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共同声明「福島はオリンピックどごでねぇ」

2月13日午後、原発事故被害者団体連絡会(ひだんれん)と脱原発福島ネットワークは、福島県庁の県政記者室で「福島はオリンピックどごでねぇ」、「これでいいの?!原発事故と復興五輪」に関する共同声明を公表し記者会見を行いました。

●共同声明 オリンピック聖火リレーを前に     
     「福島はオリンピックどごでねぇ」


2020東京オリンピックへ向けての聖火リレーが始まろうとしています。しかし、未曽有の原発被害の渦中にある私たちは、「オリンピックどころではない!」と言わざるを得ません。原発事故の被害者がどれだけ「復興五輪」を歓迎しているでしょうか。

忘れもしません。2013年9月、ブエノスアイレスでの招致演説で安倍晋三首相はこう言ったのです。「状況は、アンダー コントロール」「汚染水の影響は、港湾内の0.3平方キロの範囲内で完全にブロック」「健康問題については、今までも、現在も、将来も全く問題ありません」と。
あれから6年。いま、私たちの目の前にある現実は、どうでしょう。

メルトダウンした核燃料は所在すらつかめていません。壊れたままの原子炉建屋には毎日百数十tの地下水が流れ込み、ALPS処理汚染水は溜まり続け、漁民や住民の意思を無視して海洋への放出が画策されています。40~50年と言われた廃炉計画は見通しすら立っていません。1400万tに及ぶ除染土の多くは、福島県内760カ所の仮置き場に野積みされたままです。国は汚染土を「再利用」の名の下に全国に拡散しようとしています。
子どもの甲状腺がんは、公表されただけでも237人。心筋梗塞、周産期死亡率が上昇しているという報告もあります。健康問題は、「今までも、現在も、将来も」多くの人々を脅かしています。

国はオリンピック招致決定直後に「福島復興加速化指針」を決定、「2020年までの復興」を至上命令とし、福島県も「復興ビジョン」で「2020年避難者ゼロ」を掲げました。それに従って避難指示は次々と解除され、賠償は打ち切られ、帰還困難区域からの避難者に対する住宅提供までも、この3月末で打ち切られようとしています。そればかりか、県は昨年4月以降、国家公務員宿舎に残っている避難者に、「退去せよ」「家賃2倍相当の損害金を払え」という通告書を毎月送りつけ、未契約の5世帯を被告として立ち退き訴訟を起こすというのです。これが福島の現実です。

事故から9年。今も避難生活を余儀なくされている4万8千を超える人々、県内に残って生業と生活、地域の再興懸命に取り組んでいる人々のすべてが、人として生きる権利が保障された、一日も早い「本当の復興」を願っています。しかし、被害の実相を覆い隠し、傷の癒えない被害者を蔑ろにする「偽りの復興」は認められません。
ましてや、スポーツを道具として使い、世界のアスリートをだますような「復興五輪」を認めるわけにはいきません。国も福島県も、「復興五輪」などにお金や力を投入するのではなく、福島の現実と向き合い「被害者の復興」にこそ、力を注ぐべきです。

 2020年2月13日 
                   原発事故被害者団体連絡会
                   脱原発福島ネットワーク



以下は、会見で発表された原発事故当時小学5年生だった少女にによるメッセージです。
大学生になった少女が、過去と現実に向き合い、丁寧に言葉を紡ぎました。

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東京オリンピックと福島

福島から関西への区域外避難者(19歳大学生)


私は2011年3月に発生した東京電力福島第一原子力発電所事故の被害者であり避難者です。
避難当時、私は小学5年生でした。
2011年4月、私は突然転校することになりました。原因は福島の原発事故です。
私が住んでいた場所は、東京電力福島第一原子力発電所事故により、それまでの600倍もの放射線量が計測されました。
そのため、母から「マスクをつけて登校しなさい」と言われたり、母が買い物に出る際、「放射能が舞っているからあなたは家で留守番していなさい」と言われたり、さらには、友達と別れ、突然転校しなければならなかったことは、とても辛く悲しい出来事でした。
2013年9月7日、安倍総理は、国際オリンピック委員会総会でプレゼンテーションを行いました。
Some may have concerns about Fukushima. Let me assure you,
the situation is under control.
It has never done and will never do any damage to Tokyo.
邦文では次のようにアップされています。
「福島について、お案じの向きには、私から保証をいたします。状況は、統御されています。東京には、いかなる悪影響にしろ、これまで及ぼしたことはなく、今後とも、及ぼすことはありません。」
本当に、「福島の状況は統御されている」のでしょうか?
たとえば昨年1月、東京電力福島第一原子力発電所で海側にあるタンクにたまっていた放射性物質を含む水が2年余り前からおよそ300トンが漏れ出していたことがわかりました。
たとえば昨年1月、福島県広野町沖の試験操業で漁獲したコモンカスベから、国の基準値、1キロ当たり100ベクレルを超える161ベクレルの放射性セシウムを検出したと発表されました。
たとえば昨年10月、大型台風により、東京電力福島第一原子力発電所事故の除染廃棄物を袋に入れて保管する田村市や飯舘村の仮置き場が浸水し、除染廃棄物が川に流出したと発表されました。
このような現状の中、、五輪聖火リレールートの空間放射線量が除染目安超えというニュースが流れました。
沿道の最高値は、飯舘村の毎時0・77マイクロ・シーベルト、車道の最高値は、郡山市の0・46マイクロ・シーベルトで、少なくとも13ルートで除染目安超えの地点が見つかったのです。
1月14日現在、いまだ約4万8千人以上が避難生活を余儀なくされています。
また、避難者住宅からの追い出しや日本各地での賠償裁判も継続中です。
これらの事実を見れば、「福島の状況は統御されているのか?」と疑問を持つのが自然です。
オリンピックために日々努力をされている選手のみなさんはもとより、すべての人が安心して心から楽しめるオリンピック、そして、東日本大震災、東京電力福島第一原子力発電所事故からの真の復興を願ってやみません。 

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Tokyo Olympics and Fukushima

Evacuees to the Kansai area from outside the mandatory evacuation area in Fukushima.
(19-year-old college student)

I’m a victim and refugee of the March 2011 TEPCO Fukushima Daiichi Nuclear Power Station disaster. When I evacuated, I was in fifth grade.
It was in April 2011, that I suddenly had to transfer because a nuclear power plant exploded in Fukushima.
In the place where I lived, the radiation dose measured 600 times higher than before, due to the disaster at TEPCO's Fukushima Daiichi Nuclear Power Station. My mother would say to me, "You have to go to school with a mask on," or, "You can't go shopping with me because of the radioactive contamination outside. You have to stay at home." It made me sad, having to separate from friends, suddenly having to transfer.
On September 7, 2013, Prime Minister Abe made a presentation at the International Olympic Committee General Assembly.

“Some may have concerns about Fukushima. Let me assure you,
the situation is under control.
It has never done and will never do any damage to Tokyo.”

Is the situation in Fukushima really “under control”?
In January 2019, about 300 tons of water leaked from a tank located on the seaside of TEPCO's Fukushima Daiichi Nuclear Power Station. The water contained radioactive material and had been leaking for more than two years.
In January 2019, 161 becquerels of radioactive cesium, which exceeded the Japanese government's standard, were detected from "Komonkasube" (common skate) caught in a test operation off Hirono-machi, Fukushima Prefecture. (Standard limit of the Japanese government: 100 becquerels per kg)
In October 2019, a large typhoon flooded temporary storage sites for decontamination waste in Tamura City and Iitate Village, resulting in bags containing materials from decontamination spilling into nearby rivers.
Under such circumstances, it was reported that the absorbed dose in the air of radiation along the Olympic torch relay route exceeded the standard sought after decontamination. The highest roadside value registered was 0.77 μsv/h in Iitate Village, and the highest roadway value was 0.46 μsv/h in Koriyama City. At least 13 routes have been found that exceed the decontamination standards.
As of January 14, 2020, more than 48,000 people are still evacuated. In addition, litigation concerning those displaced from evacuee housing and compensation for the nuclear accident is ongoing in various parts of Japan.
If you look at these facts, it is only natural to question, "Is the situation in Fukushima really under control?"
Not only for the athletes who strive every day but for everyone’s sake, I hope for an Olympics that can be safely and genuinely enjoyed.
At the same time, I sincerely hope for real recovery from the Great East Japan Earthquake and the TEPCO Fukushima Daiichi Nuclear Power Plant disaster.

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by kazu1206k | 2020-02-13 23:24 | 脱原発 | Comments(0)