定額給付金、店舗支援金などで質疑、臨時会
2020年 05月 08日
市長提出議案は、「市長等の給与の特例に関する条例の制定」が1件、新型コロナウイルス感染症に感染した被保険者への傷病手当金を支給する「市国民健康保険条例の改正」など条例改正が2件、令和2年度補正予算が1件、その他で専決処分の承認が3件。
さらに、議会案1件、6月支給の市議会議員の期末手当を2割カットする「市議会議員の期末手当の特例に関する条例の制定」(カット分をコロナ対策に充当)が、いずれも可決成立しました。
補正予算は、新型コロナウイルス感染症対策に要する経費約340億円で、概要は以下の通りです。
・PCR検査や疫学調査、患者や検体の搬送費の増額などに、約2億4千万円。
・感染症患者の入院医療費のうちの公費負担分の増額に、約1億5千万円。
・支給対象者1人当たり10万円の「特別定額給付金」に、約321億4千万円。
・児童手当支給世帯の児童1人当たり1万円の「子育て世帯への臨時特別給付金」に、約4億1千万円。
・売上げ5割以下の店舗に1店舗当たり上限額30万円の店舗等維持支援金に、約5億円。
・県コロナ対策資金で融資を受けた事業者の信用保証料に、約3億4千万円。
・県コロナ対策資金等で融資を受けた事業者の利子の補助に、約1億2千万円。
わたくしは、令和2年度いわき市一般会計補正予算のうち、特別定額給付金給付事業費、新型コロナウイルス感染症予防対策費、店舗等維持支援金の3点について、本会議での質疑を行いました。以下に、そのやり取りを報告します。
また、臨時会は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のため、議場の議員席、理事者席をいずれも1席ごと間を開け、席を増やすなどの対応を取りました。議場は閉鎖せず換気に注意して審議されました。
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35番、創世会の佐藤和良です。ただいまより、質疑を行います。
大きな第一点は、議案第4号 令和2年度いわき市一般会計補正予算(第2号)について、であります。
一つは、歳出2款1項14目諸費の特別定額給付金給付事業費について、です。
1点目、滞在3ヶ月以上の在留外国人など給付対象者や世帯数、申請書の送付時期、申請と給付の方法、受付及び給付の開始時期など、特別定額給付金給付事業の概要はどうか、お尋ねします。
—答弁(総務部長):
特別定額給付金給付事業は、本年4月20日に閣議決定された「新型コロナウイルス感染症緊急経済対策」の趣旨を踏まえ、感染拡大防止に留意しつつ、簡素な仕組みで迅速かつ的確に家計への支援を行うことを目的に、市区町村が実施主体となり、給付対象者1人につき10万円の給付金を支給するものであります。
給付対象者は、基準日であります本年4月27日時点において、外国人を含む市区町村の住民基本台帳に記録されている者とされており、本市におきましては、給付対象者は約32万人、世帯数は約14万7,000世帯となっております。
給付金の申請方法などにつきましては、国の特別定額給付金給付事業実施要領に基づき、申請・受給権者を給付対象者の属する世帯の世帯主とした上で、感染拡大防止の観点から、郵送申請方式及びオンライン申請方式を基本とし、給付方法につきましては、申請者の本人名義の銀行口座へ給付対象者分を一括して振り込むこととしております。
郵送申請につきましては、あらかじめ世帯員の情報を印刷し、市から、申請者となる世帯主の方宛てに送付する申請書を用いて申請していただくこととなります。また、オンライン申請につきましては、マイナンバーカードを所持していることが必要となりますが、国が運営するオンラインサービスである「マイナポータル」上の特別定額給付金の申請画面から、電子申請していただくこととなります。申請件数については、オンライン申請分も含めて、約14万7,000件を見込んでおり、現在、世帯主宛てに送付する郵送申請のための申請書作成等の準備作業に鋭意取り組んでいるところであり、5月下旬を目途に順次発送するとともに、給付開始時期につきましては、オンライン申請分については5月中旬から、郵送申請分については5月下旬からを予定しているところであります。
2点目、配偶者の暴力により避難している方について、4月末まで申請できなかった方への対応はどうするか、お尋ねします。
—答弁(総務部長):
配偶者からの暴力を理由に避難している方など、いわゆるDV等避難者の対応につきましては、国の実施要領においては、住民票所在市町村ではなく、居住している避難先自治体から支給するとされており、DV等避難者からの事前申出期間として全国一律に4月24日から4月30日までを原則とするとされたところであります。
お質しの、4月末まで申出できなかった方につきましても、同実施要領において、当該申出期間を経過した後の申出についても、随時、遅滞なく同様に対応することとされておりますことから、住民票所在市町村との連絡調整を行い、申出者に支給して参りたいと考えております。
3点目、意思表示をすることが難しい人、一人暮らしの高齢者や障がい者など手続きに困難が伴う方々への配慮をどうするか、お尋ねします。
—答弁(総務部長):
特別定額給付金の申請につきましては、対象者本人による給付金の申請・受給が困難であるケースも想定されるため、国の実施要領において、民生委員、自治会長、親類の者その他平素から世帯主本人の身の周りの世話をしている者であると市長が特に認めるなどの場合に、代理申請が可能となっております。
このため、市といたしましては、これらについて、広報紙やお知らせ回覧、ホームページ等を通じて周知を行うとともに、民生委員の方々による生活支援の一環として申請勧奨をお願いするなどの対応についても、検討して参りたいと考えております。
4点目、生活保護受給世帯の収入認定としないことについて、受給者への周知の徹底はどうか、お尋ねします。
—答弁(総務部長):
生活保護受給世帯につきましては、各地区保健福祉センターの職員がケースワークの一環として本給付金の申請に必要な支援を行うこととしており、こうした支援を通じて、収入認定としないことについても周知してまいりたいと考えております。
5点目、申請期限は、郵送申請方式の申請受付開始日から3か月以内と2009年の定額給付金の時より6カ月より短いが、申請漏れが発生した場合、どう対応するのか、お尋ねします。
—答弁(総務部長):
国の実施要領によりますと、申請期限までに本人からの申請がない場合、受給を辞退したものと見なすとされております。このため、市といたしましては、受給の意思がある方が申請期限内に申請されるよう、パブリシティをはじめ、市の広報紙やホームページなどを通じた申請の勧奨を行って参りたいと考えております。
6点目、相談窓口を含めて円滑な給付事務の執行をどう進めるか、お尋ねします。
—答弁(総務部長):
本市におきましては、特別定額給付金の円滑な給付に向け、去る4月23日に、庁内にプロジェクト・チームを設置し、全庁的な取り組みを進めているところであります。今後におきましては、5月下旬を目途に、郵送申請に係る申請書の発送等を行うこととしておりますが、申請書の発送に伴い、記入方法などの問い合わせが増加していくことも想定されますことから、5月中旬にはコールセンターを別途開設し、各種相談に対応することとしております。
また、市に返送される申請書の記載事項や添付書類の確認作業等に従事する人員を確保するため、市職員による庁内の応援体制はもとより、新たに、会計年度任用職員を採用し、円滑な給付に向けた体制の構築を図るなど、引き続き、感染拡大防止を図りながら、申請の状況等に応じて、適切に対応して参りたいと考えております。
二つは、歳出4款1項9目保健所費の新型コロナウイルス感染症予防対策費について、です。
1点目、PCR検査や疫学調査、患者検体搬送費の増額など、予防対策費の積算根拠はどうか、お尋ねします。
—答弁(保健福祉部長):
感染症予防対策費の積算根拠につきましては、PCR検査に係る経費として、民間の事業者に1日最大50検体(概ね50人分)を検査していただくための委託料、及び市保健所にて1日最大10検体(概ね10人分)を検査するための試薬や検査キットなどの消耗品費、また、疫学調査に係る経費として、感染予防のためのガウンやゴーグル、アイガードなどの消耗品費、患者や検体を搬送する車をリースするための賃借料を計上しているところであります。
2点目、PCR検査数や陽性率などの実績を踏まえ、PCR検査の拡充など、今後の対策の見通しはどうか、お尋ねします。
—答弁(保健福祉部長):
市のPCR検査の実施状況につきましては、初めて検査を実施した2月15日から昨日までの累計検査人数393人に対し、陽性者は15人となっており、陽性率は約3.8%となっております。
市ではこれまで、福島県衛生研究所に委託して検査を実施してきたほか、独自に、1日最大で、民間の事業者が50検体、市保健所が10検体の合計60検体(概ね60人分)を検査できる体制を整備してまいりました。
今後、県においては、6月末までに1日最大120検体を検査できる機器を新たに整備し、検査体制を拡充する予定でありますことから、市といたしましては、県や医療機関等と連携し、検査体制の拡充に向けて取り組んでまいりたいと考えております。
三つは、歳出7款1項2目商工振興費の店舗等維持支援金について、です。
1点目、売上げ減少5割以上の業種や事業者数など、店舗等維持支援金の積算根拠はどうか、お尋ねします。
—答弁(産業振興部長):
店舗等維持支援金の対象業種につきましては、現在受付を実施しているセーフティネット保証制度認定の実績において、飲食業や宿泊業、建設業など、幅広い業種で売上が5割以上減少していることを踏まえ、全業種を対象としたところであります。
その上で、店舗等を賃借して事業を行う事業者の業種別割合について、総務省が実施している「2018年個人企業経済調査」を参考に積算し、対象となる事業所数を約1,700事業所と見込み、必要な予算を計上したところであります。
2点目、売上げ減少5割未満で苦境に立つ事業者への支援をどうするか、お尋ねします。
—答弁(産業振興部長):
店舗等維持支援金につきましては、売上げの減少が前年と比較して5割以上となる事業者を対象としたところであります。
売上げの減少が5割未満となる個人経営者や中小企業者に対しては、福島県緊急経済対策資金融資制度を利用して運転資金等の融資を受けた際に、資に係る利子補給及び信用保証料を補助するなど、資金調達の円滑化と負担の軽減を図っているところであります。
今後におきましても、事業者の状況や国・県の支援策の動向を見極めながら、市独自の支援策について検討して参りたいと考えております。
3点目、緊急事態宣言が延長された現状を踏まえ、さらなる経済対策の実施に向けて、財源確保のため、国の「地方創生臨時交付金」を総額1兆円から10兆円程度に増額要望する考えはあるか、お尋ねします。
—答弁(産業振興部長):
まずは、今回の補正予算の成立後、事業者に一刻も早く支援を届けるため、速やかな執行に全力を注いで参りたいと考えております。
更なる対策の必要性につきましては、時々刻々と状況が変化していることから、緊急事態宣言の行方や事業者の状況、国・県の支援策の動向などを見据えながら、財源の確保も含め、検討して参りたいと考えております。
特に、「地方創生臨時交付金」については、去る5月5日に、全国知事会において、総額の大幅な増額が提言されていることを踏まえ、本市といたしましても、全国市長会や中核市市長会等の関係団体と連携しながら、適時適切に対応して参りたいと考えております。
