福島第一原発の現地視察、特別委員会
2019年 11月 20日
復興創生対策特別委員会は、午前8時に、いわき市役所を出発。まず富岡町の東京電力廃炉資料館で、東京電力の担当者から事故収束作業の現場の状況について、「1〜4号機の状況」「港湾内外の放射性物質濃度の変化」「汚染水と原子炉循環冷却」「汚染水対策の3つの基本方針」「重層的な汚染水対策に伴う汚染水発生量の低減」「労働環境の改善」「中長期ロードマップ改訂、燃料デブリ取り出しに向けた取り組み」などの項目の説明を受けました。
その後、資料館の各ブースで1時間近くビデオを見せられましたが、「反省と教訓」のブースでは相変わらず、「防ぐことのできなかった事故の事実」などと、防ぐことができた過酷事故の真実を隠蔽し続けており、東京電力が組織として、依然として真摯な反省もなく、事故を何ら教訓化していない実態を示していました。ほとほと呆れました。
午前11時過ぎ、富岡町から国道6号線を北上。大熊町の東京電力福島第一原子力発電所の新事務本館に入り、昼食をとった後、入退域管理棟で個人線量計を貸与され、バスで構内へ。既設と増設の多核種除去設備、1〜4号機原子炉建屋外観、地下水バイパス設備、陸側凍土遮水壁設備、サブドレン、個体廃棄物貯蔵庫、乾式キャスク仮保管設備、免震重要棟、物揚げ場、海側設備、6号機非常用ディーゼル発電機など1時間ほどバスで視察しました。1〜2号機原子炉建屋と排気筒の見える35メートル盤上で降車、空間線量は50マイクロシーベルト/h。
スクリーニング後、個人線量計を確認返却。被ばく線量は、0.01ミリシーベルト/h。
福島第一原子力発電所の新事務本館から、富岡町の廃炉資料館に戻り、質疑応答を行い、「1〜2号機排気筒の解体工事の現状と今後の見通し」「9月26日の特別委員会の質問〜文書での回答及びタンク貯蔵汚染水の残存放射性核種の種類と濃度に関する東電の回答」「建屋の健全性」などについて、やりとりを行いました。東電は、トラブル続きの1〜2号機排気筒の解体工事について、「23ブロックのうち4ブロックの工事が完了した時点でふりかえりを行う」「年度内の工事完了の予定は現時点では変えていないが・・・」などと回答。9月26日の特別委員会の質問については、「文書回答は現在作中。タンク貯蔵汚染水の残存核種は、タンク群ごとに測定している。トリチウムのほか、セシウム137、セシウム134、コバルト60、アンチモン125、ルテニウム106、ストロンチウム90、ヨウ素129、テクネチウム、炭素」などと回答しました。
今回も記者等マスコミの同行取材、写真撮影は東京電力側に拒否されています。写真撮影は、核防護を理由にしており、東電側が撮影した写真を2週間後に提供するとのこと。市民の安全安心に関わる調査にもかかわらず、東京電力は依然として、情報の開示、透明性の確保に問題を残しています。防ぐことができた過酷事故の真実を隠蔽し続ける、東京電力。組織は、依然として、事故を教訓化していないようです。