質疑の報告ー県被災者給付金、都市計画マスタープランと地区まちづくり、汚染焼却灰、森林再生
2019年 12月 13日
質疑の詳細を、ご報告します。
ちなみに、議案等に対する質疑は、意見を述べることはできないルールです。
質疑項目とやりとりは、以下の通りです。
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35番、創世会の佐藤和良です。ただいまより、質疑を行います。
大きな第一点は、市長提案要旨説明について、であります。
一つは、市政を取り巻く諸問題についてのうち、本市の台風第19号等による災害からの復旧等に向けた対応について、です。
1点目、国に対して、支援制度における要件緩和などについて要望しましたが、その見通しはどうか、お尋ねします。
—答弁(産業振興部長)
国に対して行った要望では、「中小企業等グループ補助金」において、大企業及びみなし大企業を支援対象とすることや、定額補助の対象となる事業者について、要件緩和を求めたところであります。
これらについて、経済産業大臣からは、県や市町村と意思疎通しながら地元の実態を確認し、できる限り対応したいとのお話をいただいたところでありますが、現時点におきましては、明確な回答は示されていないことから、引き続き、国の検討状況を注視して参りたいと考えております。
2点目、半壊以下の床上浸水世帯に対する県独自の支援制度の創設要望に対して、県は新たな特別給付金の予算案を公表しましたが、本市としては、金額等どのように評価しているのか、お尋ねします。
—答弁(保健福祉部長)
福島県が、被災者生活再建支援法の対象となっていない、半壊及び床上浸水世帯への支援について、市長会等からの要望に対し、1世帯あたり10万円とする特別給付金制度の創設に向けて迅速に対応していただいたことは、今回、被災された方々の状況について、十分配慮いただいたものであり、日常生活に必要な家財の調達など、生活再建の一助になるものと考えております。
3点目、県の新たな特別給付金の給付事務について、本市の実務対応はどのようになるのか、お尋ねします。
—答弁(保健福祉部長)
県の被災者生活支援特別給付金につきましては、半壊及び床上浸水世帯を対象とし、世帯当たり10万円の特別給付金を本市における被災救助費救助金など市町村独自の見舞金等に上乗せして支給することとされております。
一方で、本市の被災救助費救助金を申請する際には、救助金以外の給付も可能とする委任状も兼ねた届出書の提出を求めていることから、対象となる方々に新たな申請書等を求めることなく、既に市救助金が支給された方には、特別給付金分を追加支給し、これから市救助金を支給する方に対しては、併せて支給することになるものと考えております。
市といたしましては、県の12月定例会に上程されております、当該特別給付金に係る補正予算議決後に県が開催予定の説明会において制度の詳細等を確認したうえで、来年1月には、県に対し補助申請等の必要な手続きを行い、対象となる方に速やかに支給できるよう事務作業を進めて参りたいと考えております。
二つは、市政を取り巻く諸問題についてのうち、第二次いわき市都市計画マスタープラン及びいわき市立地適正化計画の策定について、です。
1点目、第二次いわき市都市計画マスタープランは、将来都市像として「ネットワーク型コンパクトシティIwaki」と設定しましたが、20年間の長期的都市づくり目標の実現に向けての部門別構想や地域別構想を踏まえて、地区まちづくり計画等の策定をどのように進めるのか、お尋ねします。
—答弁(都市計画部長)
「いわき市都市計画マスタープラン」に基づく地区別計画として策定しております「地区まちづくり計画」等につきましては、計画の具現化に向けた取り組みを着実に進めていくため、まちづくり団体の皆様との協働により、事業の進捗など、定期的な点検を行っているところであり、今後、これらの進行管理の中において、今般の改定による部門別構想や地域別構想を踏まえながら、適宜、評価・検証を行った上で、必要に応じ、見直しについて検討して参りたいと考えております。
2点目、土地利用や都市施設等を定める部門別構想の中に、新たに「都市防災の方針」を設定しましたが、河川洪水に対する治水対策などには、どのように取り組むのか、お尋ねします。
—答弁(都市計画部長)
当該計画におきましては、東日本大震災を教訓に、様々な自然災害から市民の生命と財産を守るため、部門別構想に「都市防災の方針」を新たに設定し、地震・津波災害のほか、洪水・土砂災害などに対して、ハード・ソフトを組み合わせた防災・減災対策を推進することとしております。
そのうち、治水対策につきましては、水防法に基づく浸水想定により、河川洪水の恐れがあるとされた地域において、県との役割分担のもと、河川改修などの対策に努めることとし、さらに、地域住民等との協働により避難体制を確保するなど、ハード・ソフトを組み合わせた都市防災力の強化を図ることとしております。
3点目、いわき市立地適正化計画は、「まちなか居住区域」と「都市機能誘導区域」を設定しましたが、都市機能を担う誘導施設をどのように立地していくのか、お尋ねします。
—答弁(都市計画部長)
当該計画におきましては、都市機能誘導区域内に医療・福祉・商業等の日常サービス機能を担う誘導施設の立地を促進するため、区域外における誘導施設の建築行為等に関する市への届け出制度の運用や、区域内への立地支援策を講じることなどにより、緩やかではありますが、民間投資による施設の誘導を図ることとしております。
そのため、まちづくり、医療、福祉、交通及び不動産などの各種団体や民間企業等に対する制度の周知や、積極的な情報提供を行いながら、民間活力を導入するなど、都市機能の誘導に取り組んで参りたいと考えております。
4点目、ネットワーク型コンパクトシティの形成に向けた各種施策を、本市としてはどのように進めるのか、お尋ねします。
—答弁(都市計画部長)
当該計画におきましては、コンパクトな市街地の形成を図るため、平や小名浜など市街化区域内の複数の拠点におきまして、医療・福祉・商業等の都市機能を誘導する「都市機能誘導区域」と、その周辺において一定の人口密度の維持を図る「まちなか居住区域」を設定し、これら区域と有機的に連携した公共交通ネットワークを確保することとして、各地区の都市機能誘導区域内における日常サービス施設の誘導や、低未利用地や公有地等を活用した市街地の再生整備の方針、さらには、まちなか居住区域内における居住の促進を図るための施策などを位置付けたところであります。
今後につきましては、各種施策の実施に向けた制度設計などの検討を進めるとともに、今年度中に設置予定の庁内関係課で構成する「庁内推進会議」及び、有識者や関係団体等で構成する「評価等専門委員会」において、各種施策の進捗管理を行いながら、当該計画の着実な推進に努めて参りたいと考えております。
大きな第二点は、議案第1号 いわき市いわき震災伝承みらい館条例の制定について、であります。
一つは、いわき震災伝承みらい館の設置目的等について、です。
1点目、設置目的の「東日本大震災の記憶及び教訓を風化させず後世に伝える」という点で、原子力発電所の事故による災害については、どのように伝えるのか、お尋ねします。
—答弁(市民協働部長)
原子力発電所の事故による災害の伝承につきましては、パネル展示のテーマの一つとして、地震、津波と並んで「原発事故と避難」のコーナーを設け、その中で事故の規模や避難の状況、放射能の説明などについて展示するとともに、その記憶や経験を生の声で臨場感豊かに伝える語り部などにより、記憶や知識を学び、それを教訓としていただけるよう取り組んで参りたいと考えております。
2点目、設置目的の「災害に対する危機意識及び防災意識の醸成を図る」という点で、原子力発電所の事故による災害については、どのような事業を行うのか、お尋ねします。
—答弁(市民協働部長)
県におきましては、原子力発電所の事故による放射線の状況やその環境回復を学ぶ「コミュタン福島」を設置し、また、双葉町地内には、原子力災害にかかる資料の展示等により、震災の記憶の風化防止や防災・減災を図る「東日本大震災・原子力災害伝承館」の整備を進めていることから、今後、本施設と連携し、それぞれの施設の役割を分担しつつ効果的な事業展開を図れるよう、取り組んで参りたいと考えております。
大きな第三点は、議案第5号 いわき市国民健康保険税条例の改正について、であります。
一つは、普通徴収に係る納期の拡大について、です。
1点目、過去5年の普通徴収に係る収納率の推移は、どのようなものか、お尋ねします。
—答弁(市民協働部長)
過去5年の現年度課税分における普通徴収の収納率は、平成26年度が、84.79%、27年度が、84.92%、28年度が、85.20%、29年度が、88.11%、30年度が、88.84%となっており、年々、向上している状況にあります。
2点目、本市の収納率は低いとされるが、他の中核市や県内他市と比較すると、どの程度の違いか、お尋ねします。
—答弁(市民協働部長)
平成30年度の現年度課税分における普通徴収、及び、特別徴収、いわゆる年金天引き分を合わせた収納率で比較いたしますと、本市の収納率は、90.13%で、中核市58市中、51番目となっており、最高は、豊田市の96.07%、最低は、宇都宮市の87.76%、中核市平均では、92.25%となっております。
また、県内13市では、12番目となっており、最高は、須賀川市の95.69%、最低は、郡山市の89.46%、13市平均では、91.87%となっております。
3点目、納期を5期から8期に拡大することによる収納率の向上は、どの程度と見込んでいるのか、お尋ねします。
—答弁(市民協働部長)
納期を拡大することにより、収納率が、どの程度、向上するのかを的確に見込むことは、困難でありますが、他の中核市において、6期以下であった納期を、8期以上に拡大し、拡大前と、拡大後3年間の収納率を保有していた10市のうち、納期拡大時において、デフレ不況などの特殊な背景があったものを除いた5市の収納率の状況を見てみますと、平均で約0.6%の伸びとなっておりますことから、本市におきましても、納期を拡大したことにより、収納率が、同程度の伸びとなるよう期待しているところであります。
大きな第四点は、議案第10号 令和元年度いわき市一般会計補正予算(第6号)について、であります。
一つは、歳出4款2項4目衛生費の清掃費の塵芥処理費の一般廃棄物ゼロ・エミッション推進事業費について、です。
1点目、焼却灰等の再資源化により埋立処分量の削減と最終処分場の延命化を図る一般廃棄物ゼロ・エミッション推進事業ですが、今回の補正内容は、どのようなものか、お尋ねします。
—答弁(生活環境部長)
北部及び南部清掃センター敷地内で保管している指定廃棄物以外の焼却灰については、平成30年度から計画的にリサイクル処理を進めてきたところであります。
この度、国において、「放射性物質汚染廃棄物処理事業費補助金」を平成31年4月1日に創設し、施行したことから、当該補助金を活用し、焼却灰の早期解消を図るものであります。
2点目、今回の補正により処理される、本市保管の放射性物質汚染焼却灰の量はいくらか、お尋ねします。
—答弁(生活環境部長)
今回の補正により処理される焼却灰は1,000tであり、当初予定していた処理量2,112tと合わせて、3,112tとなります。
3点目、これにより、本市保管の放射性物質汚染焼却灰の量はいくらになるのか、お尋ねします。
—答弁(生活環境部長)
本事業実施後の焼却灰の保管量は、約1万tになる見通しであります。
4点目、処理による消却灰の資源化の内容はどうか、お尋ねします。
—答弁(生活環境部長)
今回処理する焼却灰につきましては、リサイクル処理業者において、溶融固形化処理を行い、道路の舗装等で使用するアスファルトの路盤材などに再資源化しているとのことであります。
5点目、財源の放射性物質汚染廃棄物処理事業費国庫補助金の内容はどうか、お尋ねします。
—答弁(生活環境部長)
当該補助金につきましては、令和2年度までの復興・創生期間において、福島県内の市町村等を対象に、指定廃棄物以外の焼却灰について、原子力発電所事故の発生以前と異なる方法により焼却灰を処理する際に生じる追加的な経費の一部に対し、1tあたり3万5千円を上限に交付されるものであります。
二つは、歳出6款2項2目農林水産業費の林業費の林業振興費のいわき森林再生事業費について、です。
1点目、いわき森林再生事業は、放射性物質に汚染された森林の再生を重点施策に位置づけ、間伐等の森林施業と放射性物質の拡散防止対策を一体的に行うとされますが、森林除染の進捗状況はどうか、お尋ねします。
—答弁(農林水産部長)
いわき森林再生事業は、福島第一原子力発電所事故の影響により、停滞した林業の再生や森林が本来有する水源涵養機能の維持等を目的に、平成25年度から川前地区のうち、比較的、空間線量が高い森林を対象に事業を進めているところであり、平成30年度までの6年間の事業実施面積につきましては、約430haとなっております。
2点目、計画区域変更による委託料の増など、今回の補正の内容は、どのようなものか、お尋ねします。
—答弁(農林水産部長)
いわき森林再生事業につきましては、これまで土地所有者の同意が得られた区域において事業を実施しておりますが、本年6月に、新たに約13haの区域において、事業実施の要望及び地権者同意書の提出がなされたため、県との調整のうえ、当該区域を事業区域に加える実施計画の作成業務委託料について、本定例会に補正予算案を上程しております。
3点目、いわき森林再生事業による森林除染の今後の見通しはどうか、お尋ねします。
—答弁(農林水産部長)
森林再生事業の事業期間につきましては、平成25年度から国の復興・創生期間が終了する令和2年度までの8か年とされております。
県においては、市町村の意向を確認した結果、本市も含む、ほとんどの市町村が、令和3年度以降の事業継続を望んでいる状況を踏まえ、現在、国に対して本事業の継続を強く要望しているところですので、市といたしましては、引き続き、県と連携を図りながら、国の動向を注視して参りたいと考えております。
三つは、歳出7款1項6目商工費の商工費の観光費の東京2020オリンピック・パラリンピック事業費について、です。
1点目、今回の補正内容は、どのようなものか、お尋ねします。
—答弁(特定政策推進監)
来年3月25日に、アクアマリンパークにおいて予定している「(仮称)復興の火の展示イベント」に要する経費及び、翌26日、本市で行われる東京2020オリンピック聖火リレーのスタート地点、ゴール地点等において聖火リレーを独自に盛り上げるためのイベントに要する経費を計上したものであります。
2点目、聖火リレーの実施内容はどのようなものか、お尋ねします。
—答弁(特定政策推進監)
聖火リレーは、来年3月26日、Jヴィレッジをスタートし、県内を3日間走行した後、7月24日に開催される東京2020オリンピック競技大会開会式までの121日間にわたり、日本全国で実施されるもので、本市におきましては、先ほど答弁申し上げましたとおり、3月26日に聖火リレーが実施されることとなっております。
3点目、国内聖火リレー出発地点である「Jヴィレッジ」周辺で、地表で毎時71マイクロシーベルト、地表1メートルで同1.7マイクロシーベルトの放射線量が測定され東京電力により再除染を実施しましたが、リレーコースの放射線量の確認はどうなっているか、お尋ねします。
—答弁(特定政策推進監)
今月中には、組織委員会から聖火リレーの各都道府県における詳細なルートが、発表される予定でありますが、県によりますと、現在も、原子力規制委員会及び県等が一定の空間放射線量モニタリング調査を行っておりますことから、更なるモニタリングが必要となるかどうかにつきましては、今後、関係各所と協議していくとのことであります。