いわき市議会創世会は、11月18日午前、令和3年度予算要望をいわき市長に提出しました。
市民の皆様、市内各団体のご意見ご要望をまとめ、「新型コロナ対策」「台風19号等に係る災害対応」「復興創生」「医療・福祉の充実」「教育の充実」「生活環境の整備・充実」「社会基盤の再生・強化」「経済・産業の再生・創造」「スポーツ・文化・観光の充実」の9つの柱・66項目として、要望しました。
清水市長は、要望のうち、下記項目については、概ね以下のように回答しました。
「新型コロナの感染者が出た場合、患者・利用者・スタッフ等の宿泊施設を確保することは、県が確保している」
「本市の危機管理体制の強化は、新年度に危機管理部を設置して対応したい」
「トリチウム等汚染水は、これからも地元の理解を得るように、国に求めていく」
「学校等にホットスポットがあった場合の除染は、教育委員会など担当と協議したい」
「障がい者雇用に促進は、市が率先してやらなければと理解している」
「福祉避難所への備品配置は、確認したい」
「民間の『夜間中学校』への運営支援は、現状を調査したい」
「学習困難児等の支援員の配置拡大は、調査する」
「鳥獣被害対策は、引き続き予算確保」
「小名浜の小野晋平翁公徳碑の維持管理は、現状を確認したい」
「市産木材利用の促進は、条例制定する。後押しをお願いしたい」
「総合博物館構想は、デジタル博物館を検討したい」
「天田愚庵邸の補修は、進める」
要望書は、以下の通りです。
令和2年11月18日
いわき市長 清水 敏男 様
いわき市議会 創世会 会 長 坂本 稔
令和3年度予算編成に対する要望について
市長はじめ市当局におかれましては、災害からの復興、さらに新型コロナウイルス感染症対策のため、日夜ご尽力されておりますことに敬意と感謝を申し上げます。また日頃より私どもいわき市議会創世会の活動に対して、深いご理解とご協力を頂いておりますことにあらためて感謝申し上げます。
さて、東日本大震災からの復興も9年目を迎えようとしていたさなか、昨年の台風19号等の被害を受け、大震災を上回る被災家屋が発生しました。
さらに新型コロナウイルス感染症対策も、これらすべてが誰も経験したことのない災害であり、その対応においても国も自治体も模索の中で活路を見出してこられたところではないでしょうか。
このような事態においても私ども創世会といたしましては、困難な状況に置かれている市民の皆さんをはじめ各種団体等からの要望を受け、令和3年度予算編成にあたり重点項目を取りまとめました。
つきまして、清水市長をはじめ各執行部におかれましては、我が創世会の要望書に対して深いご理解を頂きまして、令和3年度予算編成に反映していただきますよう要望いたします。
1 新型コロナ対策について
(1)新型コロナウイルス感染防止に向け介護施設等に衛生材料(N95マスクグローブ、フェイスシールド、エプロン等)を提供する態勢を確立すること。
(2)医療機関や介護施設等のスタッフに新型コロナの感染者が出た場合、患者・利用者・スタッフ等の宿泊施設を確保すること。また、感染症患者増大時において医療従事者の宿泊施設を確保すること。
(3)ドライブスルーなどを含めPCR検査体制を拡充すること。
(4)小中学校において新型コロナウイルス感染防止のために消毒作業を教職員が実施しているが、トイレなどの作業の一部をすべての小中学校で専門業者に委託すること。
2 台風19号等に係る災害対応について
(1)被災した児童・生徒のケアを充実すること。
(2)被災者生活再建支援制度を拡充する改正案が閣議決定されたが、台風19号被災者についても遡及して適用するよう国に求めること。
(3)平浄水場について、水害におけるバックアップ体制の確立を早期に実施すること。
(4)河川管理について、夏井川水系、藤原川水系、鮫川水系、それぞれの河川の現状を踏まえ、河道掘削、堆砂除去、堤防嵩上げなどの整備推進を図ること。
(5)本市の危機管理体制について、市長以下幹部を中心とした危機即応体制の更なる強化を図ること。
3 復興創生に向けて
(1)トリチウム等汚染水の海洋放出に反対すること。
(2)事業及び営業、自主避難など30キロ圏外の原子力災害に伴う充分な損害賠償を引き続き東京電力に求めること。
(3)放射線量を下げるため、子どもの生活の場をはじめ地域のフォローアップ除染を東京電力と国の責任で行わせること。
(4)原発事故による健康被害を防止するため、福島県内外における健康診断の充実・拡充と医療費の減免について「原発事故子ども・被災者支援法」第13条第2項・第3項の具体化のための立法措置を国に強く求めること。
(5)幼稚園・保育園・学校及び子どもが利用する公園や道路等の歩行サーベイによる放射線量の定期的測定及び土壌調査など詳細のモニタリングを義務付けし、ホットスポットがあった場合には速やかに除染をすること。
(6)東京電力福島第一原発及び第二原発の廃炉まで、「リアルタイム線量測定システム」の継続配置を国に引き続き求めること。
(7)民間放射能測定検査機関が実施している放射能測定業務等に対して補助金を支給すること。
(8)除染基準を超える場所の除染は、天地返しでは無く土壌の除去を行うこと。また、天地返しで埋設する場合には、除染内容や場所等の詳細な記録を長期的に保存すること。
4 医療・福祉の充実について
(1)いわき市医療センターにおいて透析患者などの心臓病・血管障害等の合併症の治療を早期対応できるよう、医療スタッフの確保を図ること。
(2)地元中小企業への市独自の障がい者雇用助成金の創設、障がい者多数雇用企業へ減税・助成等の施策で障がい者雇用促進を図ること。
(3)いわき市チャレンジ雇用後、市職員として採用を検討するなど、いわき 市職員の障がい者雇用を促進すること。
(4)福祉避難所となった指定事業所に対し、折りたたみベットなど備品配置を進め、受け入れ態勢を確立すること。
(5)防災避難計画に基づく防災訓練を実施するにあたっては、障がい者にも参加出来る態勢を確立すること。
(6)就労継続支援A型における行政事業への参入拡大を検討すること。
(7)障害者雇用の充実のため、いわき市独自の送迎サービスやデマンド交通などを実施し、通勤のための交通手段の援助を行うこと。
(8)発達障がいの早期からの療育・支援が出来るシステムを充実すること。
(9)DV被害者緊急一時保護者の生活費及び自立のための補助金の支給を検討すること。
(10)DV被害者支援に対して、スタッフ人件費等活動費を増額すること。
(11)各種の予防接種費用に対する一部負担を拡充すること。
(12)介護職員の確保に向け、いわき市独自の待遇改善及び介護資格取得のための受講料の助成を行うこと。
(13)20歳以上の利用する障がい者児童施設に対してスタッフの加配や増員への支援を強化すること。
(14)死去後の遺族の各種手続きを一元化し、ワンストップでサービスの提供を図ること。
(15)「夜間中学校」の運営支援を行うこと。
5 教育の充実について
(1)被災に係る児童・生徒への就学援助について、令和3年度以降も引き続き行うように国に求めること。また、台風19号等の被災児童・生徒への就学援助を国に求めること。
(2)学習困難児童・生徒のための学習支援員・生活支援員の配置を拡大すること。また、支援員の賃金引き上げなど待遇改善を行うこと。
(3)1学級30人以下の少人数学級を計画的に中学校3年生まで実施できるよう、国に要望すること。
(4)教職員の多忙化を解消するために校務支援システム等の導入を図り、子どもと向き合う時間を十分確保すること。
(5)小中学校の施設(校舎・体育館等)の営繕調査に基づいた施設の改善を促進すること。
(6)小中学校の給食費・教材費・制服及び運動着などの一部負担を増額し、保護者の負担軽減を図ること。
6 生活環境の整備・充実について
(1)下刈り、枝打ち、除伐、間伐等、花粉症対策のためにも総合的な林業の拡充を図ること。
(2)鳥獣被害対策として、侵入防止対策、個体数の調整、周辺環境の整備、捕獲報償金の予算確保など総合的な対策を強化すること。
(3)公共施設における化学物質過敏症対策を図ること。
(4)公共交通機関の整備やタクシー利用代金の補助を拡充することなど高齢者等の移動手段確保に努めること。
(5)飼い犬・飼い猫の不妊去勢手術費一部助成と所有者のいない猫の不妊去勢手術費一部助成の予算額を増額すること。
(6)江名港周辺に公衆トイレを早期に設置すること。
(7)小名浜栄町にある小野晋平翁公徳碑の維持管理をいわき市が行うこと。
(8)結婚新生活支援事業の整備拡充を図ること。
7 社会基盤の再生・強化について
(1)老朽化した支所等の改築にあたっては、住民意識調査を実施し、支所機能と地域活性化を図る総合施設として順次整備すること。
(2)道路改修補修・雑草の除草等の土木、公園、市施設の維持補修費を増額すること。
(3)JR勿来駅・内郷駅構内跨線橋エレベーターを設置するようJRへ働きかけること。
(4)国土調査を推進すること。
(5)国道・県道・市道の渋滞解消と通学路の安全確保を図ること。
8 経済・産業の再生・創造について
(1)就職支援、起業・承継支援、居住支援、各種生活情報提供などワンストップで実施するUIJターン受け入れ環境の整備をすること。
(2)常磐湯本地区まちづくり計画を推進すること。
(3)公共工事における、賃金確保条例(公契約条例)を制定すること。
(4)小規模修繕契約希望者登録制度において登録業者を増やす取り組みを行うとともに、受注機会の拡充と上限額の引き上げを検討すること。
(5)住宅リフォーム助成制度を拡充すること。
(6)漁業経営改善普及事業補助金の支給継続、本市の水揚げ量の増加のため廻船誘致対策事業補助金を増額すること。
(7)漁業再開支援業務を継続すること。
(8)市内の漁業・水産業が完全に復興するまで、「ふくしま産業復興投資促進特区」としての期間を延長し、「固定資産税の課税免除」の継続をすること。
(9)いわき市産木材利用の促進を図ること。
9 文化・スポーツ・観光の充実について
(1)(仮称)いわき地域総合博物館構想を構築すること。
(2)ジオパーク認定の取り組みを行うこと。また、「砂の博物館」構想を検討すること。
(3)照明設備のあるテニスコートを整備すること。
(4)山の日制定に伴う山の観光の促進を図ること。
(5)愚庵邸の劣化が目立つ箇所から早期補修をすること。
(6)公認パークゴルフ場の創設を図ること。