遠野町、鮫川の氾濫決壊による浸水被害
2019年 10月 21日
いわき市内では夏井川水系での河川の氾濫、決壊による被害が広範囲ですが、鮫川水系でも氾濫、決壊による浸水被害が発生しています。
鮫川の高柴ダムの上流域にある、遠野町滝地区では、鮫川が大きく蛇行して、竜神峡から高柴ダムに至ります。この蛇行した形状のため、同地区の十三枚橋上流部や中井付近などで越水し、竜神峡の手前で決壊。上川原、新川原、川原、中井地区などで床上浸水などの被害が発生しました。
過去にも1986年の「8.5水害」などで浸水被害のあったこれらの地区では、12日夜、消防団の活動によって多くの住民は上遠野小学校に避難しましたが、同地区内の有料老人ホームに高齢者7人と職員1人が避難できず取り残されました。施設によると、午後9時過ぎから平屋の施設に浸水。下流の高柴ダムの緊急放水により、水位が低下した、13日午前4時頃に救助されています。竜神峡の紅葉祭りなどで利用されてきた「とおの湧水公園」も水没しました。
地区内の水田には濁流が流れ、大きく冠水し浸水により汚泥が堆積しています。上川原で床上浸水の被害を受けた農家には濁流が直撃、手塩にかけた、今年の新米50袋が水没してしまいました。悲嘆にくれる被災者は、悲しみを抱えながら、親戚の手を借りて後片付けを行なっていました。被災者からは、生活が再建できるよう、鮫川の治水対策を優先して欲しい、との切実な訴えをお聞きしました。生活再建のための住宅の確保も切実な課題です。公営住宅の提供についてお話ししました。