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福島原発震災情報連絡センター第9回総会

 5月16日、自治体議員による「福島原発震災情報連絡センター第9回総会」がいわき市で開かれました。箕面市、静岡市、柏崎市、刈羽村、新潟市、東京都内の各区各市、千葉県内の各市そしていわき市などから、被災者への支援活動を継続してきた全国の自治体議員が参加しました。
 福島原発震災情報連絡センターは、全国の自治体議員の有志により、原発震災で放射能汚染と被曝を強制される人々の生存権を守ることを目的に、2011年10月26日に設立。以降、「(仮称)福島原発被曝者援護法」制定プロジェクトやウクライナ現地調査の実施、「『原発事故子ども・被災者支援法』推進自治体議員連盟」の結成、継続的な政府交渉などの活動を行い、「原発事故子ども・被災者支援法」(以下、「支援法」)の骨抜きに抗し市民団体と連携して「原発事故被害者の救済を求める全国運動 実行委員会」に参加し、国会請願署名などにも取り組んできました。
 総会では、東日本大震災から8年を経て、福島第一原子力発電所事故による原子力災害はその深刻さの度合いを増していること。2011年3月11日に出された、政府の原子力緊急事態宣言は解除されず、事故収束の見通しも立たず、放射性物質を大気と海洋に放出し続け、連日4,300人の労働者が事故収束作業に従事、多重下請け構造の下で、過労死など労働法令違反事件も深刻な中で、「支援法」の具体的施策が進められないまま、避難者への住宅支援の激減緩和措置も2019年3月末で打ち切られ、多くの避難者が深刻な事態を迎えた現状で、諸団体と連携し、引き続き被災者の「生存権」の確立・保障にむけて、各議会での意見書採択、国会議員との意見交換や政府交渉・予算要望などの活動を展開してきた18年度を振り返りました。
 その上で19年度は、福島現地の現状と課題への認識を深め、被災者の「生存権」の確立・保障に向けた活動を継続すること、被災地域や被災者の実情把握と支援に関わる課題の整理、現地調査を行い、福島県内の空間線量率のモニタリングポスト(リアルタイム線量測定システム)の継続配置を求めること、自治体議会での意見書、政府・国会への要請・交渉行動などを、自治体議連や全国運動と連携して活動を強化することを確認しました。

 総会後は、以下のテーマで講師を迎え研修を行いました。
(1)報告:除染廃棄物の処理、焼却と再利用問題ー和田央子さん(放射能ゴミ焼却を考える福島連絡会)
 「日本政府は放射能汚染ゴミをどのように処理しているか」と題して報告。福島原発事故前は、原子炉等規制法のクリアランス基準が100ベクレル/kg、事故後は「放射性物質汚染対処特措法」で8000ベクレル/kg以下は焼却・埋め立て、再利用へ。8千億円を超える予算を投じ除染廃棄物の仮設焼却場が建設しては解体されている。廃棄物は全国の公共事業での再利用、8000ベクレル/kgから10万ベクレル/kgの汚染廃棄物は管理型処分場に。焼却処分に伴う健康や環境影響など危険な現状が報告され、「これらの業者は原発関連業者が多く、もともと原発で儲け、原発事故処理で儲けてさらに復興事業で儲けるという、何重にも儲かる仕組みになっている」と。
(2)報告:福島第一原発過労死裁判ー裁判原告(ご遺族)
 2012年から福島第一原発内で自動車整備の仕事をして過労死した猪狩さんのご遺族にお話しいただきました。2017年、防護服・全面マスクのまま倒れ、帰らぬ人となった猪狩さん。倒れたときは放置同然、その後の遺族への説明も東電は拒否。遺族は「二度と過労死、事故死を起こさないためにも、真実を知り、責任の所在を明らかにしたい」と裁判を起こされた。夫が「なぜ死ななければならなかったのか」を調べていくうちに、「虫けらのように、物のように扱われている原発で働く作業員」の実態が明らかになり、夫の死をきっかけに「真実を知りたい、家族は知る権利がある、二度と再び起こしたくない」という一心で裁判に訴えたお連れ合いと妹さんの迫真の報告でした。
(3)報告:福島県の漁業の現状と汚染水問題ー野崎晢さん(福島県漁業協同組合連合会会長)
 福島県の漁業は、潮目の海の恩恵を受け、震災前は、約200種もの多彩な魚介類の水揚げ。震災被害と施設の復旧の一方で、事故の影響により国から44種類の出荷制限(本年4月現在5種類に減少)。今年で8年を迎えた試験操業。福島県漁連では、福島県のモニタリング調査、福島漁連の基準(国基準の半分)、市場の自主検査の3段階の検査体制で、安全を確認して出荷しているが、平成30年の水揚げ量は震災前の15%の低水準であること。大きな課題は漁業と汚染水の問題で、野崎さんは「原発事故さえなければと思うが、しかしこの状況の中で自分たちの本業である漁業を続けていくしかない」「負のアドバンテージを持ちながら福島の漁業を再構築していきたい」「すべてに矛盾はあるか矛盾を受け止めて生きる」と現状の矛盾と苦悩を語るとともに、「トリチウムなどとんでもない。汚染水は海洋放出ではなく、あくまでも陸上で処分すべき」と話しました。

 翌5月17日は、被災地スタディーツアー。午前は、木幡ますみさん(大熊町議会議員)のガイドで、定点観測を軸に、楢葉町の特定廃棄物最終処分場、富岡町の避難指示解除区域や東京電力廃炉資料館、大熊町の復興再生拠点や大熊町役場など帰還促進下の現状を探る視察を実施。午後には、いわき放射能市民測定室たらちねのアトリエ「ワルンペ」やラボそしてクリニックを見学しました。

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by kazu1206k | 2019-05-20 22:08 | 議会 | Comments(0)

佐藤かずよし


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