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大規模風力発電の見直し要望、6市民団体

 11月15日午後、いわきを変えるゾ市民の会などの市民団体が、いわき市の阿武隈山地に130基を超える大規模な風力発電事業が計画され、環境アセスの手続きが進んでいる問題で、いわき市長に対し、「いわき市内に設置予定の大規模風力発電事業の見直しを求める要望書」を提出しました。
 この日は、代表7人がいわき市生活環境部長に面会して、要望書を手渡し趣旨を説明した上で、善処を求めました。
 要望書は、「山間部の大規模な開発の場合は、風車の基礎工事や作業用道路工事などでかなり広範囲の森林伐採を伴い、山の保水力の低下により今以上に土砂崩れや下流域での洪水被害が危惧され」「今回の台風19号による豪雨災害が最も甚大だったのがこの夏井川流域です。約80haの稜線を含む山林を大規模に開発する事業はさらなる自然災害を誘発する愚行ではないでしょうか」として、『1.大規模開発により様々な弊害が予想される「避けるべき地域」を早急にゾーニングしマップに落とし、それをもとに適正な設置を事業者に求め、従わない場合は事業中止を含む強い指導を行っていただきたい』『2.「水源涵養保安林」を解除して風車設置を許可することは、水源地が荒れ、保水力を低下させ、下流域の土砂災害や洪水をさらに誘発するものであり、いわき市民の水道水に影響が出ることも懸念されるため、その解除はできる限り慎重であるべきで、極力認めないでいただきたい』との2項目について要望しています。
要望には、私も同行同席しました。
以下は、要望書です。

【いわき市内に設置予定の大規模風力発電事業の見直しを求める要望書】

いわき市長 清水敏男 殿

 私たち「いわきを変えるゾ市民の会」は市民の立場で市政を考え、市民の立場で「市民生活の安全安心のために発言行動すること」を目的とした市民団体です。

 さて現在、いわき市の阿武隈山地の尾根伝いに130基を超える大規模な風力発電事業が計画され進められようとしております。
 このことに鑑み、当会は9月25日に「大規模風力発電を考えるいわき市住民の交流会」をいわき市文化センターで開催いたしました。約70名の参加者から様々なご意見を頂戴いたしましたが、自然保護の観点、地域経済活性の観点、いわき市民への貢献度、これらすべてにおいて評価される事業ではないという意見が多数を占めました。
 私たちは、過日の台風19号による河川氾濫による被害の大きさを見て、あらためて水害の怖さを再認識させられました。日本は昨今、かつて経験したことがないほど頻繁に集中豪雨や巨大台風に見舞われています。そういった異常気象の増える時代となった今、夏井川や鮫川の下流域に生活する私たちにとって、上流域での大規模な開発には敏感にならざるを得ません。
 風力発電は再生可能エネルギーの一環であり、私たちはそれ自体に反対するわけではありません。ただ山間部の大規模な開発の場合は、風車の基礎工事や作業用道路工事などでかなり広範囲の森林伐採を伴い、山の保水力の低下により今以上に土砂崩れや下流域での洪水被害が危惧されます。
 ご存じのように、夏井川上流は「水源涵養保安林」にもなっており、いわき市の大切な水源地帯でもありますが、ここに「(仮称)阿武隈南部風力発電事業」と「(仮称)神楽山風力発電事業」がすでに立ち上がっております。今回の台風19号による豪雨災害が最も甚大だったのがこの夏井川流域です。約80haの稜線を含む山林を大規模に開発する事業はさらなる自然災害を誘発する愚行ではないでしょうか。また、いわき市の財産である背戸峨廊・二ツ箭山などの「ふくしま緑の百景」の景観を損ない、生態系への悪影響、低周波音による健康被害なども懸念されます。遠野地区の「(仮称)遠野風力発電事業」「(仮称)三大明神風力発電事業」においても、そのエリアの大半が国交省ハザードマップで「土石流危険渓流」の指定区域であり、住民が不安を覚えるのは至極当然のことと思われます。

 以上の理由により、私たち「いわきを変えるゾ市民の会」は市民生活の安心安全を守るため、以下の具体的項目を強く要望させていただきます。

1.大規模開発により様々な弊害が予想される「避けるべき地域」を早急にゾーニングしマップに落とし、それをもとに適正な設置を事業者に求め、従わない場合は事業中止を含む強い指導を行っていただきたい。
(環境省の「風力発電等に係るゾーニング導入可能性検討モデル事業」が採択された浜松市方式や先進的にゾーニングに取り組んできた長野県などにならって、エリアの抽出や課題等を明確化することを求めます。)

2.「水源涵養保安林」を解除して風車設置を許可することは、水源地が荒れ、保水力を低下させ、下流域の土砂災害や洪水をさらに誘発するものであり、いわき市民の水道水に影響が出ることも懸念されるため、その解除はできる限り慎重であるべきで、極力認めないでいただきたい。

 東日本大震災を契機に、私たちは自然に対してもっと謙虚に、もっと注意深くなることを学んだはずではないでしょうか。豊かさや便利さを追い求めるあまり大切なものを壊し続けてきた生活を見直し、私たちの子や孫に少しでも安全な世界を引き渡したいと切に願います。
 私たちの要望するところをお汲み取りいただき、ぜひ強力なリーダーシップを発揮していただけますようお願い申し上げます。

令和元年11月15日
               いわきを変えるゾ市民の会代表 佐藤雅子

               事務局:いわき市常磐下湯長谷町道下53-2
                 TEL&FAX 0246-44-5224 織田方

【賛同団体】
・石城山岳会
・いわき地域学会
・生涯学習ともの会いわき地域学会
・遠野町の環境を考える友の会
・夏井川流域住民による川づくり連絡会
           (五十音順)

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by kazu1206k | 2019-11-15 23:51 | 環境保護 | Comments(0)