4月16日、いわき市議会創世会の行政視察で、静岡県静岡市に伺いました。
調査事項は、「静岡市子どもの貧困対策推進計画」について」です。
いわき市における子どもの貧困について、平成29年実施の福島県子どもの貧困に関する実態調査でのいわき市分の結果を見ると、県全体と比較して、児童扶養手当及び生活保護を受給している世帯、いわゆる要支援世帯で、地域とのつき合いの程度で「余りつき合っていない」「全然つき合っていない」と回答した世帯割合が高く、子供に受けさせたい教育でも短大、大学までの回答割合が低く、高校までと回答した割合が高いことなどが顕著な傾向となっています。
いわき市は、子どもの貧困対策庁内連絡会議で、国・県、他市の取り組みなどを情報共有しながら、国の子供の貧困対策に関する大綱に位置づけられた生活保護世帯に属する子供の高等学校等進学率、スクールソーシャルワーカーの配置等の指標に基づき、子供の貧困対策を総合的に推進するため、平成27年度から5カ年計画の市子ども・子育て支援事業計画=こどもみらいプランの見直しとあわせて、平成29年度に子どもの学習支援事業、未来につなぐ人財応援事業等、平成30年度にみんなの居場所づくり事業を位置づけました。
こうした本市の現状の改善を図るために、貧困の連鎖をたちきることが重要として、「教育の支援、生活の支援、保護者の就労の支援、経済的支援」の4つの体系に沿った取り組み、「きづき、つなげ、とどける」3つの重点取り組みを進める、「静岡市子どもの貧困対策推進計画」を調査しました。
静岡市子どもみらい局子ども未來課企画係の担当者さんから、ご説明いただきました。
以下は、その概要です。
・平成25年、組織設置
⒈計画の経緯
①子どもの貧困対策に関する施策について
・静岡市子どもの貧困対策推進計画を基本施策のひとつに位置づけ
・平成25年法施行後、関係部局協議。平成26年大綱後、関係課長会議開催。施策パッケージを10月児童福祉専門分科会で審議。市長以下、関係部局勉強会開催。
・平成27年、市子ども・子育て支援プランの制定。
⒉見直しの経緯
・平成28~29年度、市総合教育会議において、子どもの貧困対策を議題に。
ー実態調査の結果、総合教育会議の議論の反映させるため計画の見直しへ。
ー学校をプラットホーム化、スクールソーシャルワーカーの位置づけ。
⒊静岡市子どもの生活実態調査から見えてきた課題
・市民アンケート調査〜一般調査と制度利用者調査。サンプル調査、回収率38%。
・支援者ヒアリングアンケート調査
・課題ー学び、進学就職、体験経験や居場所、生活習慣、就労、経済状況、ひとり親家庭、支援制度。
⒋基本的考え方と4つの体系に沿った取り組み内容
・貧困の連鎖をたちきることが重要。
・教育の支援、生活の支援、保護者の就労の支援、経済的支援。
⒌3つの重点取り組みと成果指標
・「きづき、つなげ、とどける」
・学び体験の支援と第三の居場所づくり、経済的支援、支援体制の充実
・成果指標ー相談者の改善率、ひとり親家庭の高校等進学率、スクールソーシャルワーカーの支援人数、奨学金貸与、ひとり親家庭の親の正規就業率
⒍今後の課題
・子どもの貧困の連鎖を断ち切るため、長期にわたる取り組み
ーSDGsの貧困をなくす、視点を計画に盛り込み
ー計画見直し、静岡県立大など専門家からのアドバイス