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排気筒解体、トリチウム等タンク貯蔵汚染水で東電交渉

 10月30日、脱原発福島ネットワークなど福島県内の10市民団体による、東電交渉(再開第50回)が、いわき市平の平26区集会所で開かれました。
 今回、「台風19号の被害で平送電所が使用できない」と東電側から前日に通報があり、急遽、ネットワーク側で会場を確保しました。開会後に「平送電所の会議室が年度内は使えない。法人が違うので今後も使えない可能性がある」との話でした。
 交渉は、9月11日に提出した 「福島第一原発1・2号機排気筒の解体、トリチウム等タンク貯蔵汚染水の陸上保管、同第二原発の廃炉に関する申し入れ書」に関する回答と質疑、さらに前回の再質問への東電側の回答と質疑が行われました。申し入れは、以下の3項目です。
 1、1・2号機排気筒解体は、工事延期の原因の本質と再発防止策を確立するまで作業を中止すること。
 2、トリチウム等タンク貯蔵汚染水は、海洋放出をやめ、陸上保管による恒久的対策を確立すること。
 3、福島第二原発は、使用済み核燃料の保管期間と安全対策、搬出先と搬出見通し、長期間の廃炉作業期間中の人材の確保など、安全対策に基づいた廃炉ロードマップと工程管理を明らかにすること。

●9月11日申し入れへの回答と質疑
1、1・2号機排気筒解体は、工事延期の原因の本質と再発防止策を確立するまで作業を中止すること。
・回答
 1・2号機排気筒解体における機器の不具合等については、都度、対策を講じながら工事を進めている。

・質疑
ー市民:1・2号機排気筒の線量について、説明願いたい。
ー東電:地上60メートルの塔身で外側5〜6メートル離れた地点で0.3msv/h。立ち入り禁止区域となっている基部で0.2msv/h。
ー市民:施工業者エイブルとの直接契約の理由は何か。
ー東電:解体を募集して提案に実効性があると判断して、エイブルに選定した。提案は複数あった。エアイブルト資本関係、人的交流はない。
ー市民:27日に発生した落下防止金具の落下は、どういうことか。
ー東電:第4ブロックの解体中に発生、切断する電線管が落下する可能性があるため、落下防止機具の作業を行なっていたところ、それを落とした。モックアップでは大丈夫だった。落下防止の金具の取り付け方を見直し再開する。第4ブロックは50%カット済みで、11月上旬に完了する予定だ。
ー市民:1・2号機排気筒の設計図はあるのか。
ー東電:事務本館にあったはず。持ち出せないので、電子化の作業を現在している。
ー市民:塔身の溶接部は硬いのでは。
ー東電:溶接線は熱効率で硬くなっているので、横きりではなく押し切りにしている。
ー市民:進捗率はどうか。
ー東電:塔身19ブロック+4ブロックで23ブロックの切断を、今年度末に予定している。若干遅れている。11月上旬の第4ブロックの解体後に見直しを図る。オリンピック開催中の作業停止は現在考えていない。

 2、トリチウム等タンク貯蔵汚染水は、海洋放出をやめ、陸上保管による恒久的対策を確立すること。
・回答
◯多核種除去設備処理水を含む処理水の扱いについては、国の小委員会での議論、その後の地元をはじめとした関係者の皆様のご理解・調整を踏まえ、国からの大きな方向性が示されると認識しており、当社としては、それを踏まえ、丁寧なプロセスを踏みながら、適切に対応してまいります。
◯また、処理水は、タンクで貯蔵し、しっかりと管理するとともに、処理水の正常や量などの情報をmポータルサイトを通じて、引き続き、国内外に丁寧に発信してまいります。
◯2020年夏頃には現在計画しているタンクが満水となる可能性があるため、発電所の敷地をどのように有効活用するか、タンクだけでなく、使用済み燃料及び燃料デブリの一時保管施設なども含めて、敷地全体の活用を検討してまいります。

・質疑
ー市民:海洋放出前に2次処理をするのか。
ー東電:海洋放出する場合は、間違いなくそうします。
ー市民:カーボン、テクネチウム含め9核種の分析を。
ー東電:1タンクあたり2〜3週間かかる。
ー市民:6月末でALPS処理水101万トンのうち告示濃度の1〜2万倍が78.1万トンでは。
ー東電:ポータルサイトで表示の通り。
ー市民:台風19号などの降雨で、建屋内滞留水はどうか。
ー東電:計算上、水位監視。台風19号3000㎥、21号2600㎥で、5600㎥増えた。
ー市民:管理水位を逸脱したのか。
ー東電:建屋内滞留水とサブドレンの水位の差が基準の40㎝を下回って20・5㎝となり、運転制限値を逸脱した。
ー市民:2020年度のALPS処理水の内訳は、再確認。
ー東電:次回、回答する。
ー市民:貯蔵タンクを10万トンの大型タンクにリプレースする場合は。
ー東電:タンクの建設に4年、検査に1年。大きくしても貯蔵量はあまり変わらず、破断の際のリスクが大きくなる。
ー市民:敷地利用は、見通しのない燃料デブリの一時保管施設を後回しにして、貯蔵タンクの増設をすべきでは。
ー東電:次回、回答する。
ー市民:タンク貯蔵汚染水は環境放出しない検討を。
ー東電:次回、回答する。
ー市民:凍土壁の設計目標は建屋流入ゼロだったのでは。
ー東電:目標は変わっている。

 3、福島第二原発は、使用済み核燃料の保管期間と安全対策、搬出先と搬出見通し、長期間の廃炉作業期間中の人材の確保など、安全対策に基づいた廃炉ロードマップと工程管理を明らかにすること。
・回答〜次回。

●前回の再質問への東電側の回答
ー市民:第一原発の防潮堤の費用開示を。
ー東電:契約に関わり不開示。
ー市民:法令遵守講習会の相談件数は。
ー東電:2019年9月3日4日の講習会での相談件数は19件。
ー市民:17000人のADR打ち切り後の個別対応の成果は。
ー東電:4月に個別対応ダイレクトメールを発送。
ー市民:申込は。
ー東電:次回、回答。
ー市民:健康診断の対象人数は。
ー東電:2012年〜18年で、38.527名、社員の法令検診実施。

*次回は、12月23日(月)午後1時、いわき市平の平26区集会所(平月見町32、一二三屋スーパー近く)。
by kazu1206k | 2019-10-30 23:15 | 脱原発 | Comments(0)