12月16日、3日から開催されていた、いわき市議会12月定例会が閉会しました。
12月定例会は、常磐湯本財産区が運営する温泉給湯事業等の市移管に伴う議案、災害の頻発激甚化に対応し「危機管理部」を新設する「市部等設置条例」や大規模災害に備え消防職員の定数を28名増員する「市職員定数条例」の改正案、新型コロナウイルス感染症に係る経費等のいわき市一般会計補正予算(第9号)など市長提出議案51件、災害等対策推進特別委員会の設置など議会案2件を可決しました。
常磐湯本財産区は、常磐湯本町を区域とする特別地方公共団体。区民の福祉増進のため、家庭や旅館などへの温泉給湯事業、「湯本駅前みゆきの湯」「上の湯」の2施設の公衆浴場事業、区民や市に土地の貸付を行う財産管理事業の3事業を実施してきました。近年、施設の老朽化や利用者の減少により、事業を継続するため、区の管理会と市が協議し、来年度から、温泉給湯と公衆浴場の2事業を市に移管することになりました。
このため、施設の管理運営費用の財源に充てる基金の設置条例、温泉供給施設の設置と管理に必要な条例の制定、これまでの関係条例の廃止、関連する管理会条例や公衆浴場条例の改正が提案され、審議・審査の過程で、区民や管理会との協議内容、事業継続と収支を含めた今後の経営見通しなどが議論となり、執行部に対して、本件に関する適切な情報開示と共有を求めるとともに、移管後早期の経営形態の検討を求める附帯決議が行われました。
補正予算は、新型コロナウイルス感染症に係る経費や市政執行に係る経費など、総額で約61億2500万円。このうち、一般会計の補正は、約55億2千4万円で、主なものは以下の通りです。
(1) 新型コロナウイルス感染症対策に係る経費 約7億2千万円
・空調設備の改修ー必要な換気量を確保するため、徳風園、総合保健福祉センター、フラワーセンターなどの空調設備を改修。
・衛生用品の購入等の費用補助ー私立保育所等、放課後児童クラブ等、産後ケア施設などの衛生用品の購入等に係る費用を補助する(上限額50万円/ 施設)。
・ワーケーションの推進ー湯本地区宿泊施設でヘルスケアプログラムを実施、湯本駅等にワークスペースを整備し、ワーケーションによる観光誘客の推進を図る。
・新たな行政サービスの提供体制の試みーいわき版MaaS。ポストコロナ時代や災害時における新たな行政サービスの提供体制の構築に向け、オンライン窓口機能を搭載した車両で地域へ出張する「移動市役所」のモデル的な取組み。
・ブランディング・プロモーションの推進ー新しいシティセールスの取組みとして、「香り」を活用した本市ブランドイメージの醸成や、本市の地域資源を活用したオンラインツアーのほか、次世代を担う若者との絆を深めるための事業を行う
・権利擁護支援(感染症対策分)ー市民後見人がオンライン面会を活用した後見活動ができるよう、タブレット端末等を整備する。
・卸売市場事業会計繰出金ー新型コロナウイルス感染症の影響により売上が減少した場内事業者の経営支援として実施した市場使用料の減免相当額を、一般会計から卸売市場事業会計へ繰出しする。
(2) 国・県補助事業の確定・内示及びその他市政執行に係る経費 約48億3百万円
・公営住宅ストック総合改善事業費(単独)ー令和元年東日本台風により被災した用途廃止予定の市営住宅(7団地)について、解体工事を実施する。
・河川改良事業費(単独)ー護岸の未整備区間が長く、大雨による河川増水により護岸崩落が頻繁に発生する2河川について、自然災害を未然に防止し、また被害を最小限にするため、早期に護岸工事等を行うもの。
・消防庁舎浸水対策事業費ー消防本部・平消防署統合庁舎について、今後の浸水被害を未然に防ぐため、非常用電源装置の移設や防水 板設置工事等を行うもの。
・保育所等利用調整AIシステム事業費ー保育所等入所選考事務において、利用決定時期の短縮、また、当該業務時間を縮減し、各地区保健福祉センターにおける福祉業務のさらなる充実化を図るため、AI 機器を導入するもの。
・Society5.0推進事業費ー少子高齢化や人口減少社会における課題等に対応するため、民間企業から人材を受入れ、ICTを活用してSociety5.0の構築に向けた取組みを行うもの。