燃料取り出し、防潮堤、労働環境・過労死で東電交渉
2019年 05月 10日
今回は、「福島第一原発事故の収束、労働環境の改善、同第二原発の廃炉、日本原電への資金援助中止、事故被害者への賠償を求める要請書」(3月18日提出)と福島第一原発事故収束作業等に係る労働者の過労死の事実関係などについて、東電側の回答と質疑が約2時間を超えて行われました。
時間の関係で3月要請書の5項目のうち、「第二原発の廃炉」「日本原電への資金援助中止、事故被害者への賠償」についての2項目、さらに労働アンケート調査やトリチウム等汚染水などほかの回答と質疑は、次回に持ち越しました。
要請項目と回答、質疑のやり取りの概要は、以下の通りです。
⑴福島第一原発事故の収束、労働環境の改善、同第二原発の廃炉、日本原電への資金援助中止、事故被害者への賠償を求める要請書への回答と質疑
1、福島第一原発における中長期ロードマップ、核燃料取り出し、防潮堤建設等を確実に進めること。
ー東電回答
福島第一原子力発電所の廃炉にあたっては、中長期ロードマップ等を踏まえ、国内外の英知や、地元をはじめ多くの関係者のご協力を得つつ、当社が主体となり、使用済み燃料プールからの燃料取り出しや防潮堤建設等も含め確実に進めてまいります。
ー市民:3号機はじめ核燃料の取り出しについて、現状と見通しは?
ー東電:3号機の未使用7体は、4月25日に共用プールに輸送完了。7月以降566体を2年間かけて取り出し。1号機は2021年にカバー取り外し23年度取り出し開始25年度完了。2号機は23年度取り出し開始24年度完了。
ー市民:防潮堤建設については、どうか?
ー東電:防潮堤は、1号機から4号機の海側につくる。現在4号機前にアウターライズ地震に対応するものがある。8.5m盤に1m嵩上げし、1.5mのL字型の防潮壁を整備して、11m高にする。現在、準備作業中だ。
2、トリチウム等のタンク貯蔵汚染水の海洋放出はやめ、陸上保管による恒久的対策を確立すること。
ー東電回答
多核種除去設備等で処理した水の扱いについては、国の「多核種除去設備等処理水の取り扱いに関する小委員会」において、風評被害など社会的な観点等も含めて総合的な検討がなされており、その議論を踏まえ、国から大きな方向性が示されると認識しております。東電HDは示された方向性を踏まえ適切に対応いたします。
ー市民:小委員会の議論の進捗状況をどう把握しているのか?
ー東電:経済産業省のHP上の情報で理解している。
3、危険手当の完全支給、賃金、救急医療、被ばく管理など作業員の労働環境と処遇の改善を行うこと。
ー東電回答
これまでも作業員の労働環境と処遇の改善に取り組んでまいりましたが、引き続き改善に努めてまいります。
ー市民:福島労働局は、廃炉作業と除染作業の事業者の労働基準関係法令違反の違反率が増えて(廃炉作業315件で前年比14.7ポイント増・除染作業299件で17.2ポイント増)、監督指導した案件が増えていると公表したが、こうした現状では、東電として一歩踏み込んだ対応が必要ではないか?
5、日本原子力発電東海第二原発への資金援助をやめ、事故被害者の賠償請求に完全に応じること。
ー市民:整備工場の登録人数10人で1班何人体制のローテーションか?