一般質問の項目、18日午後3時10分から
2019年 06月 14日
私の一般質問は、6月18日(火)午後3時10分から40分間です。
以下に、質問項目の内容をお知らせします。
6月定例会 一般質問 項目 2019.6.18
1、 いのちを守る、原子力損害賠償と子育て環境の整備について
(1)福島第一原発事故による損害の賠償請求権の消滅時効の延長について
福島県弁護士会は、本年3月11日、事故から8年目を迎えるにあたっての会長声明で次のように述べています。
「本件原発事故による損害賠償については、極めて多数の被害者が存在すること(原子力損害賠償紛争審査会の指針類で賠償請求が認められた被害者は100万人以上にのぼる)、個々の被害者に性質や程度の異なる損害が同時に、かつ日々継続的に発生していること、長期の避難生活等の事情により、損害額の把握やその算定の基礎となる資料収集に支障をきたす被害者が存在すること、ことに不動産等の賠償については、数次にわたる相続関係の処理等に長期間を要する事例があることなど、一般的な不法行為に基づく損害賠償とは異なる特殊性がある。このような特殊性からすれば、特例法による時効期間の特例にもかかわらず、このままでは賠償請求権が時効により消滅してしまうという事態が生じることが強く懸念されるところである。特例法の国会審議の過程では、衆議院文部科学委員会において、全会派一致で「政府は…当該原子力損害の状況及び当該原子力損害の賠償の請求その他の賠償の実施の状況について定期的に確認し、その結果等を総合的に勘案して、必要があると認めるときは、当該原子力損害の賠償請求権に係る事項に関する法制上の措置を含め、所要の措置を講ずること」とする決議がなされているところであり、内閣及び国会は、この決議に従い、賠償実施状況の詳細な確認や時効期間の再延長も含めた法的措置等についての検討を行うべきである。」
事故発生から8年が経過した現在においても、現状では、10年と定められた原発賠償請求権の消滅時効の延長を検討する必要があります。そこで、以下、伺います。
ア、 東京電力の損害賠償に関する本市の認識について、被害者への賠償を進める原子力損害賠償紛争解決センターの和解案を東京電力が拒否し、手続きを打ち切られた住民は1万7千人にのぼり、多くの被害者が和解の提示を受けながら賠償を受けられずにいます。また、全国で1万2000人以上の被害者が訴訟を起こしています。本市の被害をはじめ民間事業者や市民の被害に対する東京電力の損害賠償の実情をみて、本市は、東京電力が被害に対する必要十分な賠償を実現していると認識しているか。
イ、 損害賠償に対する東京電力の不当な対応について、東京電力は賠償資金を原子力損害賠償・廃炉等支援機構から援助されるにあたり、自ら「和解案の尊重」を含めた「3つの誓い」を掲げており、本市は、改めて、東京電力に対し、今一度自らが掲げた誓いに則った誠実な賠償を履行するよう求めるべきではないか。
ウ、 損害賠償請求権の消滅時効の延長について、「原子力損害賠償紛争解決センター活動状況 報告書~平成29年における状況について~」では、29年度でも「初回申立ての件数は830件、その中には、本件事故直後に発生した損害の賠償請求がされたものも認められる」とされ、何らかの事情で賠償請求権の行使が困難で、原発事故直後に発生した損害の賠償請求権を行使できていない原発事故被害者が相当数存在する可能性があります。この状況から、10年と定められた原発賠償請求権の消滅時効の延長の必要性に鑑み、消滅時効終期の再延長の要否について判断するために、本市は、国に対し、原発事故による損害を受けた被害者の賠償請求権行使の実態についての調査並びに消滅時効の再延長の検討を求めるべきではないか。
(2)待機児童の解消に向けた保育士・幼稚園教諭等の人材確保策の強化について
待機児童の解消に向けては、「保育の受け皿づくり」と「保育人材の確保」が喫緊の課題です。改めて、保育士・幼稚園教諭等の人材確保策について、本市と同じ中核市や県内他市を調査したところ、人材の市外流出をくい止めようという、各自治体がシノギを削って様々な施策を講じており、本気度が伝わってきました。そこで、以下、伺います。
ア、「いわき手当」等の創設について、3年連続待機児童ゼロの松戸市では、市内で働く保育士に施設の給料とは別に、「松戸手当」として、勤続年数に応じて月額45,000円から72,000円を支給しています。こうした自治体からの手当支給制度は、宇都宮市が勤続年数に応じて月額1,000円から25,000円、川口市では月額2,000円から28,000円、船橋市では保育士が月額42,330円・期末手当75,060円、幼稚園教諭が月額16,290円・期末手当75,060円、大津市では勤続年数に応じて月額5,000円から9,000円、豊中市では月額20,000円などと、中核市58市中16市で整備されています。県内でも、喜多方市が月額5,000円の手当支給を実施しています。この際、待機児童をなくし保育の質を向上させるために、市内で働く保育士等に、本市からの手当支給制度を検討すべきではないか。
イ、家賃補助制度について、保育士の人材確保、就業継続、離職防止、市外流出を防ぎ、定住を促進して、働きやすい環境を整備する目的で、保育所等の経営者に対し、保育士の宿舎借り上げを実施する費用補助を行う、保育士宿舎借り上げ支援事業が、国の保育対策総合支援事業費補助金などの財源を活用して、各地の自治体で実施されています。枚方市・八尾市・寝屋川市・尼崎市などでは10年目まで月額上限82,000円を補助するほか、新規採用者に5年間月額上限82,000円の補助やその4分の3を乗じた金額など、中核市58市中22市で家賃補助制度があります。県内でも、福島市、相馬市が月額82,000円に4分の3を乗じた金額、二本松市が月額82,000円、南相馬市が月額70,000円など13市中4市に家賃補助制度があります。この際、本市としても、国の保育対策総合支援事業費補助金などの財源を活用するなどして、保育士等の人材確保に向けた家賃補助制度を整備すべきではないか。
ウ、国の平成31年度予算における保育士等の給与1%処遇改善策について、市内の保育士等に1%、月3,000円相当の賃金改善が行き渡るように、本市としてどのように対応するのか。
2、スタジアムを中心としたまちづくり事業について
昨年、本市は、スタジアムを中心としたまちづくりの具体的な議論を進めるため、調査委託業者PwCアドバイザリー合同会社に対し、スタジアムの機能や規模、整備候補地、建設のための資金調達や管理・運営方法等について、事業可能性を評価し、まちづくりの観点からスタジアムビジネスの成立可否も含めた検討を依頼。同社から報告書が3月末に提出されました。これを精査し、6月3日に「いわき市スタジアムを中心としたまちづくり事業可能性調査報告書」が公表されました。そこで、以下、伺います。
(1)事業可能性調査報告書及び専門家会議について
ア、 調査報告書の総括について、報告書では、スタジアム整備の必要性、スタジアムの使用とコンテンツ、コンセプトに紐づけられるスタジアム機能と立地特性、用地に関する留意点、交通インフラに関する留意点など、調査の取りまとめを行い、スタジアムの事業性について、「事業の採算性を確保する余地もある」としながら、「施設単体で大きな収益を生むことは難しいと判断」、「厳しい収支状況が見込まれる」としていますが、それでも事業を推進する考えなのか。
イ、 調査報告書の今後の課題について、「本事業を具体的に進めるに当たっては、スタジアムの整備・運営に必要な資金をどのように調達していくかが課題」とされますが、「厳しい収支状況が見込まれる」状況で、誰が調達できるのか。
ウ、 「収益性」の高いスタジアムビジネスモデルの構築について、「厳しい収支状況が見込まれる」スタジアムの管理運営で、スタジアムの管理運営コストの回収のみならず、建設コストまでの回収が出来る「収益性」の高いスタジアムビジネスのモデルが、本市の立地特性の中で現実的に構築できるのか。
エ、 いわき市スタジアムを中心としたまちづくり専門家会議について、「スタジアムを中心としたまちづくり部会」及び「スタジアム部会」の協議の結論は、「施設単体で大きな収益を生むことは難しい」という調査報告同様、「厳しい収支状況が見込まれる」が、事業を進めよ、という結論なのか。
オ、 本市の財政支出による市民生活等への影響について、総合政策部長は2月定例会で、「スタジアム整備は基本的には、いわきFCを運営する株式会社いわきスポーツクラブ及びその親会社である株式会社ドームなど民間事業者等が主体となって行われるべきもの」と答弁したが、本調査報告では、大規模なスタジアム整備は、一大プロジェクトであり、周辺の社会インフラの整備等、市民生活等へ大きな影響を及ぼすとしており、本市の財政支出が想定されているのではないか。
カ、 今後の対応について、スタジアムの事業性では「施設単体で大きな収益を生むことは難しいと判断」し「厳しい収支状況が見込まれる」との評価のもとで、事業実施を追求することは、地方自治法第2条14項の「地方公共団体は、その事務を処理するに当たっては、住民の福祉の増進に努めるとともに、最少の経費で最大の効果を挙げるようにしなければならない。」との基本原則から逸脱することにならないか。
3、 いわき市の再生と地域課題の解決について
(1) 新たないわき市総合計画の策定と共創のまちづくりについて
本市は、現行「総合計画」が2020年度で終期を迎えるため、2018年度より新たな総合計画の策定作業に向けて、市内各界各層の方々で構成する「いわき市総合計画審議会」を設置しました。本市の共創のまちづくりを実現するために、以下、伺います。
ア、 新たないわき市総合計画の策定の進め方について、次期計画策定の方向性、諮問から答申までのスケジュール、市民意見の反映、議会との協議など、いわき市総合計画審議会の審議状況を踏まえて、どう進めていくのか。
イ、 共創のまちづくりを実現する地域自治システムについて、平成30年6月定例会での質問に対し「本市の実状に応じた共創による効果的なまちづくりの仕組みの構築が求められてくることから、次期総合計画の主要な検討テーマの一つとして捉えて参りたい」との部長答弁だったが、共創のまちづくりを実現するために、地域の声を的確に行政に反映させ、地域課題を地域自らが考え実行できる、「地域のことは、地域で決める」仕組みを、財源と権限も含めて、いわき版の地域分権型地域自治システムづくりとして、取り組むべきではないか。
ウ、 シンクタンク=『共創ラボ』を位置付けることについて、いわき商工会議所地域振興委員会内の「いわき政策塾」が「明日の元気な『いわき』に向けた提言」を公表しました。人口減少といわき創生総合戦略を前提に俯瞰して、「中核市としての特徴がなく一般的な地方都市」と本市の現状を分析、課題は「『人』資源の確保・育成・活用」「『共創のまちづくり』の実践」「産業・ビジネスの新展開」「コンパクトシティ形成への対応」とし、公民連携による調査研究機関=「共創のまちづくり」を実践する新たな機関「(仮称)いわき共創ラボ」の創設を提案しました。わたくしも以前からシンクタンク創設を提案してきたところですが、総合計画にシンクタンク=公民連携による調査研究機関の創設を位置付けるべきではないか。
(2) (仮称)阿武隈南部風力発電事業と本市の風力発電施設ガイドライン等の整備について
本市における陸上風力発電事業は、平成31年3月末現在において、7事業・最大154基の風力発電機の設置が計画され、計画中の事業の環境影響評価法に基づく手続状況は、計画段階環境配慮書の段階が1事業、方法書の段階が3事業、準備書の段階が3事業となっています。
このため、平成18年に、環境と地域に配慮した合意形成に向けて「浜松市風力発電施設に関するガイドライン」を策定し、平成29年度から環境省の委託により、地域とのトラブルの回避、風力発電に適さない土地への事業計画を事前に防ぐこと等を目的に、法的規制・生態系等の環境面、地域理解等の社会面、施工環境等の事業性を総合的に評価して、環境保全を優先すべきエリア、風力発電導入が可能なエリア等に分けるゾーニングをまとめた「浜松市風力発電ゾーニング計画書」と「風力発電ゾーニングマップ」を平成31年3月に公表した、浜松市を会派として調査しました。浜松市は、風力発電について、ここ2年で「導入促進」から「適正導入」に転換しています。そこで、以下、伺います。
ア、 (仮称)阿武隈南部風力発電事業への住民の懸念について、4月20日、小川町区長会の要望により(仮称)阿武隈南部風力発電事業説明会が開催され、事業者から風車配置を43基から28基に減らす再検討案や土砂流出等を防ぐ詳細設計の考え方が示されました。住民からは自然環境と土地の改変による雨水流下量の増加、土砂流出などへの懸念の声や建設反対の声が上がり、6月6日、市長に対し「小川地区における風力発電事業に係る安全・安心の確保と地域振興策の構築について要望書」が提出されました。周辺住民はじめ市民から、周辺住環境の保全と災害の未然防止、国内希少野生動植物種や生態系の保護、環境への影響の回避を求め、計画見直しや反対の声が続いています。本市は、こうした住民の声にどう応えるのか。
イ、 (仮称)阿武隈南部風力発電事業への対応について、現在、事業者は経産大臣勧告を踏まえた事業計画を作成中で、2019年度に、風車配置の検討、基礎設計、防災設計等の詳細設計及び環境調査を行うとしています。本市は、住民はじめ市民の声を踏まえ、更なる風車配置の再検討と土地造成や進入路建設による災害の未然防止を図る基礎・防災設計、生活環境と野生希少生物など自然環境の保護を図る環境調査の実施、紛争の未然防止に向けた行政区等との書面同意などを求めて、事業者に対し、特に申し入れるべきではないか。
ウ、 本市における風力発電施設に関するガイドラインの整備について、浜松市風力発電施設に関するガイドラインは発電設備容量が1,000kW以上で環境影響評価の対象事業になる場合には、行政区や自治会の同意を書面で得るものとしています。紛争の未然防止のために、建設等に当たり、事業者は、事前に近隣住民等に対し十分な説明を行い、発電設備容量1,000kW以上で環境影響評価の対象事業になる場合は、自治会等の同意を書面で得るものとする、本市の風力発電施設に関するガイドラインを整備すべきではないか。
エ、 本市の風力発電ゾーニング計画の策定について、浜松市の風力発電ゾーニング計画は、浜松市全域における陸上風力と洋上風力に係るゾーニングを行い、地域住民の理解の上で、立地を避けるべきエリア、導入が見込まれるエリアとその課題を明確にし、地域共生の上にたった風力発電の適正な導入を促進することを目的にしています。風力発電を円滑に導入するための手法として、環境面だけでなく経済面、社会面も統合的に評価して、地域住民の理解の上で、立地を避けるべきエリア、導入が見込まれるエリアとその課題を明確にし、本市における地域共生の上にたった風力発電の適正な導入を促進することを目的に、本市の風力発電ゾーニング計画を策定すべきではないか。