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大規模風力発電を考える いわき市住民の交流会開く

 9月25日夜、「大規模風力発電を考える いわき市住民の交流会」が、いわき市文化センターで開かれました。いわきを変えるゾ市民の会の主催。
 いわき市における陸上風力発電事業は、平成31年3月末現在、7事業・最大154基の風力発電機の設置が計画され、環境影響評価法に基づく手続きが進んでいます。いわき市は事業者や県に対して、周辺住民の理解の醸成、環境全般への影響の回避・低減の上で、環境保全に十分配慮しながら進めるよう意見をしています。
 その一方、いわき市は、産業振興策として、県内・市内の風力発電施設の整備計画を踏まえ、風力メンテナンス業務等の風力関連産業を本市の基幹産業の1つとして育成するとして、福島イノベーション・コースト構想を進める国・県と連携を図り、市内企業の風力関連産業参入に向けた技術力・人材力を高める取り組みを進めています。
 しかし、陸上風力発電施設の建設工事による、大規模な自然環境の改変、土地の改変による雨水への影響、土砂の流出や周辺中小河川での土石流の発生、生活用水への影響のほか、山岳縦走ルートの登山道と景観の改変、長期間の工事による騒音等、隣接地域の生活環境への影響、希少野鳥の繁殖活動の阻害や動植物全般への影響等が考えられるため、市民の間では、計画地の周辺住民や自然保護団体、山岳愛好団体などから、周辺住環境の保全と災害の未然防止、クマタカなどの国内希少野生動植物種や生態系の保護、山岳登山ルートの確保、環境全般への影響の回避を求めて、風力発電事業計画の見直しの要望や反対の声が上がり、運動も進められてきました。集中立地の環境負荷が大きく、住民との紛争に発展する可能性もあり、住民合意と導入促進エリアと環境保全エリアのゾーニングの必要性が大きな課題になっています。
 集会では、パネリストの報告、質疑応答、意見交換が2時間以上にわたり活発に行われました。パネリストは、碇川寛さん(小川町)、東山広幸さん(遠野町の環境を考える友の会)、橋本孝一さん(福島高専名誉教授)、狩野光昭さん(市議)、佐藤和良(市議)、古市三久さん(県議)。
 碇川さんは小川地区の水害被害の経験、区長会が賛成したから住民が賛成したのではない、事業者に夏井川沿いの住民の声を伝えたいと話しました。東山さんは、入遠野地区は2つの風力事業が進み、低周波音、土石流の危険、飲料水の枯渇の不安、住民の意思を示す反対署名は世帯数の8割以上を集約し国県、森林管理署などに要望してきたと報告。橋本さんは、河川の流出量に関心があり、夏井川水系の分水界に風力発電施設の造成が問題、電力移出で地元にメリットがない、などと話しました。各議員からはいわき市議会や福島県議会での論議が紹介されました。
 参加した風力関連産業の事業主さんは、風力産業の盛んな「ヨーロッパまで行って色々交渉している。地元の雇用創出を目指すがなかなか難しい」と話し、川内村からの参加者は「事業者の説明会に、住民がいないから出席要請があり参加したら1人だった」などのエピソードも話しました。
 意見交換では、福島県やいわき市、森林管理署などに、「適正導入」「ゾーニング」などの要望書を提出しようなどの意見が出されました。
by kazu1206k | 2019-09-26 23:32 | 環境保護 | Comments(0)