いわき市鹿島町久保の山崩れ対策工事が完了し、崩落以来、1年5ヶ月ぶりに1月28日16時、県道小名浜平線(通称鹿島街道)と市道2路線の供用が全面再開しました。
2019年8月24日午後11時過ぎ、我が家が突然停電となり、知人からの携帯電話への第一報が始まりでした。鹿島町久保薬師前の鹿島街道交差点では、木や電柱がなぎ倒され、電線が垂れ下がり、寸前で停止した軽自動車の脇で女性が泣いておりました。帰宅途中で、信号停止したところに、山が崩落。間一髪で難を逃れたのです。
小名浜と平を結ぶいわき市の大動脈、主要地方道、県道小名浜平線の薬師前交差点付近では、片側通行による慢性的な交通渋滞が続き、復旧工事の進捗に合わせて、昨年4月から暫定3車線、同10月から暫定4車線の通行となりましたが、市道久保・下矢田線などは1年5ヶ月間にわたり通行止めでした。鹿島小学校の子供たちの通学路は、1年5ヶ月迂回ルートとなり、通学路の変更による児童の登下校時の安全確保のために、小学校、PTA、子ども見守り隊が地域一体で協力し合ってきました。
崩落の危険性のあった現場に隣接する2世帯の方は不便な避難生活を約1年以上強いられました。井戸が落石で埋まったお宅は、いわき市指定文化財の久保磨崖仏のお掃除をしていて異音を聞いていました。崩落した山体は昔、住宅の土台等に利用する凝灰質砂岩を切り出した石切場で大きな空洞があり、指定文化財の磨崖仏は、崩落現場で大きく損傷して発見されました。
2019年秋より、福島県による地質調査及び測量設計の業務委託が発注され、復旧にあたり国の補助事業である災害対策等緊急事業推進費を活用、県道と市道の復旧工事に伴う費用負担の範囲など、国・県・市が協議し、県道小名浜平線を管理する福島県いわき建設事務所が工事を担当してきました。
対策工事は1年間にわたり、崩れた岩塊と上部の岩盤を小割りにして搬出、昨年2月から準備に入り、同年3月以降、岩撤去や仮設防護柵の設置、同年11月頃に法面の緑化工事。同年12月末、岩撤去完了、本年3月末に工事完了という予定で進行してきました。工事関係者の皆様のご尽力で、予定より早期に各路線の全面供用が再開できたことは嬉しい限りです。
1月29日朝も、鹿島街道久保薬師前交差点で子どもたちの見守りを行いました。
山崩れ以来、鹿島小学校の登校日の朝、この交差点と鹿島公民館前交差点の二箇所を車で移動ながら、雨の日も風の日も、子どもたちの笑顔を見守ってきました。大きな事故もなくすみ、長かったような、あっという間の1年5ヶ月でした。2月1日月曜日からは、1年5ヶ月前と同じように、鹿島公民館前交差点で見守りを続けます。