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一般質問報告1ー第一原発事故の現状、作業員の労働環境、放射線副読本

 いわき市議会2月定例会、3月1日に行った一般質問の詳細を、3回にわけてご報告します。

 1 いのちを守る、福島第一原発事故の現状と諸問題の改善について(第1回)
 (1)福島第一原発事故の現状と福島第一・第二原発の廃炉について(第1回)
 (2)原発作業員の労働環境、処遇の改善について(第1回)
 (3)放射線副読本(平成30年10月改訂)の問題点と取り扱いについて(第1回)

 
 2 いのちを守る、子育て環境の整備について(第2回)
(1)待機児童の解消について(第2回)
(2)放課後児童クラブの放課後児童支援員の配置基準緩和と処遇改善について(第2回)
 
 3 いわき市の再生と地域課題の解決について(第3回)
 (1)スタジアムを中心としたまちづくり事業の検討状況と課題について(第3回)
 (2)太陽光発電事業による土地開発に伴う環境保全と安全対策について(第3回)
 (3)江名港公衆トイレの整備について
                        
 第1回は、「 1 いのちを守る、福島第一原発事故の現状と諸問題の改善について」の「 (1)福島第一原発事故の現状と福島第一・第二原発の廃炉について」から「(3)放射線副読本(平成30年10月改訂)の問題点と取り扱いについて」まで、です。
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 35番、創世会の佐藤和良です。

 今日から3月。間もなく東日本大震災と福島第一原子力発電所事故から丸8年になります。改めて、犠牲となられた皆様に哀悼の誠を捧げます。
 昨年12月26日、福島県民の告訴により業務上過失致死傷罪で強制起訴された東京電力の勝俣元会長ら3人の刑事裁判で、法定刑の上限である5年の禁固刑が求刑されました。
 被告人は、15.7mの津波高を予測、建屋が浸水して電源喪失が起き、爆発事故等の可能性を事前予測し、対策として防潮堤等の工事を計画しながら、経営判断でこれを先送りした結果、過酷事故を起こました。
 裁判は今月13日に結審の予定で、被害者・被災者始め国民は、裁判所が厳正な判決を下すことを願っています。

それでは、通告順に従い一般質問を行います。

大きな第一点、いのちを守る、福島第一原発事故の現状と諸問題の改善について、です。

1点目は、福島第一原発事故の現状と福島第一・第二原発の廃炉について、です。

①まず、福島第一原発事故の現状について、未だ政府の原子力緊急事態宣言が解除されない状況下で、直近の放射性物質の放出量、汚染水の発生量、タンク貯蔵汚染水量、燃料デブリの存在状況など、福島第一原発事故の現状を本市はどのように把握しているか、お尋ねします。
—答弁(危機管理監)
 福島第一原子力発電所におきましては建屋カバーが設置される等の対応により1号機から4号機の原子炉建屋から新たに放出されている放射性物質量が事故当初と比べ大きく減少しているほか、一日あたりの汚染水発生量も陸側遮水壁等の対策が重層的に進められたことにより、昨年度は事故当初の2分の1程度の約220トンまで減少する等の改善が見られ、また、先月13日には、2号機において、初めて、燃料デブリの性状を把握するための試験が実施されております。
 一方で、タンクに貯蔵されるALPS処理水は平成31年1月末時点で約120万トンと増え続け、その取扱いは未だ検討中といった課題もあるところであり、市といたしましては、中長期ロードマップに基づいた各種作業は順調とは言えないまでも着実に進捗しているものと認識しております。

②次に、国と東京電力に対する申し入れについて、本市は国と東京電力に対し、これまで「福島第一・第二原発の廃炉に向けた取り組み及び確実な安全対策」や「事故に関する適正な賠償の実施」などを度々申し入れてきましたが、申入事項の実施などの実績はどうなっているか、お尋ねします。
—答弁(市長)
 市といたしましては、これまでも福島県内全ての原子力発電所の廃炉決定及び福島第一原発に係る廃炉作業における安全対策や、汚染水対策の確実な実施等について、申し入れを行ってきたところであり、直近では、先月6日に、私自ら東京電力本社を訪れ、小早川(こばやかわ)代表執行役社長に対し、直接、その旨を申し入れたところであります。
 また、私が構成員の一人となっている国が主催する廃炉・汚染水対策福島評議会の場においても、国及び東京電力と膝を突き合わせ議論をする中、私は市民の立場に立ち、一つ一つの難しい課題をしっかりと解決するよう求めるなど、様々な機会を捉えて、訴えてきたところであります。
 その結果、安全対策として、福島第一原発における廃炉作業に初めて従事する作業員に対して、事故を未然に防ぐことを目的とした、作業における危険性を実際に体感する訓練が平成27年3月から開始されたほか、本年1月末現在、福島第一原発構内の約96%のエリアで一般作業服での作業が可能となるなど廃炉作業に係る労働環境に改善がみられたところであります。
 さらに、昨年6月には、ようやく福島第二原発の廃炉方針が表明されるなど、これまで本市が再三にわたり粘り強く求めてきた事項について、一定の進捗はあったものと認識しております。

③次に、事故収束・廃炉の実現について、国と東京電力の廃炉に向けた中長期ロードマップに基づく取り組みを踏まえて、福島第一原発の事故収束、福島第一・第二原発の廃炉の実現を、本市としてはどのように求めていく考えか、お尋ねします。
—答弁(市長)
 市といたしましては、これまでも再三にわたり国及び東京電力に対し、福島第一原発事故の一刻も早い収束に向けた、廃炉作業における確実な安全対策の実施や、福島第二原発の廃炉決定等について、求めてきたところであります。
 今後におきましても、引き続き、私自らが先頭に立ち、様々な機会を捉え、国及び東京電力に対し、強く求めて参りたいと考えております。

④次に、事故収束・廃炉に向けた国の機関の整備について、40年を優に超えると想定される事故収束・廃炉に向けた取り組みは、世代を継いでいく必要があり、人材と財源の確保のためには、国家的な対応が求められているところから、改めて、「事故収束・廃炉庁」等の組織整備を国に求めるべきではないか、お尋ねします。
—答弁(市長)
 市といたしましては、福島第一原発の廃炉及び汚染水対策は、これまで原発政策を推進してきた国が責任を持ち取り組むべきものと認識しておりますことから、責任主体である国が前面に立ち、盤石な体制で廃炉に取り組むよう、これまでも国に対し、私自ら要望してきております。
 福島第一原発の廃炉及び汚染水対策は、10年、20年という単位で収束を迎えるものではなく、今後も長い戦いが続くものと認識しております。
 今後におきましても、引き続き、国が最後まで責任を持ち、主体的に全力を挙げて取り組むよう、様々な機会を捉え、強く求めて参りたいと考えております。

 福島第一原発には、1〜3号機と5、6号機の使用済み燃料プールに、大量の燃料が保管されています。先だって、政府の地震本部から長期評価が出まして、日本海溝添いの福島沖は今後30年にマグニチュード7が50%という評価も出されておりますので、地震による建屋崩壊で使用済み燃料の放射性物質が大量に拡散放出される危険性は変わってないという現状があるかと思います。
その意味で、改めて、損傷の大きい3号機燃料の優先的な取り出しを東京電力に申しれるべきではないか、市長の御所見を伺います。
—答弁(市長)
 今ほど、佐藤議員がご指摘のように、きちんと、今後もある可能性が十分考えられますので、あらゆる機会をとらえて、国、東京電力等に訴えて参りたいと考えております。

2点目は、原発作業員の労働環境、処遇の改善について、です。

福島第一原発構内で働いていた自動車整備士が長時間労働による過労が原因で亡くなり、昨年10月、いわき労働基準監督署が労災認定しました。

原発作業員の現状について、本市からの入構を含めて、福島第一原発構内に入構している協力会社とその作業員の数について、本市はどのように把握しているか、お尋ねします。
—答弁(危機管理監)
 東京電力によりますと、福島第一原発に入構している協力会社の数は本年2月時点で134社であり、廃炉作業に従事している作業員の人数は本年2月において、一日平均、約4,300人であると聞き及んでおります。

⑥次に、労働災害の実態について、事故発生以来、これまで収束作業の中で、通勤災害から作業中の死亡災害、過労死による労災認定など、本市は労働災害の実態をどう把握しているか、お尋ねします。
—答弁(危機管理監)
 東京電力によりますと、福島第一原発事故以降、敷地内で発生した人身災害につきましては、平成31年1月末時点において157件であり、そのうち、作業中の死亡災害については3件であると聞き及んでおります。
 また、新聞報道によりますと、福島第一原発で働く作業員の方が過労死による労災認定を受けたケースが2件あると把握しております。

原発作業員の労働環境、処遇改善の働きかけについて、いわゆる危険手当の完全支給、賃金の改善はじめ救急医療、放射線被ばく管理など、本市として労働環境改善に向けた働きかけを強めるべきではないか、お尋ねします。
—答弁(危機管理監)
 市といたしましては、今後数十年に及ぶ福島第一原子力発電所の廃炉作業を、市民生活への影響が無いよう、安全かつ確実に進めるためには、作業環境の改善や作業員の確実な確保が重要であると考えておりますことから、作業員の人的な確保や健康管理などを含めた、適切な作業管理の徹底等について、これまでも東京電力に対して申し入れを行っており、直近では、先程市長が答弁申しあげましたとおり、先月6日に、市長自ら、その旨を申し入れたところであります。
 廃炉作業におきましては、今後、使用済み燃料や燃料デブリの取り出し作業など、空間放射線量率が高い環境下での作業が増えることも予想されますことから、東京電力に対して、より一層、作業員の安全管理を徹底するよう、求めて参りたいと考えております。

今ほどの御答弁でありますが、東京電力は、過労死遺族に対し誠意ある対応を求める市民団体との交渉で「作業員と直接雇用関係にはない」と、頑なに発注者責任、これを逃げているという現状がございます。多くのいわき市民が福島第一原発の構内作業に従事している以上、本市は、東京電力に対し労働環境の改善を、これまでも求めていますが、改めて強く申しれることが必要なのではないかと思います。繰り返しになりますが、実際に、いわき市民がこの作業に多く従事しているということを鑑みれば、この際、改めまして、市長の強い決意をお聞きできればと思います。
—答弁(市長)
 先ほど答弁申し上げました通り、先月6日に私自ら、東京電力本社を訪れ、小早川代表執行役社長に対し、直接、廃炉作業における被ばく低減対策に取り組むとともに、作業員の人的な確保や健康管理なども含め、適正な作業管理を徹底するよう申し入れたところであります。
 今後におきましても東京電力に対して、より一層、作業員の安全管理を徹底するよう求めて参りたいと考えております。

この問題は、民事裁判に持ち込まれていますし、家族・遺族、多くの方が一人の作業員の肩にかかって生活しているということもありますので、市民の命と健康を守っていくということで、努力していただくよう、重ねて要望いたしまして、次に進みます。

3点目は、放射線副読本(平成30年10月改訂)の問題点と取り扱いについて、です。

昨年10月、文部科学省は、放射線副読本を2億円かけて改訂し、全国の小・中・高等学校に配布しました。

⑧まず、30年改訂放射線副読本の問題点について、改訂により、放射線の日常性や利用性を示す情報が復活し、復興の様子を示す情報や被曝による健康影響を楽観視する記述が追加されましたが、その一方で事故を起こした原発の写真や汚染地図、国際原子力事象尺度レベル7や被ばく線量と健康影響との間の比例関係、子供の被爆の感受性などが削除されています。平成26年改訂の際に指摘された「国の責任」「事故の深刻さを伝える情報」「汚染や被曝による人権侵害の状況」「放射線防護」などの記述がない問題点も改善されず、むしろ改悪されたことについて、本市はどう捉えているのか、お尋ねします。
—答弁(教育長)
 市教育委員会といたしましては、改定された副読本は、児童生徒が発達段階に応じて、放射線に関する科学的な知識を身につけ、理解を深めるための指導資料の一助として作成されたものと認識しております。
 しかしながら、議員のご指摘の通り、原発事故当時の様子や事故の深刻さを伝える情報等、副読本では十分でない内容もあるため、実際の指導にあたってはそれらの内容が取り上げられている福島県教育委員会作成の放射線等に関する指導資料との併用を図ってまいる考えであります。
 
⑨次に、本市での児童生徒への配布や活用については、福島第一原発事故による原子力緊急事態宣言が解除されない状況下では、副読本の誤った知識を教えるのではなく、慎重に取り扱い、人権を守る立場から、児童生徒が原発事故の現実と向き合う、放射線防護教育を進めるべきではないか、お尋ねします。
—答弁(教育長)
 児童生徒が原発事故の現実と向き合う、放射線防護教育を進めることについては、各学校において、これまでも放射線に関する知識・技能の習得を図るとともに児童生徒の発達段階に配慮しながら、放射性物質を取り込まない方法、放射線から身を守る方法、事故が起きた場合の防護や避難の仕方などについて、市内大学等から講師を招聘したり福島県環境創造センター内にあるコミュタン福島での体験学習を取り入れたりするなどして指導を進めてきたところでございます。
 市教育委員会といたしましては、放射線に関する教員の指導力向上に向けて今後も県教育委員会と連携しながら防災教育や道徳教育、人権教育と関連づけた研修を進めてまいります。

 改訂放射線副読本については、原発事故を反省する姿勢が後退しているという指摘が続いています。本市としては、人権を守る立場から慎重に取り扱い、しかもなお、廃炉作業が続く中では、先ほども申し上げましたように、長期評価の中で、地震の確率がマグニチュード7で50%という評価で出ている現状にありますので、人権を守る立場で防護教育を行っていく立場で慎重に取り扱っていただくよう要望して、次に進みます。

一般質問報告1ー第一原発事故の現状、作業員の労働環境、放射線副読本_e0068696_9403240.jpg

by kazu1206k | 2019-03-01 23:45 | 議会 | Comments(0)

佐藤かずよし


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