文化センター展示室の見直し実現へ
2019年 02月 20日
いわき市は、2月14日付で、いわき市文化協会・いわき市美術協会・いわきアート集団・いわき陶芸協会が1月23日に「本来と同程度の展示スペースを確保するよう要望」した要望書、「いわき市文化センターの耐震補強工事に伴う展示室の見直しについて」に回答しました。
回答は、「いわき市文化センター内の大展示場につきましては、ご要望を踏まえ、室内の空間をできるだけ確保するため、現在の3階から総合教育センターの事務所等として使用している5階に移したいと考えております」というものです。
これによって、「建物の5階においては、耐震補強工事に伴い室内に鉄骨部レースを1箇所設置する必要があり、展示場を5階に移した場合、大展示場と中展示場の2部屋として使用いただくことになりますが、大展示場は、従来の大展示場の8割の面積を確保することが可能となります。また、大展示場内の床に段差等は生じません」と説明しています。
これに対して、要望した、いわき市文化協会・いわき市美術協会・いわきアート集団・いわき陶芸協会は、協議の上、この「代替案」の内容を「了承したい」旨、文化センター使用団体に連絡いたしました。
なお、全体工期は変更なく、5階の大展示場の利用は2020年4月からの予定です。
*見直しの経緯
いわき市文化センターは、昭和50年4月1日の開設、43年経過し、今般の耐震補強工事となりました。耐震補強工事は、施設利用者の安全性の確保などを踏まえ、施設機能の強化と地域防災力の向上を図る目的。昨年11月から来年3月まで29〜31年度の3カ年の工期で、鉄骨ブレース等による耐震工法による工事です。工事費は、約7億7,436万円、国の交付税措置(70%)のある市債(緊急防災・減災事業債)が財源。
いわき市文化協会・いわき市美術協会など利用者団体は、工事により3階の大展示場に鉄骨ブレースが入り、壁によって展示スペースが3部屋に仕切られ開口部も狭いため、これまで展示会を開催してきたワンフロア一体の利用ができなくなることから、12月上旬に工事内容の情報を聞いて以来、改善を探っていました。
1月10日には、利用者団体の要望を受けて、所管の市教育委員会生涯学習課により、文化センターの耐震補強工事の説明会が開かれました。いわき市文化協会・いわき市美術協会・いわきアート集団・いわき陶芸協会などのほか、いわき写真連盟や13の利用者団体の代表が詰めかけ、「工事前に説明して欲しかった。なぜしなかったのか」「大展示室はワンルームにしてほしい、大展示場の価値を理解してほしい」「ワンフロアが皆の意見。別工法があれば検討できないか。見通し・演出はワンフロアがベストだ」「使いやすいワンフロアに。間仕切りは段差あるか。間口も制約感。導線からは1カ所に」「写真連盟、160点展示。要望はワンフロア。一部取り入れて」「市民が使いやすい、見やすい施設であるべき。多数の参加で関心高い。建設前に説明の場必要。3階大展示場は、いわきの中で一番使いやすい。建設進度から、要望がどこまで可能か。完成予定工期はどうか」など、熱心な質問や意見がだされました。
生涯学習課では、「新設施設の場合は、事前に意見聴取するが、今回は耐震補強なので実施しなかった。現状では、ワンフロアできないが、工法と財源もあり、持ち帰り検討したい」と説明していました。
要望を受けた、教育部長は、工法などの変更は不可能であるが、大展示室のフロアを移動することで従来の面積の4分の3を確保できる検討案を提示して理解を求めました。検討案の具体的な説明を受けて、いわき市文化協会・いわき市美術協会などの代表は、提示された検討案を一歩前進と受け止め、市側の正式回答を待って各団体と協議したい、と話していました。