行政視察ー防災とコミュニティ再生、倉敷市真備町
2020年 01月 21日
調査事項は、「防災とコミュニティ再生」について、です。
倉敷市真備町で、国土交通省中国整備局高梁川・小田川緊急治水対策河川事務所と「川辺復興プロジェクトあるく」から説明を受け学ばせていただきました。
平成30年7月豪雨で、真備町は、高梁川水系小田川沿川の堤防の決壊や越水等により甚大な被害を受けました。決壊した末政川の堤防嵩上げ工事や小田川合流点付替え工事の現場、さらに真備町内を国交省緊急治水対策河川事務所の案内で視察し、説明を受けました。
現在、災害防止を図るため、国・岡山県が連携して、真備緊急治水対策プロジェクトをすすめています。その概要は、小田川と高梁川の合流点を下流側へ付け替えて、小田川の水位を下げる小田川合流点付替え事業の完成前倒し(事業費約332億円)、概ね5年間で集中的に実施する河川改修事業(いわゆる「激特事業」)。さらに、小田川及び岡山県管理の3河川(末政川、高馬川、真谷川)において重点的な堤防整備(嵩上げ、堤防強化)、洪水時の水位を下げるための河道掘削などのハード対策を河川激甚災害対策特別緊急事業として、概ね5年間の2023年度を目標に実施しています。総事業費は、約500億円(予備費含む)を見込んでいます。
真備町川辺地区にある「川辺復興プロジェクトあるく」は、西日本豪雨で被災した川辺住民が中心となって、復興を目指して活動中です。地区を離れバラバラに暮らす被災者たちが集う居場所づくりとして、川辺小学校内にプレハブを設置したのをきっかけに運営が始まりました。今まで以上に素敵な町になるように、できることを結集し、「つながりのあるまちづくり」をしています。
この日、事務所敷地での、パンの日&青空市&ハンドトリートメントの会の様子を見せてていただき、事務所内で「防災とコミュニティー再生」について、これまでの経験、川辺地区の復興に向けた活動と復興にかける熱い思いをお聴きしました。
いわき市は、昨年の台風19号で記録的な豪雨となり、夏井川水系、鮫川水系の各河川が越水・決壊し、平平窪、平赤井、好間町、小川町関場、遠野町滝などで床上・床下浸水が発生、5,000世帯を超える住家が罹災、9名の尊い命が失われました。
河川改修について、平平窪地区など被災住民が安心して暮らし住み続けることができるように、夏井川はじめ各水系の河川の河道掘削、堆砂除去、立木伐採、堤防嵩上げ、堤体補修などの河川改修を2級河川の管理者である福島県など関係機関と連携して、人命最優先の開かれた治水と河川の抜本的改修を進める進めることが求められています。
また、地域防災力について、高齢化の進展の中で地域防災力の低下が否めず、今般のように地域コミュニティ全体に及ぶ甚大な被害では、地域コミュニティにおける共助の活動が重要であり、いわき市として共創のまちづくりの理念に基づき、災害に強いまちづくりのため、地域自治システムを整備し、地域コニュニティの再生、地域防災力の強化を目指すべきです。
以下は、「川辺復興プロジェクトあるく」からの説明メモです。
●戻った人は6割、99%の住家浸水、小学校児童全員被災、地区全体の被災
問題点⒈情報
・決壊の情報伝わらなかった(緊急ラジオ、エリアメール、防災無線)
・決壊に対する意識、情報を理解するための正しい知識
・緊急時、災害後の情報を得る方法が不明
・LINEグループ「川辺地区みんなの会」2018年7月結成20人、8月200人、9月420人、19年1月556名
問題点⒉避難所
・避難先バラバラ、住民同士顔を合わせる機会ない、要望や意見を求める場所がない
・川辺地区に炊き出しや物資が届かない⇨必要な支援が受けられない
〜オンラインアンケート5回、戻る?、食事は、ーみんな川辺に帰りたい、人とのつながりが必要
〜届きにくかった食の支援、炊き出しが大切な交流の場
問題点⒊既存のコミュニティが動くことができなかった
・川辺復興プロジェクトあるく 発足 2018年10月スタート
・住民が主体となって まちを再建していくための活動
ー3つの愛があふれる川辺地区 ふれ愛 つながり愛 ささえ愛
・あるのく愉快な仲間たち:女性メンバ−15名、男性メンバー4名
ー30~50代の主婦が中心、みなし仮設住宅から通いながら活動、子育て中〜子育てが落ち着いたメンバ
●あるくの主な活動
ー地域交流スペースと0円フリーマケットを毎日9時から12時までオープン、ご支援の受け入れと調整、 情報収集と共有、住民がつながる仕掛け(イベント)の企画・運営、住民の困りごとや相談を各所につなげる
・住民の心と行動の変化
ーSNSと
ーあるく通信:市から送ってもらっている、川辺地区まちづくり協議会として、1,700世帯.
●防災に対する活動
・つながり作りや顔の見える関係
ー防災カフェ、川辺みらいミーティング
●これからのあるくの活動
・開かれた居場所であり続ける
・課題解決に向けた活動
・災害を乗り越え、被災前より魅力あるまちをつくりたい
・また何かあった時に、後悔したり、怖い思いをしたりすることが少しでも減るように
・任意団体である強みを生かした地域作りをしていく
※ピースウィズジャパンの支援、3月まで。
※県への支援要請
※みんなでゆっくりでも前へ進もう

