7月23日午後、いわき市文化センター大ホールで、「佐藤かずよし 海の日タウンミーティング」が開かれました。
海の日にちなみ、「母なる海を守るために、古代から海によって生かされてきた私たち自身を見つめ」「海の日に、母なる海を感じながら、子育て・教育・医療そして、環境汚染。私たちの暮らすいわきがどうなるのか…未来の子どもたちにこの心を伝えること みんなで一緒に考え」ようというもの。
コロナ禍の折、会場入り口では検温、椅子席は1席明かして、帰りは席のふき取りをするなど、三密対策を徹底して実施されました。
第1部、『かずよしさんに聞いてみよう!!これまでのいわき、これからのいわき』では、新型コロナウイルス感染症対策、激甚災害が続く中での災害に強いまちづくりなどの市民生活に直結した課題。そして、東日本大震災と原発事故以降のいわきの海を巡って、水産業が厳しい状況が続く中、国と東京電力が原発事故の汚染水を海洋放出しようといている問題に対して、福島県漁連はじめ県内の農林水産団体が、反対していること、いわき市議会での汚染水の陸上保管を求める市民の請願や意見書提出をめぐる会派の動きなどを紹介。
その上で、市民お二人とトークセッション。参加者の皆さんから出された、「待機児童の解消の現状は」「市民アンケートにより子育て世代の意見を市の子育て支援策に反映すべき」「昨年の台風被害の復旧と水害対策の現状は」「『処理水』と『汚染水』の違いは」「トリチウム等を海洋放出して安全なのか」などなど、ご質問やご意見にお答えする形で進みました。
第2部は、講演『馬目順一さんが語る いわきの海〜縄文から未来へ』。
海が現在の谷から山裾まで入り込んでいた縄文時代。小名浜は大きな湾。モリや組合せ釣り針など、日本屈指の鹿角の漁撈用具が出土した古湊の寺脇貝塚と小名浜マリンタワーが立つ網取貝塚。相対する泉の大畑貝塚。人々は、外洋に漕ぎ出してカツオなどの大型魚をとっていました。
福島県考古学会顧問の馬目先生は、小名浜の「大畑貝塚の特異な埋葬(縄紋中期)」を取り上げ、その埋葬を具体的詳細に解説。壮年男子とみられる人骨に添えられた二つの鹿角の棒は、生前まじないを行なっていたシャーマンと想定されますが、死後、脳と心臓が取り出され、歯の一部も抜き取られ、足の指も取られ、大きな石皿が置かれていました。そこからは、この死者が生きていた時の行いが、異界からの蘇りを許されぬ存在であったこと。この死者の蘇りを許さぬ特異な埋葬から見えてきたのは、縄文時代の徹底した平等性だといいます。
時を超え、時を忘れる、縄文のお話でした。階級社会が生まれる前の世界、そして階級社会が生まれ、極度の歪となった現在の階級社会に暮らす私たちの生き方も大いに考えさせる内容でした。