

