相次ぐ事故・「カイゼン活動」・汚染水で質問、東電交渉
2020年 02月 12日
冒頭、下記の、「東京電力への質問事項」を提出し、次回の回答を求めました。
(1)福島第一原発における相次ぐトラブル・事故について
ア、2018年中、3号機の核燃料取り出し装置のトラブルが頻発の原因と対策
イ、2019年11月、6号機で新燃料の燃料棒の損傷事故の原因と対策
ウ、1・2号機排気筒解体作業の遅れの対策と今後の見通し
エ、排気筒汚染水の土壌流出の原因と対策
オ、台風19号等による雨水の建屋内への大規模浸水により10月は汚染水が8000トン増加の原因と対策
カ、2020年1月以降の2号機タービン建屋北東エリアにおけるサブドレン運転制限値の逸脱の原因と対策
(2)東京電力の人員及び資金投入のあり方について
ア、相次ぐトラブル・事故を巡り、原子力規制委員会が東京電力の「カイゼン活動」がコスト削減であり、人員及び資金が投入されていないと指摘しており、労災事故など作業員の労働環境の悪化の原因の一つとなっていることの改善策
(3)タンク貯蔵汚染水の海洋放出について
ア、経済産業省のALPS小委員会の報告書について、「海洋放出」と「水蒸気放出」の2つを「現実的な選択肢」とし、海洋放出は国内の原発で実績があるから「より確実に実施できる」として、陸上保管を求める漁業者や海洋放出反対とする県民世論の声を無視していることの東京電力としての評価
イ、今後の対応について、東京電力としての対応方針
ウ、汚染水貯蔵管理及び処理費用について、これまでとこれからの費用及び財源
交渉は、 「福島第一原発1・2号機排気筒の解体、トリチウム等タンク貯蔵汚染水の陸上保管、同第二原発の廃炉に関する申し入れ書」(9月11日提出)のうち、「1・2号機排気筒解体工事」と「福島第二原発は、使用済み核燃料の保管期間と安全対策、搬出先と搬出見通し、長期間の廃炉作業期間中の人材の確保など、安全対策に基づいた廃炉ロードマップと工程管理を明らかにすること」の東電側の回答と質疑を継続。さらに「ADR和解打ち切り後の個別対応」「トリチウム等タンク貯蔵汚染水」「第40回原子力規制員会での1F現地検査官の発言」「2006年の東電社員自殺未遂事件」について、質疑が行われました。
※9月11日の申し入れ、3項目。
1、1・2号機排気筒解体は、工事延期の原因の本質と再発防止策を確立するまで作業を中止すること。
2、トリチウム等タンク貯蔵汚染水は、海洋放出をやめ、陸上保管による恒久的対策を確立すること。
3、福島第二原発は、使用済み核燃料の保管期間と安全対策、搬出先と搬出見通し、長期間の廃炉作業期間中の人材の確保など、安全対策に基づいた廃炉ロードマップと工程管理を明らかにすること。
●質疑の内容
1、1・2号機排気筒解体は、工事延期の原因の本質と再発防止策を確立するまで作業中止。
・回答
現在までに11ブロック目まで切断。
・質疑
ー市民:現場近くでコントロールしているバスが突然16m移動した問題は?
ー東電:電気系統の故障が原因。エンジン始動しない対策。
ー市民:労働環境、ターゲットプライス制度の有無は?
ー東電:想定内の作業。モックアップで訓練していた。
ー市民:切断が有人になった理由は?
ー東電:チップソーのかみ込み取れなくなった。無視すると機械が損傷するので。
ー市民:特定施設協議会第75回での、蜂須賀大熊町商工会長の「地元でやらして」発言は?
ー東電:基本的に地元の期待が大きかった。競争入札だが、地元発注のスタンス。
ー市民:エイブルのトラブル対策の資料は?
ー東電:一生にやっているので、資料は東電のもののみ。
ー市民:レーザー切断など工法の検討内容は?
ー東電:レーザー切断は火気の使用となるのでチップソーを選択。高所作業は火気の養生が大変。
ー市民:繰り返す事象について、本質の原因解明は?
ー東電:都度、知見を集めて対応している。
3、福島第二原発は、使用済み核燃料の保管期間と安全対策、搬出先と搬出見通し、長期間の廃炉作業期間中の人材の確保など、安全対策に基づいた廃炉ロードマップと工程管理を明らかにすること。
・回答
[使用済み核燃料の保管期間と安全対策]
ー廃炉を円滑に進めるため、他原子力発電所でも導入・計画されている乾式キャスクによる貯蔵施設を構内に設置し、使用済み燃料プールから燃料取り出しを計画的に進めていく予定。
ー乾式キャスクは、キャスクそのものに、「閉じ込め」「遮蔽」「臨界防止」「除熱」という安全機能を備えており、使用済み燃料の冷却に水や電源を使用しない安全性に優れた貯蔵方式であり、原子力規制委員会においても安全性向上の観点から推奨されているもので認識している。
ー使用済み燃料は、遅くとも廃炉終了までに県外に全量搬出する方針。
[搬出先と搬出見通し]
ー使用済み燃料は、遅くとも廃炉終了までに県外に全量搬出する方針。
ー現時点では、搬出先など具体的に決まったものはないが、今後、廃炉を進めていく中で、使用済み燃料の搬出の全体計画についても検討していく。
[長期間の廃炉作業期間中の人材の確保など、安全対策に基づいた廃炉ロードマップと工程管理を明らかにすること]
ー福島第二の廃炉は、他の廃炉プラントと同様の工程で1基あたり30年程度かかるものと見込んでいる。
ーただし、全4基が対象であること、福島第一の廃炉作業と並行するため、人的リソース配分等も十分配慮していく必要があることから、現時点では、全4基の廃炉を終えるのは40年を超える期間が必要な見通しである。
ー廃炉工程については、廃炉決定後に作成することになる「廃止措置計画」の中で具体化し、地域の皆様にも丁寧にご説明してまいりたい。
・質疑
ー市民:使用済み核燃料の乾式キャスクの貯蔵施設は?
ー東電:使用済み核燃料9000体と新燃料合わせて9、532体。乾式キャスク約70体保管で137基は必要。
ー市民:乾式キャスクの構造図と施設用地は?
ー東電:施設用地は、回答。
ー市民:使用済み燃料、44年後の廃炉終了までに県外に全量搬出の見通しは?
ー東電:現時点ではない。
ー市民:廃炉作業期間中の人材の確保は可能か?
ー東電:1F要員の邪魔をしないようにしたい。
ー市民:廃炉ロードマップ40年の時点修正表示が必要?
ー東電:次回、回答。
●前回の再質問及び関連質問への東電側の回答
ー市民:17000人のADR打ち切り後の個別対応ダイレクトメール発送の成果は?
ー東電:個別ADR500件で、解決は160件。
ー市民:申立取り下げ、未解決の内訳は?
ー東電:次回、回答。
ー市民:コールセンターの相談数、事情聴取数。和解数は。
ー東電:次回、回答。
ー市民:線量計の校正期限は。
ー東電:13ヶ月に1回の頻度で実施。
ー市民:「処理水」の使用中止は。
ー東電:敷地境界1ミリシーベルトの基準で使用。
ー市民:トリチウム等タンク貯蔵汚染水の内容
ー東電:次回、回答。
ー市民:第40回原子力規制員会での1F現地検査官の発言に対する東電の見解は?
ー東電:次回、回答。
ー市民:東電の1年間の退職者は?
ー東電:次回、回答。
ー市民:2006年の東電社員自殺未遂事件は?
ー東電:次回、回答。
*次回は、4月8日(水)。