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ひだんれん、内堀知事に抗議「人権を無視した『2倍請求』を直ちに止めて」

 9月12日、原発事故被害者団体連絡会(ひだんれん)は、内堀雅雄福島県知事宛ての抗議声明 「人権を無視した『2倍請求』を直ちに止めてください。」を提出しました。
 福島県は、避難を継続する世帯には最後まで寄り添うとしていますが、その言葉とは真逆の、原発事故で国家公務員宿舎に避難し続けている5世帯を訴える方針を決めました。2018年度で、低所得者向けの家賃補助を打ち切り、国家公務員住宅から退去できない入居者に2倍の家賃を請求し、年収300万円の世帯に月15.5万円の損害金請求が送りつけられているのです。その上で、福島県議会の9月定例会に、2年前の「セーフティーネット契約」を結ばず入居を続けていた5世帯を提訴する議案を提出しました。
 提訴されようとしている5世帯のうち、『通訳などで働いていた50代の男性は、避難生活の中で心身を壊し、障害者手帳を取得。「訴えられることで、ますます不安になっている」と話していました。2013年に甲状腺クリーゼで入院。持続性気分障害にもなりました。「障害で働けない。次の住居が決まれば支払いのめどがたつので待ってほしい」と県に訴え、都営住宅に8度申し込んだが落ち続けました。行き場のない障害者にも住宅提供を打ち切り、さらに提訴する。配慮はないのでしょうか。』(朝日新聞青木美希記者)
 これまで、国は、ひだんれんなどとの政府交渉で、2年間の経過措置は福島県が決めたことで、「福島県のやり方を尊重する」と国がやらない理由にしていましたが、実は財務省が国家公務員宿舎の損害金の請求に関して指導していたことが、情報開示請求で判明しました。「国家公務員宿舎の自主避難者に対し、2017年3月に無償提供が終了した後、一部は経過措置として2年の入居が認められた。福島県は期限を決めることに難色を示していたが、2016年、財務省が退去の「説得をしやすい」として期限を示すよう求め、その後2年の期限を設定した。国はこれまで『県の要請があれば経過措置の延長を検討する』と説明してきたが、実はその期限を国が求めていた」というものです。
 声明では、『事態はもはや、原発被害者の生死に関わる重大な局面に立ち至っています。私たちは、取り返しのつかない不測の事態を招くことを恐れています。今からでも遅くはありません。内堀知事は、「2倍請求」を直ちに止めて撤回し、「追い出し」ではなく、文字通り「個々の事情に寄り添った」住宅確保・保障策を早急にとることを重ねて要求します』としています。

抗議声明
人権を無視した「2 倍請求」を直ちに止めてください。


福島県知事 内堀雅雄 様                    2019 年9月 12 日

 福島県は、原発事故によって8年余にわたる避難生活を強いられ、精神的にも肉体的にも、 経済的にも限界に達している避難者に対し、生きていく上での最低条件である住宅を、なぜ奪おうとするのですか。
 国家公務員宿舎を退去できないでいる世帯に対し、県当局は7月、8月、9月と立て続けに退去通告と懲罰的な「2倍家賃」の請求書を送付しています。担当者は、報道関係者の取材に対し、「最後の1人が退去するまで続ける」と言明したと聞いています。
 私たちは、2月、4月、6月、7月と4度にわたって、内堀知事あてに要請と抗議の書面を提出、国に対しても同様の要請を繰り返してきました。その中で、今回の措置が、被害者救済の責務を負う行政の本旨に反するばかりでなく、懲罰的な家賃2倍相当の「損害金」を請求するという手段が、正当な根拠を持たず、憲法で保障された国民の生存権を脅かす暴挙であることを、理を尽くして主張してきました。しかし、知事はこれに対し一切の説明を拒み、担当部局は請求書を送り続けています。これでは、国家公務員宿舎からの避難者追い出しが、その目的と思わざるを得ません。
 県の言い分は、「契約書にそう書いてある。印鑑を押している」に尽きます。避難者が懸命にパート労働で得る月収の全額に等しい「罰金」としての損害金を、毎月請求し続ける。 それがどれほどに避難者を追い詰めていることになるか、想像できないのでしょうか。
 私たちは、ネット署名を続けると同時に、現在開会中の国連人権理事会にも実情調査を要請する文書を提出しました。国際社会に「福島の復興」を伝えようとしている県が、一方でこのような人権無視の行動をとっていることに、国内外から厳しい視線が注がれていることを認識してください。
 また、県当局は調停不調を理由に、5名の避難者に対して退去を求め提訴することを、今県議会に提案しています。訴訟以外の方法を探られたのでしょうか。
 事態はもはや、原発被害者の生死に関わる重大な局面に立ち至っています。私たちは、取り返しのつかない不測の事態を招くことを恐れています。今からでも遅くはありません。内堀知事は、「2倍請求」を直ちに止めて撤回し、「追い出し」ではなく、文字通り「個々の事情に寄り添った」住宅確保・保障策を早急にとることを重ねて要求します。
 私たちは、「1人の仲間も路頭に迷わせない」という決意のもとで、当事者が取るあらゆる正当な行動を支え続けます。
 福島県に置かれましても、困窮した県民を守る立場を取られることを、強く望みます。

原発事故被害者団体連絡会
共同代表 長谷川健一 武藤類子
連絡先:080-2805-9004

「避難の権利」を求める全国避難者の会
共同代表 中手聖一 宇野朗子
連絡先:080-1678-5562

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by kazu1206k | 2019-09-13 23:34 | 脱原発 | Comments(0)