排気筒解体、タンク貯蔵汚染水で東電交渉
2019年 12月 26日
交渉は、 「福島第一原発1・2号機排気筒の解体、トリチウム等タンク貯蔵汚染水の陸上保管、同第二原発の廃炉に関する申し入れ書」(9月11日提出)に関する回答のうち、「1・2号機排気筒解体工事」と「トリチウム等タンク貯蔵汚染水」の質疑を継続し、さらに「ADR和解打ち切り後の個別対応」について、東電側の回答と質疑が行われました。申入れ3項目の「福島第二原発の廃炉工程管理」の回答と質疑は次回に持ち越しました。
9月11日の申し入れは、以下の3項目です。
1、1・2号機排気筒解体は、工事延期の原因の本質と再発防止策を確立するまで作業を中止すること。
2、トリチウム等タンク貯蔵汚染水は、海洋放出をやめ、陸上保管による恒久的対策を確立すること。
3、福島第二原発は、使用済み核燃料の保管期間と安全対策、搬出先と搬出見通し、長期間の廃炉作業期間中の人材の確保など、安全対策に基づいた廃炉ロードマップと工程管理を明らかにすること。
●質疑の内容
1、1・2号機排気筒解体は、工事延期の原因の本質と再発防止策を確立するまで作業中止を求めてきたが、4ブロック目の切断に人を投入して切断した経緯は?
・回答
4ブロック目は、チップソーの刃が噛み込んで抜けなかった。80%超の切断状況。人が100mまで登り、残1m30cmを1時間半で切断。12月4日までに解体。その後、16日まで振り返りを行って検証した。来年5月末までの工程の見通し。5ブロック目は、12月18日から解体。切り方を工夫して3日で解体。6ブロック目は、12月20日から解体。
・質疑
ー市民:切断のやり方の検討、反省は?
ー東電:人が登る事もシュミュレーションしていた。押し切り、手順の確認、訓練済み。45度、45度ごとに切り込み、噛み込みを少なくする工夫をした。
ー市民:現場近くでコントロールしているバスが突然16m移動した問題は?
ー東電:サイドブレーキがかかっていなかった。エンジン停止でストップしたが、原因は解っていない。前輪後輪に輪止めして対策した。
ー市民:人の切断はあってはならないことが規制委員会の見解ではないか。人身事故が起きる前に中止すべきだ。
ー市民:労働環境、ターゲットプライス制度の有無は?
ー市民:1・2号機排気筒の解体は、カッターではなくレーザーでやるべきでは?
ー東電:レーザーの検討はした。その上で、カッターを使用している。
ー市民:特定施設協議会第75回での、蜂須賀大熊町商工会長の「地元でやらして」発言は?
ー東電:次回、回答。
ー市民:エイブルのトラブル対策の資料は?12月4日から16日までの検証作業の中身は?カッター、レーザー工法の検討の内容は?
ー東電:次回、回答。
ー市民:繰り返す事象について、本質の原因解明は?
ー東電:次回、回答。
2、トリチウム等タンク貯蔵汚染水は、海洋放出をやめ、陸上保管による恒久的対策を確立すること。
・質疑
ー市民:2020年度夏の134万トン貯留の内訳の再確認は?
ー東電:11月26日の県民会議の資料を提示。ALPS処理水貯槽容量134万㎥+ストロンチウム処理水貯槽2.5万㎥、2020年12月末までに約137万㎥のタンク容量を確保。
ー市民:建屋内高濃度滞留水は?
ー東電:12月2日現在、31,910トン。
ー市民:敷地利用は、見通しのない燃料デブリの一時保管施設を後回しにして、貯蔵タンクの増設をすべき。
ー東電:敷地の有効利用を検討している。
ー市民:タンク貯蔵汚染水は環境放出しない検討を。
ー東電:経産省のALPS小委員会の議論、地元の議論ののち、国から大きな方向性が示される。適切に対処する。
3、福島第二原発は、使用済み核燃料の保管期間と安全対策、搬出先と搬出見通し、長期間の廃炉作業期間中の人材の確保など、安全対策に基づいた廃炉ロードマップと工程管理を明らかにすること。
・回答と質疑〜次回。
●前回の再質問への東電側の回答
ー市民:17000人のADR打ち切り後の個別対応ダイレクトメール発送の成果は?
ー東電:コールセンターに専用ダイヤルを設置、申し立て者ここの事業を聞いて、早い和解をさせていただく。
ー市民:コールセンターの相談数、事情聴取数。和解数は。
ー東電:次回、回答。
ー市民:線量計の校正期限は。
ー東電:次回、回答。
ー市民:「処理水」の使用中止は。
ー東電:次回、回答。
*次回は、2月12日(水)午後1時、いわき市平の平26区集会所(平月見町32、一二三屋スーパー近く)。
